2010年度ゼミ生の募集について

2009年度の「ロシア・東欧経済論」の講義は、受付開始日の11月27日に開始で、皆さんは私の顔を見たこともありません。どのゼミにしようかと迷っている皆さんには吉井って誰?だと思います。このページを読んで、もしかしてゼミの選択の参考になれば幸いです。
『神戸大学案内2005-2006』より

1.吉井はどんな研究をしているのか
 私の研究対象は、旧社会主義国であるロシアと中・東欧諸国での市場経済への移行問題です。1990年代前半頃までは、ソ連・ロシア経済が研究の中心でしたが、現在の研究の軸は中・東欧経済、とりわけルーマニア経済に移っています。ただし、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)を研究する科研の研究代表者になったので、ロシア経済の研究へも回帰中です。来年、『BRICs経済図説』と『ロシア経済』』という本を出す予定です。買って下さい(笑)。
 また、市場経済移行の後、中・東欧でどのような経済システムが出来上がるのかを考えるため、日本やEUの経済システムとはどのようなものかにも関心を持っています。ということで、今はEUIJ関西のメンバーです。
 どのような本や論文を書いているかは、私のホームページにある履歴、著作などのページを見て下さい


2.どのような学生にきて欲しいか

 ロシアや中・東欧経済を研究しているわけですから、もちろんこういう国々の市場経済移行に関心を持っている学生を歓迎と言いたいところです。
 ロシアは、かつてのソ連時代にはアメリカと並ぶ二台大国の一つでしたし、現在はBRICsとして、これからの成長が期待される国です。また、中・東欧諸国もEU加盟を達成し、日本企業の進出も進み、私たち日本との関係も深まってきています。こういう国々を勉強する学生がたくさんいて欲しいな、と思います。
 とは言っても、中国やアジア諸国と違って、ロシアや中・東欧諸国の市場経済移行に関心をもつ学生が1学年に何名もいるとは思えません。いたらおかしい!

 ということで、ゼミでは旧社会主義国の経済問題や移行問題を必ず取り上げるという訳ではありません。日本、米国、旧社会主義国を含む欧州、アジア太平洋地域諸国の幅広い経済問題を基礎的な経済学の知識を利用しながらゼミ生と一緒になって考えてきました。テキストの輪読では、単にテキストの説明に終らないよう、幾つかの課題を事前に与えて、それに答える形で発表をしてもらっています。
 ただし、三ゼミなどの対抗ゼミは、ロシアや中・東欧諸国についての議論が中心になることが多いので、対抗ゼミの前にはロシアや中・東欧諸国の勉強をすることになります。今年は、田畑ゼミ(大阪市大)、溝端ゼミ(京都大)との"3"ゼミを12月に行うので、3年生はロシアの労働問題について勉強中です。

3.ゼミ生の募集数を絞っている理由

 
ゼミは私の研究室で行います。募集数を絞っているのは、部屋が狭いから。今年は3・4年生合同で行っていました。残念ながら13名以上は研究室に入らないので、来年はまた3年生、4年生別々に行うことになりそうです。

3年次のテキスト
2009年生 昼間主 ダイアン・コイル『ソウルフルな経済学』インターシフト
2008年生 昼間主 鶴光太郎『日本的経済システム』講談社新書など
2007年生 昼間主 鈴木正敏『経済データの読み方』岩波新書など
2006年生 昼間主 大野健一『途上国ニッポンの歩み』有斐閣
2005年生 昼間主 大津定美・吉井昌彦『ロシア・東欧経済論』ミネルヴァ書房
2004年生 昼間主 植松忠博・小川一夫『日本経済論』ミネルヴァ書房
2003年生 昼間主 小川一夫・得津一郎『日本経済:実証分析のすすめ』有斐閣ブックス
2002年生 昼間主 前期は雑多なもの、後期は溝端・吉井『市場経済移行論』
1999年生 昼間主 小野善康『景気と経済政策』岩波新書
夜間主 日本経済新聞『ゼミナール日本経済』
1998年生 昼間主 OECD, "World in 2020"
1997年生 昼間主 酒井泰弘『情報の経済学』東洋経済新報社
また、『経済財政白書』(経済白書)を読んでもらって、日本経済の現状について勉強してもらっています。
*2000年度と2001年度は、2001年度に在外研究で1年間日本を留守にしたため、ゼミをとりませんでした。

