2003年度知的障害のある成人を対象としたプレ公開講座「大学で自分の世界を広げよう」と、その開催までの足取り
第1回懇談会 11月1日(金) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室
17人の参加者を得て、第一回目がスタートしました。参加者の内訳は、学生が11人(うち大学院生3人)、福祉関係職員2人、親3人、大学教員1人でした。たくさんの方達に集まっていただいたおかげで、熱気ある雰囲気の中で、第一回懇談会を開催することができました。
議事は、自己紹介、懇談会の概要説明、資料説明を行った後、事業理念と懇談会の開催のしかたについて議論しました。次のような論点が出されました。
○発達の遅い子どもがいるが、卒業直前になってそれまでの教育・訓練の効果が現れてきたと思い始めた途端に、教育・訓練の機会が少なくなってしまった。発達の遅い子どもの教育期間は、もっと長くなければならないと感じる。成人になるほど、相談、教育などの場がなくなっていくのが不合理。支援が欲しい時期に何もないということがある。(親の意見)
○学習活動が軽度の障害者のものだという認識が強いと、重度の障害者がいっそう見えなくなる。本人が自分を高めたいという思いをもっていくところを大切にして欲しい。そういった障害の重い人も含めた自己研鑽の場であることが、周囲の人たちの気づきにもつながっていく。(親の意見)
○学ぶことの意味を考えたい。学習は、生活の幅が広がるところに意味がある。(学生の意見)
○大学でやるということの意味を考えることも必要。青年学級や公民館などでの事業があれば、大学でやる必要はないとも言える。(学生の意見)
○神戸大学に通うことが偉いことになってしまうという結果になると、問題である。神戸大学に通うということよりも、学ぶ内容が大切である。だから、大学で取り組む意味を、内容面から拘ってみたい。(学生の意見)
○大学でも公民館でも街角でも、学ぶ場はある。大学でもやったらいいではないか。そういう場があう人もいるし、あわない人もいる。むしろ、始めてみた上で、どう発展的に捉えるかという視点をもつことが必要。(福祉関係職員の意見)
○本人は、職場が高齢化しているので、若い人たちとの関わりが嬉しいと感じるようである。仲間を広げたいという意識が強い。(親の意見)
○障害のある人たちの学習は、われわれの考えている学習とは異なるものであるかもしれない。その場で生き生きしていることとか。(学生の意見)
○権利についての気づきを得る機会と、分断されている知的障害のある人たちが連帯する機会とが大切なのではないか。(大学教員の意見)
○人権についての気づきは、知的障害のある仲間の言葉が大きな力になっているようだ。本人が講師になって人権の話をするなども、検討するとよい。(学生の意見)
○家庭の中での悩みなどにも、スポットを当てて欲しい。(親の意見)
○弟や妹は大学に行ったのに、なぜ自分は行けないのか、という思いを本人が語ることがある。(親の意見)
○何が勉強したいというよりも、いっしょに勉強をする仲間がいるといい。(親の意見)
○大学は学習機会を組織化しやすいし、注目を集めやすい。その中で、本人活動のリーダーになる人も出てくるとよい。(親の意見)
また、この懇談会をとりあえず月1回ペースで進めていくことが決定されました。また、このペースで続けていき、来年度末に試験的な事業を計画してみるという見通しも共有しました。
一度、本人の声を聞く会を設定するという案が出され、次回の懇談会でその具体的な計画をつくることになりました。
第2回懇談会 11月26日(火) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室及び中会議室A
9名の参加者を得て、事業理念や計画づくりについての議論をしました。参加者の内訳は、学生1名、福祉関係職員2名、親3名、地域活動主宰者2名、大学教員1名でした。火曜日の午後は授業が多い時間で、学生の参加が少なかったのが残念でした。議事は次のように進みました。
1 前回出席できなかった方の自己紹介と意見表明
〇知的障害のある人々に何を提供できるかということよりも、知的障害のある人々から我々が何を学べるかということを追究していきたい。(地域活動主宰者の意見)
2 学習機会の理念について
前回の議論の概略を確認した上で、論点を次の3点にまとめました。1)言語操作の得意な人と苦手な人のどちらに焦点化したプログラムにするか、2)大学の資源を活用するとはどういうことか、3)どのような学習内容を設定するか。
〇大学で学習機会提供を行うことは、社会に向けて発信することによって意味をもつようになる。どういうシステムを構築すると、障害者の自立に役立つのかということが追究され、成果が社会に発信されることをめざしたい。(地域活動主催者の意見)
〇大学の知のレベルを部分的にでも受け入れることができる人を対象に、その人たちの学習ニーズを保障するためにプログラムをつくるという方向性も考えられる。(地域活動主宰者の意見)
3 先行事例の検討
先行事例として、武庫川女子大学のオープンカレッジに関する資料を確認しました。
4 学習会企画・立案
知的障害のある人本人から、「大学でどのような学習がしたいか」を聞く学習会と、先行実施している公開講座等の経験者からの話を聞く学習会が提案されました。前者については、どのような人を招くかということや、来てもらってもフォーマルな場で発言できるか、といったことが論議されました。その上で、最終的に「大学ってどんなところだろう」というプレ企画の実施を行うほうが意味があるという方向で考えることになりました(学生の提案)。また、先行実施している公開講座経験者からの話については、資料収集はすべきであるけれども、来てもらって話を聞くとそれに拘束される危険があるので、特に必要ないという結論に達しました。
ただし、知的障害のある本人や周辺にいる人たちの間で、「大学で学習するとしたら何を学びたいか」ということを話題にして、意見を集約していくという努力がなされるべきだということ(地域活動主宰者の意見)と、先行事例については資料収集した結果、特に話を聞きたい場合には講師依頼をすればよいということが確認されました。
ということで、学習会という形での企画は見送られました。
5 スケジュール案について
04年度から公開講座としてスタートすることを前提にすると、03年度はさまざまな実験的な企画を行うことがメインになり、そのためのプログラムづくりを来年早々から検討していってはどうか、という提案がなされました。それに対して、多くの参加者から意見が出されました。
〇慎重すぎるのではないか。もっと小規模でもいいから始めてしまい、やりながら考えるというほうがいいのではないか。(地域活動主宰者の意見)
〇最終的には、公開講座のような形でシステムとして事業展開できるようにしたほうが、金銭的なバックアップや受講者を含めた関わる人たちの層が厚くなるのではないか。そこに至るまでは、もっと気軽に始めるといいと思うが、プログラムをよく練るということも必要であろう。(大学教員の意見)
〇知的障害のない人々が、知的障害のある人々から学ぶということを重視するなら、学生がこの事業に関わることで単位をもらえるようになるとよい。(地域活動主宰者の意見)
