RIMS研究集会 強制法による拡大と巨大基数

日程: 2012年12月4日(火)午後 〜 12月7日(金)午前
会場: 京都大学数理解析研究所 111号室

(English Page)

背景と目的

(以下がすべてではないことに注意)

集合論(ZFC)の公理系を強化し、実数の濃度が何番目の非可算基数であるかを定めることができる。 ある種の強制法公理(Forcing Axiom) は、 実数の濃度を2番目の非可算基数として計算 する。S. Todorcevic と B. Velickovic によれば、PFA (Proper Forcing Axiom) は、そのような Forcing Axiom である。 いったい、このような Forcing Axiom を集合論の公理系に付け加えてよいのであろうか? 付け加えてよいことを見るためには、このような Forcing Axiom の成立する集合論のモデルを構成するとよい。 まず、巨大基数の存在する集合論のモデルを基礎モデルとする。 次に、繰り返し強制法(Iterated Forcing) により基礎モデルを拡大する。 つまり、基礎モデルに必要なものを順に付け加えて行き、拡大を続け、最終的に当該の Forcing Axiom が 成立する集合論のモデルを構成する。 ただし、この方法は常にうまくいくとは限らない。 S. Shelah は、 Proper Forcing や Semiproper Forcing の場合に、うまく行くことを示している。 では、PFA のような 決定性の強い Forcing Axiom を弱めていった場合、実数の濃度はどうなるであろうか。 この種の問に答えるには、Iterated Forcing により基礎モデルを拡大するとき、実数のふるまいをう まくコントロールするすべが必要となる。この問題はいくつかの事例を除いて、難問とされている。典型的 には、Iterated Forcing の極限段階が問題となる。 近年、David Aspero と Miguel Mota の両氏による新しい Iterated Forcing の理論が出現する。この理論によれば、 ある種の副次的な見取り図を強制法の構成に織りこみ、実数の生成のコントロールを行う。 今回の会議では、関連する諸分野の研究者を招き、この新しい Iterated Forcing の理論の理解と深化をはかるとともに、 研究発表と討論を行なう。

プログラム

研究集会プログラム(PDF) (日本語版, 英語版)

ゲストスピーカー

講演とスライド

ミニコース

一般講演

連絡先

世話人: 宮元 忠敏 (南山大学 経営学部)

電子メール: miyamoto@nanzan-u.ac.jp