結論:皆さんの周りに広がっている色々な問題を経済(学)の視点から積極的、意欲的に勉強してみたいと思っている学生を求めます。


3.ゼミでは何をするのか
3年次
ミクロ・マクロ経済学の勉強を随時取り入れながら、日本や世界の経済の現況を俯瞰できるようなテキストを読みたいと思います。EconomistやFinancial Timesなどのエッセーも読んで、英語の勉強もできればと思っています。なお、テキストはゼミ生と相談の上決めていきます。
ここ数年、大阪市大のゼミ(一昨年までは佐藤ゼミ(インド)、去年は田畑ゼミ(ロシア))と三商大ゼミに参加してきました。今年は、田畑ゼミ・溝端ゼミ(京都大)と"3"ゼミを行います。
1ヶ月に1冊くらいは教科書や小説やコミック以外の本を読もう。
工場見学
今年はサントリーのウィスキーとビール工場をはしごしました。これまでに白鶴、川崎重工業明石工場、コープこうべ食品工場、キリン神戸工場、アサヒビール西宮工場、MCC食品、日清食品、富士通テン、グリコピアなどへ行っています。
ここ最近はしてませんが、昔は拙宅でバーベキュー大会をしてきました(OBも参加)。
コンパ: 最近とみに弱くなりましたが、酒を飲むことは嫌いではありません。
その他、相談に応じます。
4年次
卒論の作成を行います。

2009年3月卒業生
原油価格がロシア経済にもたらした影響
ポーランド経済におけるラジカリズムの成功−伝統的民主主義国家の挑戦−
イスラム金融−その軌跡と将来性−
高齢社会と介護ビジネス
フランス国家を支える移民
ベトナム経済の持続可能な発展へ向けて
日本鉄鋼業−なぜ国際協労力が高いのか−
2008年3月卒業生
今後ロシアとどう向き合っていくか
地下経済について−日米の地下経済の概要とその拡大防止について−
中・東欧におけるユーロリージョンの課題と展望−カルパチア・ユーロリージョンを事例として−
少子高齢化がもたらす日本経済のこれから−労働問題に焦点を当てて−
環境に即した新しい生活基盤安定化システムの考察−日本の政府と企業は何をすべきか−
日本のODAに関する現状と課題−二国間援助の課題と今後−
日本財政の現状、及び課題

一度くらい最優秀論文章をとってもらいたいものですが・・・

希望があれば、ゼミ旅行。
 これまでに行った所:城崎、フルーツフラワーパーク、
鈴鹿・長島温泉、神戸セミナーハウス(ゼミ合宿)など
 最近は、ゼミ生で行ってます。

4.吉井ゼミを出たらどうなる?
(昼間主のみ)

0 就  職  先
メーカー 金融 サービス・流通 公務員 大学院 その他
1994年度生 12 0 2 3 2 1 0 4
1995年度生 11 1 3 3 2 1 1 2
1996年度生 9 2 2 1 1 4 0 3
1997年度生 5 4 0 3 1 1 1 3
1998年度生 8 1 3 0 0 3 0 3
1999年度生 7 5 4 1 1 2 1 3
2002年度生 4 7 3 1 1 1 1 4
2003年度生 7 3 3 1 2 0 1 1(2)
2004年度生 10 1 4 4 2 1 0 1
2005年度生 4 5 4 2 1 1 1 0
2006年度生 4 5 4 3 0 0 1 1
2007年度生 5 3 3 3 0 1 0 0
2008年度生 4 2 3 3 1 1 0 0

ゼミのOB・OGにはゼミ雑誌『昌湊』を年1回お送りし、ゼミの近況をお伝えするよう努めています。

5.希望者が定員を越えたときの選抜方法
面接を行います。
上に書いたような問題意識をもって、ゼミに活発に参加してくれそうな人を(直感で)選びます。
成績はいいにこしたことはありませんが、すべてではありません。

6.吉井って?
学歴・職歴はこのホームページにあるのでそれ以外だと、
・小学校までは神戸っ子。住んでいた所は研究室から見えます。
・神戸っ子、というとか関西人ですが、関西弁はしゃべれません。
趣味
・昔は、よくあるパターンで、読書と映画と音楽
大学・大学院時代に本は年100冊、映画も年100本がノルマでした。
・今はかなり無趣味
強いてあげれば、サッカーを見に行くことと、出張中にオペラやコンサートへ行くことか?
最近の口癖
「仕事は嫌いだ!」

7.質問がある場合
メールをお送りください。

それでは、皆さん、自分にあったゼミを選んでください。Good Luck!