■報告者(共同報告の場合は代表者)
□氏名(ふりがな):野田 晃生(のだあきお)
■報告題目(40字以内):小説・漫画に描かれたインターセックス
■発表要旨(2,000字以内)[註、文献、図表等を含む]:

インターセックスは、半陰陽等とも言われる。その言葉自体は、昔から存在していたが、それが正確にはどのようなものであるか、についての社会における認識は決して高いものではなかった。
インターセックスの特徴は、男女の身体的・遺伝子的な特徴を両方もっている場合や、身体上の特徴や性染色体とは逆の性別をもっている、ということができる。たとえば、卵巣と精巣を同時に持っている、身体的な特徴から見て取れる性と実際の性別が逆、等である。インターセックスであることによって、ホルモン異常等の身体上のトラブルが起こることもある。
インターセックスは、身体の性別と自己の性自認が逆である、性同一性障害とは違うものである。
本報告では、インターセックスがメディア(小説、漫画)においてどのように描かれているかを検討することによって、インターセックスが読者に対してどのように伝えられているのか、影響を与えるのかについて考察することを目的とする。
本報告で取り上げる作品は、小説・帚木蓬生『インターセックス』、漫画・新井祥『性別が、ない!〜両性具有の物語〜』、漫画・六花チヨ『IS〜男でも女でもない性』の3作品である。これら3作品によって、インターセックスがどのように描写され、作者が何を訴えているのかについて見る。
医師でもある、小説家・帚木蓬生によって書かれた『インターセックス』は、性治療をテーマにした医療サスペンスである。作品の中では、インターセックスや性同一性障害等の性に関する治療のあり方、考え方についての描写がなされている。また、物語の核心部分において、インターセックスが重要な役割を果たす。
漫画家・新井祥は、自らインターセックスであることを公言している人物である。新井は、30歳まで女性として暮らしてきたが、染色体検査で自らがインターセックスであることを知った、インターセックス当事者である(現在は、男性として暮らしている)。
『性別が、ない! 〜両性具有の物語〜』は、インターセックスとしての自らを描いた漫画である。この中では、新井の自らの体験、性についての認識がコミックエッセイ形式で描かれている。
漫画家・六花チヨ『IS〜男でも女でもない性』は、インターセックスの登場人物を主人公とする作品である。この作品では、インターセックスとしての悩み、苦しみ、恋愛、生活等が描かれている。この作品は、インターセックスの主人公や周囲の人々を描く物語である。
これら3作品は、インターセックスについての正確な知識に基づいて描かれた作品である。また、それと同時がインターセックスについて考えるきっかけとなるものである。それと同時に、これら3作品は、これまであまり知られていなかったインターセックスという概念が社会に認知されるきっかけとなったと言うことができる。

参考文献
新井祥(2005) 性別が、ない!〜両性具有の物語〜 ぶんか社
帚木蓬生(2008) インターセックス 集英社
六花チヨ(2003) IS〜男でも女でもない性 講談社