○学生を巻き込んでいくことは、それほど容易ではない。学生にも魅力あるプログラムを実施することが大切である。(大学教員の意見)
〇障害の軽い人たちを対象にするプログラムと、障害の重い人たちを対象にするプログラムとを分けて考えて、二本立てにしていくことになるのではないか。(親の意見)
〇障害の軽い人たちが、障害の重い人たちのことも含めて、自分たちの世界として表現できるようになるプログラムになるとよい。生活レベルでは、障害の重い人と軽い人とは交差しているが、特に言葉によって自分たちの世界として表現することは、なかなかできない。また、言葉だけでなく、音楽なり美術なりスポーツなりでも、共感し共有するものを形成していくのを支援する取り組みになるとよい。(地域活動主宰者の意見)
〇知的障害のある人たちの周辺にいる人たちとの話題の中には、大学に大して、専門的な知識のある人たちに、本物の魅力を伝えてもらいたいという要求がある。(地域活動主催者の意見)
5 次回懇談会に向けて
次回から、具体的な学習プログラムについての話し合いをしていくことになりました。
また、先行事例の収集や、さまざまな人たちの声を集めて整理していくといった課題を、少しずつ進めていくことにしました。
【ここまでの論議で明確になってきたこと】
2回の懇談会の議論で、はっきりしてきたことは次のようなことだと考えられます。このリストは、津田の整理に基づくものであり、全体の合意を得ていないものです。
○大学での、知的障害のある人たちを対象とした学習機会提供は、社会的需要も高いことが予測され、ぜひ実現させる方向で話し合いを進めたい。
○学習機会提供は、最終的には公開講座などの形をとることが制度的・組織的なバックアップ体制を確立できる点で望ましいが、そこに至るプロセスにおいては、柔軟に考え、小規模な学習活動を実施しながら考えていくというスタイルをとってもよいと考える。
○大学でこのようなプログラム提供を行う意義については、いくつかの論点がある。1)大学の知的資源の社会還元の一環であり、知的障害のある人々にとっては、専門家のもつ「本物の魅力」を共有する機会を提供することができる可能性に意義がある。2)実験的要素のある試みであり、どのようなシステムが知的障害のある人々の「自立」を支援することができるかを模索し、成果を社会に発信する拠点として大学が機能するという可能性に意義がある。3)大学は、地域の一社会資源であり、他の施設や機関でもできることであっても、大学でやってもよいという発想に基づく考え方もある。
○提供するプログラムに必要な言語的な知的水準は、予め設定しない。言語に基づく知的活動も行う反面、非言語的な活動の提供も行う。
○ただし、非言語的な活動についても、単なる交流や余暇活動の枠にとどまらず、知的活動としてプログラムをつくる。
○言語に基づく学習のテーマの中心(のひとつ)に、人権を置く。
○プログラムづくりやその検討に時間をかけて進めていく。
○知的障害のある本人の声が事業に直接反映するしくみを、逐次取り入れていく。
第3回懇談会 2003年1月31日(金) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室
9名の参加者を得て、プログラムについての議論をしました。参加者の内訳は、学生3名、親3名、地域活動主宰者2名、大学教員1名でした。
1 これまでの懇談会で話されたことの確認
2 学芸大学公開講座の紹介
・学習者の社会経験にあわせた資料提示である点に注目すべき、という意見が出されました。
・「ちゃんと分かってから次に進む」のではなく、「ある程度分かる部分があれば、そこを手がかりに先に進む」という感じの進行に注目すべき、という意見が出されました。
3 本人や関係者の意見聴取について
・メンバーの1人が、アンケートをとっています。まだ17票しか集まっていませんが、100票くらい集めることをめざしたいと考えています。現在までのデータとしては、@親よりも本人のほうが、大学での事業への参加に積極的である、A親は「活動」する場を期待しているのに対して、本人は「学習」する場を期待する傾向にある、というところが特徴的であるようです。
・また、別のメンバーが、本人に直接聞き取りをしました。話してくれた本人によると、大学生と交流したいという希望が強く、大学生が大学で勉強している時間・場所に本人が学習できる時間・場所をつくることを望んでいるようでした。
4 プログラムの検討
1) プログラムの大枠について
・1日完結型のプログラムを積み重ねていく。
・対象者は成人。(学齢期の人たちとはニーズが異なる。大学生と同年齢程度であるほうが、大学生の気づきが多いだろう。けれども、年齢差があることによっても、おもしろい相互支援の関係が生まれる。)
・時間は、土日を考える。(平日は、本人の出席が困難な場合が多いこと、また準備をする時間を含めてゆったりと時間をとることが望ましいことが理由。大学生との交流については、徐々に機会を増やしていく方向で考える。)
・修了証の発行を考える
2) テーマについて
・社会との関わりにおいて、自分について考える。
・選択の主体として、「何をしたいか」を考え表現する。
・選択の主体であることの自覚を促す。
・選択のための手がかりとして、「本物」に接する機会をつくる。
・これらのことを人権と結びあわせていく。(キーワードは、社会的自律・自己理解・人権)
・こういった大テーマのもとに、具体的なプログラム内容を考えていく。
3) 課題
・送迎について
・大学生をどう巻き込むか
・テーマとの関連で講師の人選
第4回懇談会 2003年2月17日(月) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室
11人の参加者を得て、プログラムについての議論を行いました。参加者の内訳は、学生1名、親3名、福祉関係職員2名、地域活動主宰者2名、養護学校教員2名、大学教員1名でした。新しく、附属養護学校の先生が参加されました。
1 プレ企画のテーマと講師について
・プレ企画のテーマは、当面、〈「美しいもの」に親しむ〉で考えていくことにしました。
・このテーマにおけるこだわりのひとつとして、感性は人それぞれ異なっていて当然なのだから、参加者個々人の感性が肯定され自信を持つことができる場をつくる、という点を確認しました。
・このテーマに即した講師候補者をノミネートしました。ただし、実際に対話を通して、講師の先生の考え方や思い、意図、ねらいを理解し、プログラムの目的を共有するプロセスが必要であることが確認されました。次回の懇談会以降の早い時期に、そのような場を設定することにしました。
・プログラムは、「芸術作品を鑑賞することを楽しめる」という方向性と、「美を創作し、生活に取り入れる」という方向性の双方から考えていくという提案がなされました。
2 事業の大テーマについて
・神戸大学での企画に一貫したテーマとして、「ホンマモンの世界と交流して、自分らしさを発見しよう〜知的障害をめぐる社会的課題解決に向けた本人と大学の知との協働〜」という提案がなされましたが、論議の末、次のようなテーマに仮決定がなされました。「大学で自分の世界を広げよう〜知的障害をめぐる社会的課題解決に向けた本人と大学の知との協働〜」。このテーマについては、次回以降も必要に応じて論議します。
