研究内容

環境DNA分析の技術開発

水中に存在する生物のDNAを効率よく集め、正確に分析するための方法を開発、改良しています。具体的には、ろ過法や保存法、DNA抽出の最適化、分析手法の標準化などです。また、核DNAとミトコンドリアDNAの比率やDNAメチル化状態などを調べることで、生物の分布だけでなく行動や状態も解析できる新しい技術の開発にも力を入れています。

主要な成果

希少種や外来種のモニタリング

絶滅の危機にある生物や外来種を早期に発見し、保全や管理につなげる研究です。魚類、両生類をはじめ様々な生物群を対象に、環境DNAを使って効率的に検出する特異的検出法を開発し、最終的には政策や社会への実装を目指しています。

主要な成果

水域の生物多様性モニタリング

河川や湖、沿岸域に生息する魚類などの水生生物の種類や数を把握し、生態系の現状を把握するとともに変化を追跡します。環境DNAメタバーコーディングや環境DNAの定量によって、短期的長的的な生態系モニタリングに役立てています。

主要な成果

感染症の生態学

寄生虫や病原菌、魚病ウイルスなどが水環境でどのように分布するかを調べています。環境DNAを使って病原体を検出し、公衆衛生上のリスクを評価することで、感染症の予防や管理に貢献します。また、抗菌薬耐性菌の水系への流入や拡散も重要な研究対象です。

主要な成果

都市の生態系とウェルビーイング

都市の緑地(グリーンスペース)や水域(ブルールペース)が人々の暮らしやウェルビーイングにどのような恩恵を与えるかを研究しています。生態系サービスと人の幸福感の関係を分析し、自然体験の格差を減らすための政策提案や、里山再生の取り組みを進めています。

主要な成果

動物の生理生態学

魚類、ホヤ、昆虫類などをモデルに、視覚に関わる遺伝子やタンパク質の仕組み、体内時計のメカニズムなどを解明しています。網膜で働くオプシンやロドプシンの分子構造、時計遺伝子の発現パターンなどを明らかにすることで、生物の環境適応の仕組みを理解します。

主要な成果

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