ウィーン便り 2 (2001年10月10日)

オサマ・ビンラディン憎ければタリバン憎い、で空爆が始まりました。
ロシアの旅客機がウクライナに打ち落とされました。
世の中何がおきるかわからなくなっています。

さて、ウィーン便りその2です。

昨年でしたか、オーストリアに右翼のハイダー政権が誕生し、EUからのけ者扱いにされた頃、どうしてそんな国に出かけるの、と(ほとんど冗談で)言われたこともありましたが、結構冗談でなくなってきた話です。

今朝、Austria on lineというニュース配信メールのヘッダーを見ておりましたら、Government criticized over tough new foreignew lawというヘッダーを見つけました。オーストリアに住む外国人である私は思わずなんだろうと本文を見ました。そして唖然or驚愕。

内容をざっとまとめると、オーストリアに居住しようとする(している)非EU人は、一定のドイツ語コースを終了しなければ在留許可を出さない、あるいは剥奪する、最悪の場合は国外退去を求めるという、言ってみれば「外国人独語習得義務化法」が来年1月から施行されることになっており、これを野党が批判しているという内容です。
非EU人は、労働者の配偶者、失業者、既にオーストリアに滞在する一時的・更新可能な在留許可を持つ者(私はこれに該当?)、そして新規にオーストリアに在留しようとする者だそうです。

ドイツ語コースは3,000オーストリアシリング(24,000円)の費用がかかり、半分は国が出し、地方政府が若干の援助をし、残りは本人負担で、コース終了時の試験に落ちた場合は再度受講し、今度は全額本人負担とするそうです。

ニュースの最後には、在留許可を担当する、日本で言えば入管の官僚の、「トルコ人の夫人をドイツ語ができないからといって、国外退去させられるわけがない」とか、当地のIBMの人事担当者の「我々は英語で仕事ができる。ドイツ語を覚える必要はない。」というコメントが載せられていました。
これが既に議会を通過しているのか、まだ法案の段階なのか、記事を読む限りはよく分かりません。しかし、火のないところに煙は立たない(?)。本気で施行されるのかもしれません。されないことを切に希望しますが。

確かに、ドイツ語ができれば生活の不便はかなり解消されるのですが...

しかし、私の場合も、仕事は完全に英語ですむし、大家とも、同じアパートの居住者とも英語で用はすんでいます。オペラやコンサートのチケットも、もちろん英語で買えます。(ルーマニアはこうはいかなかった!)

1年もオーストリアに居住しない私達は本格的にドイツ語を覚える気もなく、アウフヴィーダーショーンとかトライとかセックスとかという、ウィーン訛りのドイツ語をただただ聞き流してきました。ウィーンにいるのは後半年。そこで結論。もし在留許可を取り消されたら、日本に帰ります。その節は、あたたかく迎えてやって下さい(笑)。

この法律でまた何かわかりましたら、ウィーン便りその3(?)をお送りします。(注)

外国に住むと色々なことを経験させてもらいシアワセです。

それでは皆さん、お元気にお過ごしください。

(注)2002年3月5日のBBCのメール配信ニュースでは、まだ与野党で議論の真っ最中とありました。