・この議論の過程で、次のような意見が交わされました。「ホンマモンの世界」を大学が独占しているというイメージはよくない。「自分らしさ」という言葉は誤魔化しに使われることがある。むしろ本人はよく自分のことを分かっているということもできる。それよりも、大学に行くことで得られると期待されるのは、世界を広げるということではないか。
3 その他
・年度の変わり目に、「懇談会」を解散して、実働部隊として機能する「実行委員会」に組織変更を行うことも提案されましたが、次回以降に具体的な組織体制についての提案に基づいて改めて論議することになりました。
第5回懇談会 2003年3月28日(金) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室
春休みということもあってか、参加者が少ない中で行われました。参加者は、学生1名、親2名、大学教員2名でした。今回は、プレ企画の講師になっていただく山本道子先生にご出席いただき、プログラムの具体的な話をしました。
山本先生には、これまでの懇談会で話し合われたことをもとに、2回ほど説明をし、関心を持っていただきました。その上で、この企画で実施できるプログラムの可能性について、興味深い案を提示していただきました。今回の懇談会では、提示していただいた案のイメージをふくらませて、具体的なプログラムづくりの第一歩を踏み出すというものでした。
1 プログラムのコンセプトについて
山本先生から、次のような説明がありました。
・いろいろな形や色(その他にも音、臭い、手触りなど)には、固有のイメージがある。さらに、特定の形や色には、対応関係(共感覚)があるようだ。例えば、正方形は青、三角形は黄色、円は赤といったように。また、国や文化によって、そのイメージや対応関係は異なる。
・こうした形や色で、あるイメージを表象するということが、学習プログラムになるのではないか。具体的には、自分を表すマークなり絵を創作することによって、感性を磨くことでの自己発見と、発見した自己を表現することをめざせるのではないか。
この説明を受けて、次のような意見が出されました。
・五感を駆使してイメージを育てるという学習は、とても意義がありそうである。
・社会から押しつけられる固定観念に染まっていない部分を再発見・再評価することで、まわりの人たちが見落としていた個々人のよさを見直すことができるかもしれない。
・自分のデザイン感覚に気づき、自分について考えるきっかけになりそうだ。
・「よいデザイン」「きれいな絵」といったような、いい方向にもっていこうとするのではなく、自分に気づき表現するという方向での企画なので、絵を描くことに対する苦手意識などを払拭する機会にもなるかもしれない。
・自分らしさとは何か、自分らしさを表す色や形とは何か、という難しい課題に取り組むことで、いったんは迷ったりわからなくなったりするだろうが、それを乗り越えるという達成感に意味があるのではないか。
・固定観念にもとづいて創作し、固定観念に影響を受けて鑑賞し価値判断するという悪循環を断ち切るしかけも必要ではないか。特に一般学生のなかにある固定観念に気づくように工夫したい。
2 具体的なプログラムの案
具体的な議論をしやすくするため、プログラムの流れをイメージしてみました。
@色のもつイメージについてのレクチャー
Aワーク1「神戸って何色?」(他の都市との比較も含めて)
話し合いと発表。(いろいろな写真を準備して、その写真を用いて説明することも考えてよい。)
Bワーク2「自分のイメージを色で表現する」→色を使った自己紹介
C形のもつイメージについてのレクチャー
Dワーク3「自分をイメージさせる絵(マーク)の創作」
Eそれぞれの絵(マーク)の鑑賞
Fイメージのもつステレオタイプについてのレクチャー
3 プログラム案をめぐって
このようなプログラム案をめぐって、次のような意見が出されました。
・部屋の中でワークばかりしていたのでは煮詰まってしまう。遊びやゲームを合間に組み込みながら進行させるとよいのではないか。
・色についてのイメージそのものが薄い人も多いのではないか。例えば、摘んできた葉っぱから色をつくってみるといったこともやってみるとよいのではないか。
・色も形も、というのは難しすぎるかもしれない。色だけに焦点を絞ったプログラムもよいのではないか。
・色をテーマにするのはやりやすいが、形を使うのは難しそうである。
・「こんなことはできないだろう」というふうなところから発想すると、限界を定めてしまうことになり、プログラムもチャレンジングではなくなる。少なくとも、難しそうなことも選択できるという余地を残したプログラムをつくるべきではないか。
第1回実行委員会 2003年4月18日(金) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室
10名の参加者を得て、プログラム内容等についての議論をしました。参加者の内訳は、大学院生1名、親4名、地域活動主宰者2名、職員経験者1名、附属養護学校教員1名、大学教員1名でした。
1 学習プログラム作成について
前回に討議された内容を確認し、意見交換をしました。出された意見は、次のようなものです。
・自己イメージを描くことを課題とした際に、いつも描いているものを描くだけの人や、好きなものを描く人がいることも考えられる。その人たちの創作に対して肯定的である場をつくるということを考える必要がある。そのためには、事前に参加者の色や形に対する傾向を知っておかなければならないかもしれない。
・シュールレアリズムの手法に偶然性から生まれる造形があり、その手法をワークショップで活用しているという事例もある。また、養護学校では「画用紙の挑戦」といって、画用紙にいろいろな手段で変形加工することで、表現の可能性を追究している。そういった手法を取り入れることができるのではないか。
・固定観念をこわすと言いながら、自己イメージを表象するという実践は固定観念に依存しているのではないか。
・プロセスの共有にいちばんの価値が置かれるべきであり、また絵(マーク)の概念を広げるように働きかけるとよい。
・学習への参加を通して、参加者が「自由になれた」と体感できたらよい。
こうした議論を踏まえた上で、山本先生にご協力をいただきながら、自己イメージの表象をテーマとした学習プログラムにするという方向を確定しました。
今回は、前回提案された学習の流れを確認するだけにとどめた。次回までにこの提案を受けて、それぞれの委員が対案などを考え、提案することにしました。
2 アンケート調査の件
このプレ企画実施にあたってのニーズ調査について、中間報告と意見交換がなされました。
・現在のところ回答者数が44人であり、統計分析には限界がある。
・今後もこの調査を100人の回答者を得る程度まで続けることにする。
・質問項目に回答が難しいと思われるものもあるが、理解を助けるための別紙を添付することとし、このまま調査を続行することにする。
・プレ企画が終了した時点で、事業のふりかえりの資料として、再度アンケート調査に取り組む。
