Nieuwerkerk aan den Ijsselの風景.運河の水位は右手の民家よりも高い位置にあります.
オランダの国土の約1/3は海面下にあります.
滞在していたデルフトの標高は,マイナス3mからマイナス2m,
オランダの窓の玄関口スキポール空港では,マイナス3.5mです.
海抜何メートルと表現する時にマイナスが付されるのは,
日本ではあまり馴染みのない響き.魅力的です.
では,オランダで最も低い地点はどこなのか?
この問いに答えられる人は少ないような気がします.
かくいう私も,ロッテルダム郊外に位置しているということだけは,
書物から知識を得ていたものの,実際のポイントとなるとさっぱりわかりませんでした.
逆に,オランダで最も高い場所に関する情報はドリーランデンプント
(オランダ,ドイツ,ベルギーの国境が交わる地点)の存在と相まって盛り沢山でして,
ガイドブックにも掲載されていますが,最も低い場所となるとさっぱり.
記念碑に続く道.
普通(?)ならば,最も高い地点を目指すのでしょうが,その辺は アマノジャクな性格が幸い(災い?)して,極めてマイナーな,でもある意味 オランダに滞在している上で押さえておくべきポイントかと思い, また,周りの誰もが行っていない,それどこ?っていう場所ですから, ハイテンションのまま調査しました. いろいろと調べているうちに, オランダで最も低い地点には,記念碑があるという情報も入手して, これは一目だけでも拝見せねばと,調査に拍車をかけるのでありました. オランダ人でも見た人は少ないようで,アマノジャク精神を掻き立てられる場所であります. でも,悲しいかな発見できない.
最も低い位置に立つ記念碑.
苦労の末,ようやく見つけました.決め手は,Google Earthでした.
そう言えば,
オランダではGoogle Earthに大変お世話になりましたね.
目標物だけでなく,最寄駅の場所,そこからの距離,いろいろと応えてくれます.
主人がマイナーな場所を好むものですから,ご迷惑をおかけしました.
Google Earthには感謝感謝であります.
朝8時発のNSに乗って,
Nieuwerkerk aan den Ijssel駅で降りて,駅から歩くこと約1時間.
念願の記念碑を見つけました.
記念碑の台座部分には,-6.74mN.A.P.と記されています.
オランダは海抜ゼロメートルの国際的基準を提示しており,それが
NAP(Normal Amsterdam Peil:標準アムステルダム平均海面)です.
記念碑を見ると海面下に暮らす生活が不思議に思えます.
なお,この地点が最も低いというわけではなく,
この地点の約1ヘクタールにわたってオランダで最も低い地帯であるということです.
記念碑.
記念碑の説明文.
台座の部分には,-6.74mと記されています.
オランダで最も高い地点.
記念碑の横にある標識には,
1995年6月29日に,国土水管理省(Transport, Public Works and Water Management)の大臣,
A. Jorritsma-Lebbinkにより,正式に認められ,
1998年4月18日にこの記念碑が披露された旨の記載があります.
参考までにオランダで最も高い位置はオランダ南部,
マーストリヒト郊外にあるファールスという街の322.5mです.
エッフェル塔とほぼ同じ高さですから,如何にオランダがフラットな国であるかがわかります.
そこには写真のような標識があり,最高地点と最低地点の地名ならびに海抜が記されています.