<HuSS 第15回研究会>
日時 : 2006 年 7 月 25 日(火) 16:30〜18:30
場所 : 神戸大学発達科学部 F254
テーマ : 青年期における特性罪悪感の構造に関する研究
−これまでの研究結果と今後の構想−
話題提供者: 大西将史(神戸大学総合人間科学研究科 D2)
○発表要旨
罪悪感は,他者との相互的な社会的関係を成立させるために
必要不可欠な道徳的感情であるとともに,抑うつなどの精神病
理に結びつくという2つの側面がある。しかし,従来の実証的
研究では,罪悪感のどちらか1つの側面についてだけ扱ったも
のがほとんどであり,罪悪感を包括的に捉えているとは言い難
い。また,従来の尺度は,罪悪感のどのような側面を捉えてい
るかが不明確であり,概念定義においても測定においても混乱
している。そこで発表者は,罪悪感における特性と状態の概念
整理を行い,4下位尺度から構成される新たな特性罪悪感尺度
を作成した。今後は,この尺度を用いて,罪悪感における2つ
の側面と心理的・社会的適応との関連について,青年期におけ
るパーソナリティの発達という視点から実証的に検討していき
たいと考えている。今回の発表では,これまでの研究結果と,
それを踏まえての今後の構想について報告を行う。
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