3 その他
その他、次の3点が合意されました。
・プレ企画の実施時期として最適なのは、12月か1月であろうという方向でまとまりました。
・発達科学部研究教育費を導入する手続きに着手することにしました。
・6月の実行委員会は、山本先生と本人の方にも参加していただく方向で調整していくことになりました。
第2回実行委員会 2003年5月15日(木) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室
8名の参加者を得て、プログラム内容等についての議論をしました。参加者の内訳は、親3名、地域活動主宰者1名、附属養護学校教員1名、学生2名、大学教員1名でした。
1 「学習の流れ」について
前々回話し合われた学習プログラムを土台にして、次のような意見が出されました。
@「色の持つイメージについてのワークと講義」について
・ワークとしては、数色の色と言葉(図)とのマッチングを一人ひとりがやってみる。それらを貼りだして、山本先生が解説を加えていく。
Aワーク「神戸って何色?」について
・「神戸」という題材は難しくないか。「神戸の○○」というくらいに絞った方がよいのではないか。
・神戸の写真を提示してイメージをふくらませることができればよいのではないか。
・お父さんやお母さんなど、人物に色を重ねるほうがおもしろいのではないか。
・決まった色を使うのではなく、クレパスなどを用いて混色を行い色を作っていくほうが、多様な色の経験をすることができるのではないか。
・クレパスだけではなく、絵の具やポスターカラーなど、材料を選択できるとよいのではないか。
Bワーク「自分のイメージを色で表現する」について
・人型を準備して、そこに色をぬるほうがよいのではないか。
・これも、混色をして、色を作っていくほうがよいのではないか。
・たくさんの色をつくってみて、そこから自分にいちばんぴったりくるものを選ぶのがよいのではないか。
Cレクリエーション
・「自分の色」のイスとりゲーム(名刺シールを補助的に使う)
D形の持つイメージについての講義について(特になし)
Eワーク「自分をイメージさせる絵(マーク)の創作」について
・色の付いた紙などを切り抜き、それをBでつくった色にのせることでマークを完成させるのがよいのではないか。枠が額縁の役割も果たすし、色と形のマッチングを試して選ぶこともできる。
・意識的につくった形ではなく、偶然できた形も扱ってよいのではないか。
・偶然できた形であっても、自分の形としてピッタリすると感じることが大切なのではないか。
F「それぞれの絵(マーク)の鑑賞」について(特になし)
G「イメージのもつステレオタイプについての講義」について
・社会で使われている色、マークを当てるゲーム(例えば横断歩道)などを行ってもよい。(Dへの意見と考えることもできる。)
2 次回のスケジュール
次回の実行委員会は、6月22日(日)に行うことになりました。山本先生、知的障害のある本人の方たちもお招きして、議論します。場所は「わっはの家」(東灘区御影塚町2丁目)。パステルで色を使った遊びをしてみて、それによってどのような学びがえられるのかを考える機会にします。また、実行委員会で話し合われたことと、山本先生の考えとのすりあわせをします。
3 その他
・今後のスケジュールとして、広報のあり方について若干意見交換を行いました。
・送迎の問題については、広報で、「送迎にお困りの方はご相談ください」と記すことにしました。
・アンケート調査の項目の解説について意見交換がなされました。
第3回実行委員会 2003年6月22日(日) 14:00〜17:00 東灘区「わっはの家」
今回は、これまで話し合われてきたプログラム案の一部を実験的に実践することを通して、今後考えるべき課題を明確にすることがめざされました。少しイベント的な試みとなり、場所も「わっはの家」という、地域活動の拠点をお借りし、参加者としてとても大勢の方に集まっていただきました。
参加者の内訳は、本人8名、親6名、地域活動主宰者2名、附属養護学校教員1名、学生2名、大学教員2名、「わっはの家」見学者6名、合計27名でした。
1 今日のプログラム実践の流れ
・簡単なあいさつと全員の自己紹介。
・八つ切り画用紙を各自もってもらう。その上で机の上にあったクレパスを一本だけもってもらう。どうしてそのクレパスを選んだかを尋ねる。
・「好きな色のクレパスを画用紙の上に置いて、そこから色を広げてみてください」と指示。(多くの参加者が線で模様を描く)
・「今度は中を塗りつぶしてください。色は違う色でも同じ色でもいいです。」と指示。
・すべて塗り終わったところで、混色の技法を伝える。(塗りつぶしたものの外に混色を試す人、塗りつぶしたものの中で混色を試す人、それぞれいる。)
・ほとんどできあがったところで、紙を取り替え、絵の具でのいくつかの技法(スタンピング、ブラッティング、マーブリング、スパッタリングなど)を伝える。(それぞれ2枚程度の作品を夢中になってつくる。)
・休憩
・最初につくったクレパスの作品を回収し、黒と白の紙片に○□△の穴をあけたものをあてがい、そこから見える作品の一部分のうち、もっとも気に入った部分を探してもらう。
・もっとも気に入った部分をみつけたら、紙片を画用紙に糊付けしてもらう。
・作品のうちひとつだけをピックアップし、全員で鑑賞する。紙片からのぞいている微妙な色に名前をつけてみる。いろいろな名前が出るが、描いた本人はどれも気に入らないようであった。
・終わりのあいさつをして、終了。
2 ふりかえりと今後の課題として考えるべきこと
@講師の意見
・共感覚についての取り組みになっていなかった。
・感触に意識を集中する場面が多く、色に集中して選択していくという意識が希薄だった。
(質問)共感覚を学んで何を得られるか? →例えばものづくりに生かすことができる。
(質問)講師として関わって感じたこと、発見したことはないか? →触覚を生かした取り組みができるかもしれないことなど。
A今日の司会者のひとりの意見
・今日のための打ち合わせの時間がほとんどなかったので、プログラムとしてバラバラになってしまった。
・色そのものに集中するということはどういうことなのか、よくわからないところがある。
(質問)最初のワークで、線や形が描かれてしまったが、どう考えたらよいか? →線や形へのこだわりもあるだろうから、線や形と色とが徐々に融合していくというイメージで働きかけた。
(質問)色だけを取り出してワークをするのは、もともと難しいことではないか。
Bもうひとりの司会者の意見
・自由な表現をめざすということと、条件を制約して実験材料として実践を展開していくこととの関係をどう考えるのか、疑問に思った。
Cその他の意見
・今日は楽しかった、というのが一番の収穫ではないか。
D本人の意見
・もう少し大きな場所で、大きな紙にみんなで書いてみたかった。
・紙はもっと大きくなくては。
3 その他
プレ公開講座の日程を、12月6日(土)か、あるいは1月10日(土)のどちらかにすることに決定しました。
第4回実行委員会 2003年7月16日(木) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室
5名の参加者を得て、プログラム内容等についての議論をしました。参加者の内訳は、地域活動主宰者1名、学生3名、大学教員2名でした。
山本先生にも来ていただき、プログラムの目的や方法についての熱い議論をすることができました。
1 前回実行委員会の反省
・共感覚に関する目的を達成するプログラムになっていなかった。もっと方法を洗練させる必要がある。枠から色をのぞくという試みはもっと洗練させたら使えるのではないか。
・共感覚を学ぶ意図が不明瞭であった、あるいは共有されていなかった。
2 共感覚を学ぶ意図
・共感覚とは、ある特定の刺激に対して他の複合的な感覚が活性化されるという現象を示す用語である。
・共感覚があるということにどのような意味の深みや広がりを見いだせるのか。
3 プログラムのあり方について
・表面的なおもしろさを重視しないほうがよいのではないか。知る喜びを追究するプログラムにしたい。
・実際に色を塗ることを通してはじめて色を明確に認識することができるだろう。具体的な作業を介してから描かれたものを捉えなおしていくという手順が望ましいのではないか。
・○○をイメージする色を塗るという設定は、あまり生産的ではないのではないか。いろいろな技法を使って楽しみながら色を塗っていき(大きな紙に全員が塗っていくという方法もある)、できたものを枠をつかって、「○○と言って感じる色は?」等の質問によって、ことばと色との共感覚を発見していく、という方法を検討できないか。
・できあがった作品を見せながら、その作品から感じ取ることができる音を聞かせる。2つの作品と2種類の音が、どのように対応しているか、というクイズなどもよいのではないか。
・描いたものから語りを紡ぎ出すことができるとよい。(それは難しすぎる課題だという意見もあった。)
・「自分を表すマークをつくる」というところまで実践するかどうか。わかりやすいプログラムの目標ではあるが、過大な目標ではないか。
4 次回までの課題
・新しい学習プログラム案の作成。
・プログラムの目標を明確にすること。特に共感覚のもつ広がりや深みについての検討。
5 広報について
次のような内容で広報を開始することにしました。
事業名 大学で自分の世界を広げよう
〜知的障害をめぐる社会的課題解決に向けた本人と大学の知との協働〜
日時 2003年12月6日(土)10時〜16時
なお、簡単なプログラムを11月15日(土)14時〜16時にも行います。
場所 神戸大学発達科学部(詳細は後日お知らせします。)
内容 色や形を使った表現
講師 山本道子先生(神戸大学発達科学部人間行動・表現科学科)
連絡先 電話・FAX 078-803-7828(神戸大学発達科学部・津田研究室)
Eメール zda@kobe-u.ac.jp
郵便 〒657-8501 神戸市灘区鶴甲3−11
神戸大学発達科学部津田研究室
申し込み方法 電話、FAX、Eメール、郵便のいずれかの方法で。
お名前、年齢、住所、電話番号、その他必要なことがらを添えてお申し込みください。
受講の可否は、後日こちらからご連絡します。
申し込み締め切り 2003年10月10日(金) 郵送の場合、必着
条件 知的障害のある成人(送迎が必要な方はご相談ください。)
定員 20名程度
第5回実行委員会 2003年8月29日(金) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室
メンバーそれぞれ多忙のため、今回は3人で話し合いを行いました。
学習プログラムを詰めていく作業段取りの確認、広報文案の決定など、いくつかの重要なことが決定されました。
1 学習プログラムについて
次のような学習プログラムに基づいて、各セクションの詰めを分担して行うことにしました。
1 アイスブレーク・自己紹介
時間:10:10-10:40
目標: うち解けた雰囲気、積極的な自己表現を可能にする雰囲気をつくる。
担当:
内容・流れ・方法:
2 ワーク1「大きな紙に全員で、いろいろな画材や手法で色を塗る」
時間:10:40-12:00
目標: 色による自己表現のさまざまな手法を知るとともに、それらの手法を使って色を塗ることに夢中になる
担当:
内容・流れ・方法:
3 ワーク1を使った「○○の色探し」
時間:13:00-13:30
目標: 自分たちの塗った色を見つめ直し、テーマに協応する色を探すことで、共感覚の初歩的な体験をする。
担当:
内容・流れ・方法:
4 講義「共感覚とは何か」
時間:13:30-14:20
目標: 共感覚についての専門的知識を、映像や実験などを駆使して体験的に分かりやすく学習する。
担当:
内容・流れ・方法:
5 ワーク2「ある場面に着ていきたいTシャツの色をつくる」
時間:14:40-15:20
目標: 色で自分を表現するために、色に集中する。
担当:
内容・流れ・方法:
6 グループごとの作品発表
時間:15:30-16:20
目標: 共感覚による自己表現をグループで共有する。
担当:
内容・流れ・方法:
2 広報について
次のような文面で広報することになりました。
来る12月に、神戸大学発達科学部で、知的障害のある人たちと一緒に、色や形を使った表現について考える学習プログラムを行います。
たくさんの方に関心を持っていただき、関わっていただけたらと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
大学で自分の世界を広げよう
〜知的障害をめぐる社会的課題解決に向けた本人と大学の知との協働〜
日時 2003年12月6日(土)10時〜17時
なお、簡単な事前プログラムを11月15日(土)14時〜16時にも行います。
場所 神戸大学発達科学部(詳細は後日お知らせします。)
内容 色で自分を表現する
講師 山本道子先生(神戸大学発達科学部人間行動・表現科学科)
連絡先 電話・FAX 078-803-7828(神戸大学発達科学部・津田研究室)
Eメール zda@kobe-u.ac.jp
郵便 〒657-8501 神戸市灘区鶴甲3−11
神戸大学発達科学部津田研究室
申し込み方法 電話、FAX、Eメール、郵便のいずれかの方法で。
お名前、年齢、住所、電話番号、その他必要なことがらを添えてお申し込みください。
受講の可否は、後日こちらからご連絡します。
申し込み締め切り 2003年10月10日(金)
条件 知的障害のある成人(送迎が必要な方はご相談ください。)
受講料 無料
定員 20名程度
なお、本人向けの広報は次のような文面です。ルビが入ります。
みなさん
こんどの 12月に、 神戸大学で、 色や形について 勉強する、 楽しい会を します。
興味のある人は、 ぜひ 申し込んでみてください。
「大学で 自分の世界を 広げよう」
日にち 2003年 12月 6日 (土曜日)
時間 10時 〜 17時
なお、 参加する人たちは、 お互いに 知りあいになるために、 11月15日(土曜日)14時 〜 16時にも 集まってください。
場所 神戸大学 発達科学部 (詳しいことは、 またお知らせします。)
内容 色で 自分を 表現する
講師 山本 道子 先生 (神戸大学 発達科学部 人間行動・表現科学科)
連絡先 電話・FAX 078-803-7828 (神戸大学 発達科学部・津田研究室)
Eメール zda@kobe-u.ac.jp
郵便 〒657-8501 神戸市 灘区 鶴甲 3−11
神戸大学 発達科学部 津田研究室
申し込み方法 電話、 FAX、 Eメール、 郵便の どれで 申し込んでもいいです。
申し込むときには、あなたの お名前、 年齢、 住所、 電話番号を 教えてください。
申し込む人が 多すぎるときには、参加できないことが あります。そのときは、あとで 連絡します。
申し込み締め切り 2003年 10月 10日 (金曜日)
参加の条件 知的障害のある 成人
(送り迎えが 必要な人は 相談してください。)
受講料 無料
定員 20人くらい
広報は、大学のホームページや新聞等の他に、直接作業所への送付、実行委員メンバーの知りあいへの配布によって行うことにしました。
第6回実行委員会 2003年9月18日(木) 14:00〜16:00 発達科学部A339教室
6名の参加者を得て、プログラム内容等についての議論をしました。参加者の内訳は、地域活動主宰者2名、附属養護学校教員1名、学生1名、大学教員2名でした。プログラム内容を詰める作業が始まり、熱い議論が展開されました。
1 講義「共感覚とは何か」について
講師の山本先生から、全体的な講義内容と流れについての提示がありました。
「共感覚」の概念とプログラム内容がそぐわなく感じてきたため、「共感覚とは何か」から「人間の感覚と色」にタイトル変更しました。
次のような講義の目的が提示されました。「人間の感覚の中でも色覚を中心にしたさまざまな感覚様相について、映像や実験などを駆使して体験的に分かりやすく学習する。」
講義の流れとしては次のような方向が打ち出されました。はじめに感覚器官のうちの目と皮膚に意識をもってもらう(方法について要検討)。皮膚による感覚情報と目による感覚情報とに関連があることを示す事例を提示する(素材集めの必要)。ひとつの感覚を複数の感覚器官で感じ取っていることを説明する。モダール間現象という用語の提示。耳による感覚情報と目による感覚情報との関連などの例も示す(素材集めの必要)。モダール間現象についての補足的な説明。色の持つ感情効果についての提示。
2 ワーク1「大きな紙に全員で、いろいろな画材や手法で色を塗る」およびワーク2「ある場面に着ていきたいTシャツの色をつくる」について
ワーク2については、本物のTシャツに色を塗る方向で考えることになりました。
ワーク1とワーク2との整合性について議論しました。特に、色をつくることと色を選択することとの違い、またワーク1で表出される色の非日常性が、プログラムの目的全体に影響を及ぼすのではないかという点を検討し、よりよい方法について考えてくることにしました。
3 今後の日程、その他について
現在の応募者、マスコミの対応、補助金の獲得について報告がなされました。
今後の日程として、以下のスケジュールが確認されました。(実行委員会は全日1時〜3時)
10月10日(金) 募集締め切り
10月17日(金) 第6回実行委員会: 応募者の確認、プログラムづくり
10月31日(金) 第7回実行委員会: プログラムづくり
11月14日(金) 第8回実行委員会: プレ企画うちあわせ
11月15日(土) プレ企画
10時〜12時: 学生ボランティアのオリエンテーション(松岡先生担当)
2時〜4時: オリエンテーション(説明と学生ボラによる企画)
11月21日(金) 第9回実行委員会
12月5日(金) 第10回実行委員会(最終確認)
12月6日(土) 企画本番「大学で自分の世界を広げよう」
第7回実行委員会 2003年10月17日(金) 13:00〜15:00 発達科学部A339教室
8名の参加者を得て、受講応募者の確認、プログラム内容等についての議論をしました。参加者の内訳は、地域活動主宰者1名、学生1名、親3名、ボランティア1名、大学教員2名でした。はじめて来ていただいた方が2名おられ、新鮮な雰囲気で会議をしました。
1 受講応募者の確認
33名の応募者がおられ、全員受け入れることにしました。
2 プログラムについて
経過報告と、ワーク・プログラムの変更部分について確認しました。また、つきそいで来られた親、施設職員、ガイドヘルパーを対象としたプログラムを同時並行して実施することにしました。
ワーク・プログラムは、次のような流れになりました。
11/15
・受講者それぞれが、フィルム付きレンズで思い思いの写真を撮影する。
12/6
・撮影した写真のうち10枚を選び、他の人とも交換することで、各受講者がベストのコレクションをそろえる。
・10枚の写真それぞれの中心色に近い色をさまざまな画材で紙に塗る。
・講義をはさんで、巨大な画面に思い思いの用具で色を塗る。
・できあがった画面の中で、各受講者の「お気に入りの箇所」をデジカメで撮影する。
・プリントアウトして衣服に転写する。(後日配布)
3 その他
会場となる教室、購入物品と予算などについて報告がなされました。
学生支援者の学習面を担当してもらう松岡先生にも、顔を出していただきました。
第8回実行委員会 2003年10月31日(金) 13:00〜15:00 発達科学部A339教室
5名の参加者を得て、プログラム内容の検討を中心に議論をしました。参加者の内訳は、学生1名、親2名、大学教員2名でした。
1 受講者について
出欠、送迎等についての新しい情報に基づいて、若干の情報交換をしました。また、11月15日のプレ企画の集合時間、集合場所、持ち物等のお知らせ郵送についての意見交換を行いました。
2 会場について
会場が確定しました。音楽棟と体育館を使います。現状では最善の部屋を使えることになりました。
3 12月6日のプログラムについて
1) 時間配分の確認
10:00-10:10 開会(C101)
10:10-10:40アイスブレーク・自己紹介(C101)
10:40-11:00 休憩
11:00-12:00 ワーク1(C101)
12:00-13:00 昼休み
13:00-14:00 講義(C101)
14:00-14:20 移動
14:20-15:50 ワーク2(体育館)
15:50-16:20 移動
16:20-17:00 まとめ・閉会(C101)
2) 講義の部分についての意見交換
山本先生から、具体的な進行や工夫についての提示がありました。五感を使うことを意識するための小物を用いたり、コンピュータ・グラフィックを駆使した教材の開発が進んでいます。洋服のもつイメージをもとにした展開がメインになりそうです。
4 11月15日のプレ企画について
1) プログラム計画
学習支援者向けプログラム
10:00-10:10 プログラムの趣旨説明
10:10-11:40 学習支援ワークショップ
11:40-12:00 プログラムの流れや個々人の役割に関する情報提供
12:00-14:00 昼休憩&送迎&受付
受講者のためのプログラム
14:00-14:05 あいさつ
14:05-14:50 アイス・ブレーク&出会いのワークショップ
14:50-15:00 写真撮影ワークの説明「気に入ったところを写真に撮ってください」
15:00-15:40 写真撮影ワーク
15:40-15:50 ふりかえり
15:50-15:55 12月6日に向けての情報提供
15:55-16:00 あいさつ
2) パンフレット作成
12月6日の持ち物等のお知らせについて意見交換をしました。
第9回実行委員会 2003年11月14日(金) 13:00〜15:00 発達科学部A339教室
翌15日のプレ企画の準備を行いました。
プレ企画 2003年11月15日(土) 10:00〜16:00 発達科学部C101教室
受講者が 29人、付き添いの方が16人、学習支援者が17人、実行委員が8人、全員で70人の、にぎやかな会でした。

第10回実行委員会 2003年11月21日(金) 13:00〜15:00 発達科学部A339教室
4名が集まり、12月6日のプログラムを詰めました。
第11回実行委員会 2003年12月5日(金) 13:00〜15:00 発達科学部A339教室
7名が集まり、12月6日のプログラムの最終確認や実務作業を行いました。
プレ公開講座 2003年12月6日(土)10:00〜17:00
受講者30名、付き添い16名前後、学習支援者18名、実行委員10名で、総勢74名の会でした。

付き添い者プログラム
テーマ 「地域に活躍の場をつくる」
時間 10時〜12時
場所 F160
内容
報告1 高橋 隼さん(たんぽぽの家)「アートによるネットワークづくり」
報告2 沼館園子さん(わっはの家)「夢がふくらむ拠点づくり」
報告3 青木千鶴子さん(サンリッチ)「地域にとけ込む喫茶店づくり」
報告4 李 義昭さん(ヤンヤンのおうち)「地域でともに生きる拠点づくり」
司会 八木八重子さん(神戸大学付属養護学校)
田中優子さん(神戸大学発達科学部学生)
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ワーク2作品全景


ワーク2「いかり」の一部 ワーク2作業風景


ワーク2「よろこび」の一部 ワーク2「いかり」の一部
ワーク1作品の一部
作成: 山本 道子 ・ 津田 英二
1 色が もつ さまざまな 性質
近くに見える 色、 遠くに見える 色
同じ場所に あるものが、 色によって、 近くに 見えたり、 遠くに 見えたりします。
近くに見える 色を 進出色、 遠くに見える 色を 後退色と いいます。
大山さんという 研究者の 実験では、 赤、 オレンジ色、 黄色のものは 近くに見えて、 青いものは 遠くに見えることが 分かりました。緑色、 紫色、 灰色のものは、 遠くにも 近くにも 見えません。
色は、 光によって 見えます。 光の粒が うねりながら 飛ぶことで、光になります。その うねりの 大きさによって、 色が 変わります。 大きな うねりの 色は、 赤、 オレンジ色、 黄色などです。 小さなうねりの色は、 青や 紫などです。
そこで、 大きな うねりの 色が 近くに見えて、 小さな うねりの色が 遠くに見える、 ということが 言えるようです。
暖かく見える 色、 冷たく見える 色
同じ温度でも、 色によって、 暖かく 感じたり、 冷たく 感じたりします。
暖かく見える 色を 暖色、 冷たく見える 色を 寒色と いいます。
大山さんたちは、 日本人と アメリカ人とを 比べながら、 暖かく感じる 色と 冷たく感じる 色が、 国や 文化によって 違うのかどうかを 確かめて みました。
すると、 どちらの国の人も、 赤、オレンジ色、黄色が 暖かい色、 青が 冷たい色と 感じることが 分かりました。
また、 黒は 暖かく感じることも、 冷たく感じることも あるようです。 白や 灰色は 冷たいと 感じることが 多いようです。
これで、 暖かく見える 色は 近くに見えるし、 冷たく見える 色は 遠くに見える という 関係があることも わかりました。
大きく見える 色、 小さく見える 色
同じ場所に あるものでも、 色によって、大きく感じたり、 小さく感じたりします。
大きく見える 色を 膨張色、 小さく見える 色を 収縮色と いいます。
赤、オレンジ色、黄色 などは、 大きく 見えます。 青などは、 小さく 見えます。 近くに見える 色は 大きく見えるし、 遠くに見える 色は 小さく見えます。
また、 明るい色の ほうが、 暗い色よりも、 大きく 見えることが 多いことも わかっています。
碁石には、 白いものと 黒いものとが あります。 ゲームを やるときには、 白い碁石も 黒い碁石も 同じ大きさに 見えなければ なりません。さて、 実際に はかってみると、 白い碁石と 黒い碁石は、 どちらの ほうが 大きいでしょう。
(注意: 安物の 碁石だと、 同じ大きさに つくられていることも あります。)
見えやすい 色、 見えにくい 色
色には、 どうしても 目に とまってしまう 色と、 あまり 目立たない 色とが あります。
神作さんという研究者が、 どんな色が 目立つか ということを 調べる実験を しました。 すると、 赤や 黄色は よく目立ち、 紫や 青は目立ちませんでした。
暗い夜道で 自動車に はねられない ためには、 よく目立つ 色の 服を 着ましょう。 夜道で よく目立つ 色の 順番は、 黄色、黄緑色、オレンジ色、赤です。 逆に 目立たない 色は、 緑、青、紫で、 いちばん 目立たない 色が 紫です。
感情を 表す 色
お葬式のような 悲しい場面には 黒い服を 着ていったり、 お祝い事のような 嬉しい場面には 赤や 白い服を 着ていったり します。 このように、 色は、 喜びや 悲しみ、 怒りや 幸せ といった 感情とも 関係が あります。
柳瀬さんという 研究者が、 色と 感情に どのような 関係が あるかということを 調べる 実験を しました。 その結果、 次のようなことがわかりました。
柔らかい色 黄色、白 堅い色 黒、青
愉快な色 黄色、白 重々しい色 黒、紫
強さを表す色 黄色、黒 弱さを表す色 白、紫
好きを表す色 白、黒 嫌いを表す色 紫、青
静かな色 白、黒 活発な色 黄色、赤
陽気な色 黄色、赤 陰気な色 黒、紫
男性的な色 黒、青 女性的な色 赤、紫
* 赤、黄色、緑、青、紫、白、黒の中から選んだ色です。
また、 冨田さんという 研究者は、 色と 感情の 関係を 次のように まとめました。
色 感情
赤 激しさ、 怒り、 喜び、 興奮
オレンジ 喜び、 はしゃぎ、 活発、 元気
黄色 愉快、 ほがらか、 活動的、 元気
緑 安らぎ、 若々しさ
紫色 神秘、 不安、 やさしさ
青緑 安らぎ、 涼しさ、 憂鬱
青 落ち着き、 さびしさ、 かなしみ、 奥深さ
青紫 神秘、 孤独、 気高さ
白 純粋
灰色 落ち着き、 憂鬱
黒 憂鬱、 不安、 いかめしさ
朱色 熱烈、 激しさ、 情熱
ピンク 愛らしさ、 やさしさ
茶色 落ち着き
2 色と イメージ
イメージの なぞ
実際には 目の前に ないものが、 あたかも あるかのように、 心の中に 生み出されることを イメージと いいます。
例えば、 赤は 興奮を イメージする 色です。 赤い色を 見ると、 心の中に、 お祭りの 興奮や、 たたかいの 興奮が 呼び覚まされます。 けれども、 お祭りや たたかいが、 目の前で 繰り広げられているわけでは ありません。
なぜ、 赤い色を 見ると、 お祭りや たたかいの 興奮が 思い出されるのでしょうか?
色を 感じるのは どこか
色は、 目から 入ってきます。 けれども、 目が 色を 感じているわけでは ありません。 実際に 色を 感じているのは、 脳みそです。
目から 脳みそに、 「今、 こんなものを 見ています」 という 信号が 送られて きます。
すると、 その信号が 何であるかを 考えるため、 いったん 脳みその 中に 目で見たものを 映し出してみます。 脳みその 中に 映画館が あると 考えてください。
脳みそは、 その映画を 見ながら、 目で見たものが 何であるかを 考えます。
それで ようやく、 「あ、これは 赤い色だ」 というように、 脳みそが 判断します。
心の中に、 イメージは どうやって つくられるか
イメージも また、 脳みその 中に 映画を 映し出すようなものです。以前に 体験したことや 知っていること などを もとにして、 脳みそが映画を つくるのです。
お祭りや たたかいを イメージしているとき、 私たちは、 自分の 脳みその 映画館で、 お祭りや たたかいの 映画を 上映しているのです。
色が イメージを もつのは どうしてか
実は どうやら、 目で見たものを 脳みその 中で 映し出す 映画館と、イメージを つくりだすために 脳みそが 使う 映画館とは、 同じ 映画館なのです。
そこで、 目で見たものを 脳みその 中の 映画館で 映し出すと、 それによって、 以前に 体験したことや 知っていること などが 呼び覚まされます。
例えば、 ある人が、 子どもの頃に お祭りに 行って 興奮したのを 思い出します。 その お祭りは、 境内を 照らす 真っ赤な 炎、赤い提灯、 「祭」という 赤い文字、 といったように、 赤い色が 印象的でした。
その人が、 赤い色を 見たとします。 その 赤い色が 脳みその 映画館に 映し出されます。
すると、 脳みその 映画館に 映し出された 赤い色と、 お祭りの 赤い色とが 重なりあいます。 イメージを つくるときの 映画館に 赤い色が 映し出されたのですから。
それで、 赤い色を 見ると、 お祭りの 赤を 連想して、 お祭りの 時の 興奮が 思い出される というわけです。
イメージを もつのは、 色だけではない
イメージと 結びつくのは、 色だけでは ありません。 形や 音も 同じです。 味や 臭いや さわり心地も イメージを もっています。
例えば、 やさしい 笛の 音色で、 赤ちゃんの 寝息を イメージしたりします。 トランペットの 音が、 ライオンの 堂々とした 姿を イメージさせたりも します。 また、 やわらかい 毛布は、 お母さんの ぬくもりを イメージさせます。
3 五感の はたらき と 色
五感とは 何か
五感というのは、 視覚、 聴覚、 味覚、 臭覚、 触覚 のことです。
視覚とは、 目で見える 感覚のことです。 目を 感覚器官と いいます。
聴覚は、 耳で聞こえる 感覚のことです。 感覚器官は 耳です。
味覚は、 舌で味わう 感覚のことです。 感覚器官は 舌です。
臭覚は、 鼻で臭いをかぐ 感覚のことです。 感覚器官は 鼻です。
触覚は、 皮膚で感じる 感覚のことです。 感覚器官は 皮膚です。
モダール間現象
柔らかいか どうかは、 皮膚で 感じます。
けれども、 「柔らかい音」は、 耳で 聞こえます。 「柔らかい色」 は、 目で 見えます。
このように、 視覚と 聴覚、 触覚など、 違う 感覚器官で 感じたのに、 同じ イメージを もつということが あります。
例えば、 「澄んだ色」と 「澄んだ音色」とか、 「ぼんやりした色」と「ぼんやりした音」などです。 どれも、 目で見えた ものと、 耳で聞こえた ものが、 同じ イメージをもっています。
同じ イメージを もつ 感覚どうしは、 お互いの 感覚を 強めることが あるようです。
例えば、 「柔らかい音」が 聞こえる中で、 「柔らかい色」に 囲まれていると、 「柔らかい」毛布は、 もっと 柔らかく 感じることが あります。
こういうような ことを モダール間現象と いいます。
共感覚
「黄色い声」という 言い方が あります。 女性の キャー という 声です。
黄色は、 目で見える 色です。 声は、 耳で聞こえる 音です。 「黄色い声」は、 黄色い色が ついている わけでは ありません。 それなのに、「黄色い声」 などという 言い方が あるのは、 なぜでしょうか。
それは、 女性の キャー という 声が、 耳で聞こえる 聴覚だけでなく、 目で見える 視覚も 刺激している からなのです。
このように、 ひとつの 感覚器官で 感じたことが、 他の 感覚も 呼び覚ますことを 共感覚と いいます。
特に 参考にした 本
ビジュアルコミュニケーション/ダヴィッド社/2000年
視知覚/培風館/2000年
イメージと認知/岩波書店/2001年
音楽と映像のマルチモーダル・コミュニケーション/九州大学出版会/2000年
知性と感性の心理/福村出版/2002年
色を心で視る/福村出版/1990年
美と造形の心理学/北大路書房/1993年
第12回実行委員会 2003年12月12日(金) 13:00〜15:00 発達科学部A339教室
6名の参加者を得て、プレ公開講座全体のふりかえりを行いました。次のような意見が出され、白熱した議論にも展開しました。
【プレ公開講座授業について】
・受講者がよく聞いていた。思ったよりもよくわかってくれたようだった。ただ、受講者の声があまりでなかった。場の雰囲気づくりが必要だと感じた。
・山本先生が、わかりやすい講義になるように、一生懸命取り組んでくださった。そのことが受講生にも伝わったようだった。
・もっと突っ込んで理解を深めることができるところもあった。
・授業のときの支援のしかたを示唆していなかったため、学生がどのようにふるまってよいか分からないようだった。予め講義の内容や目的を学習支援者が理解して、個々人が自分なりの発想で工夫して支援できるようにできたらよい。
【ワーク1について】
・高いレベルを求めるワークだったが、受講生がよくこなしていた。
・作業手順が学習支援者に対しても伝わりにくかった。
・なぜこのワークをするのか、という説明が足りなかった。目標がはっきりしていたら、学習支援者が個々にもっと工夫できたはずだが。
【ワーク2について】
・「よろこび」「いかり」を選んでもらうところまでで完結してもよかった。
・「よろこび」「いかり」をもっともよく表現している部分を写真に撮影するなら、受講者が直接撮影しなければ意味がなかった。
・「よろこび」「いかり」をもっともよく表現している部分を切り取って対象化することの重要性をもっとクローズアップさせてもよかった。
・「よろこび」と「いかり」というテーマが難しすぎた。あの場面にふさわしいのは、「元気」と「疲れた」というテーマだったかもしれない。
【終わりの会について】
・受講者もとても疲れたはずだが、きちんと座って聞いていた。学ぶ姿勢ができていた証拠ではないか。
・ワーク2の評価については、体育館でやったほうがよかった。
・終わりの会でやるべきことは、一日を通したふりかえりだったはずだが、十分にやらないで終わってしまった。
【プレ公開講座全般について】
・受講者は満足しているようであった。
・山本先生のがんばり、学生のがんばりがとても大きかった。
・この企画が単発のイベントに終わってもよいのか。継続して新しい学習実践モデルをつくるところまでめざしたい。
・方法・技術的な側面ばかりに気をとられていないか。ともかく走り出してみて、あとから振り返ればよいというスタンスが重要ではないか。
これで、今年度のプログラムは終了です。受講者には、年内に、今回のプログラムの風景や作品の写真を題材にしたカレンダーと、今回のプログラムに対するアンケートをお送りすることになっています。
ファックス・メール等で、励ましや感謝のお便りも寄せられました。来年度もさらにバージョンアップして、継続していこうと思います。ありがとうございました。