研究紹介(博士3回生):松尾(小川)絹絵
(在校当時)

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プロフィール
松尾(小川)絹絵(まつお(おがわ)きぬえ)
1980年生まれ
2003年鹿児島大学医学部保健学科作業療法学専攻卒業、作業療法士免許取得
2010年神戸大学大学院保健学研究科リハビリテーション科学領域博士前期課程入学
2012年同修了、博士後期課程入学
甲南加古川病院リハビリテーション部に勤務
姫路医療専門学校 非常勤講師


研究テーマ:

関節リウマチ患者に対する手関節装具の有効性
 手関節は関節リウマチの関節炎の好発部位であり、疼痛や腫脹、関節破壊が生じて、RA患者のADLとIADLは低下する。そこで、手関節を支持・固定することで、疼痛や日常生活での負担を軽減させるために、手関節装具が処方される。しかし、国外で作業用装具として使用されている手関節固定装具は、疼痛の軽減、握力向上に効果があったという報告が散見されるものの、有効性に関しては一定の結論が得られていない。また、国内では作業療法士が作製するリストサポーターなど、手関節の可動性を許容する軟性装具が作業用として使用されることも多いが、その効果についての医学的なエビデンスは極めて少ない。そこで、手関節装具が疼痛、腫脹、上肢機能、ADL/IADLに与える影響について明らかにしたい。
 近年、生物学的製剤の使用によりRA患者の治療は寛解を目指すことができるようになった。機能障害の進行を抑え、RA患者のQOLを高めるために、手関節装具が関節破壊に与える影響についても明らかにすることで、ひとりひとりの生活に応じた装具を作業療法士が意味をもって選択・処方できるように、手関節装具のエビデンスを構築していきたい。

著書・総説:
装具療法 ADLの向上・拡大を図る上肢スプリント. メジカルビュー社 八木範彦、西林保朗編集:リハ実践テクニック 関節リウマチ p72-79, 2009(分担執筆)
関節リウマチケアの基本と患者の意思決定を支える看護、リウマチ自助具;作業療法.臨床看護39(14):2001-2005,2013.
装具療法(2)ADLの向上・拡大を図る上肢装具.メジカルビュー社 監修:西林保朗、編集:佐浦隆一、八木範彦:リハ実践テクニック関節リウマチ 改訂第2版 p162-174, 2014(分担執筆)
リウマチ患者さんによく使われる自助具-関節の変形のため日常生活でこまっている患者さんへの支援-;神崎初美、三浦靖史,編:「最新知識と事例がいっぱい リウマチケア入門」,メディカ出版,2017(分担執筆)
3.関節リウマチ;大庭潤平、西村誠次、柴田八衣子編:「義肢装具と作業療法 評価から実践まで」,医歯薬出版,2017(分担執筆)
関節保護と自助具;房間美恵、竹内勤監修、中原英子編:「関節リウマチ看護ガイドブック~共同意思決定をめざしたトータルケアの実践」,羊土社,2019(分担執筆)


論文:
松尾絹絵、三浦靖史:リウマチ患者の長柄趾間ブラシ. OTジャーナル 45(1):58-59, 2011
松尾絹絵、橋本由美子、三浦靖史: リウマチ患者における長柄趾間ブラシの有用性に関する検討. 日本RAのリハビリ研究会誌 25(1):87-90, 2011
松尾絹絵、横山公信、中川夏子、三浦靖史:ウエットスーツ素材リストサポーターがADL/IADLの向上に有用であったRAの一例. 日本RAのリハビリ研究会誌 26(1):16-20, 2012


学会発表:
「習慣性肢位の改善を図り箸動作が獲得できた関節リウマチの一症例」 松尾絹絵
第15回兵庫県作業療法学会 2006年9月3日
「リウマチ患者のフットケア用自助具」 松尾絹絵、橋本由美子、遠藤通哉、三浦靖史
第1回兵庫リウマチチーム医療研究会 2010年5月8日 oral
「リウマチ患者における長柄趾間ブラシの有用性に関する検討」松尾絹絵、橋本由美子、遠藤通哉、中川夏子、三浦靖史
第25回日本RAのリハビリ研究会 2010年11月20日 oral
「作業療法の介入と補助具の改良によりアダリムマブの自己注射動作が改善したRAの1例」松尾絹絵、中川夏子、山田久美子、居村茂明、三浦靖史
第25回日本臨床リウマチ学会 2010年11月28日 oral
「作業療法の介入と補助具の改良によりアダリムマブの自己注射動作が改善したRAの1例」松尾絹絵、中川夏子、山田久美子、居村茂明、三浦靖史
第2回兵庫リウマチチーム医療研究会 2010年12月4日 oral
「頸髄症を伴うリウマチ患者の飲水用自助具」松尾絹絵、橋本由美子、三浦靖史
第3回兵庫リウマチチーム医療研究会 2011年5月21日 oral
「ウエットスーツ素材リストサポーターがADL/IADLの向上に有用であったRAの一例」 松尾絹絵、横山公信、中川夏子、三浦靖史
第26回日本RAのリハビリ研究会 2011年11月19日 oral
「関節リウマチ患者に対するウエットスーツ素材リストサポーターの有効性に関する検討」 松尾絹絵、中川夏子、立石耕司、三浦靖史
第46回日本作業療法学会 2012年6月15日 oral
“Efficacy of neoprene wrist supports for patients with rheumatoid arthritis”, Matsuo K, Tateishi K, Nakagawa N, Miura Y.
76th ACR/ARHP Annual Scientific Meeting 2012年11月10日-14日 poster
「リウマチ患者のリーチャー」松尾絹絵、橋本由美子、井神雄介、赤澤智子、三浦靖史
第47回日本作業療法学会 2013年6月29日 poster
“A patient with rheumatoid arthritis enabled to manage foot self-care by occupational therapy intervention in inter-professional collaboration: a case report.” Matsuo K, Kuno K, Hiraoka T, Motoki E, Miura Y.
16th International Congress of the World Federation of Occupational Therapists 2014年6月18-21日 oral
「ADL向上を目的とした関節リウマチに対する上肢術後の作業療法」松尾絹絵、中川夏子
第43回リウマチの外科研究会 2014年8月30日 oral
「作業療法介入によりセルフフットケアが可能になった関節リウマチの2例」松尾絹絵、元木絵美、寺島康浩、中川夏子、三浦靖史
第59回日本リウマチ学会総会・学術集会 2015年4月24日 oral
「ピアノ演奏用のスプリントを工夫した尺側偏位に対する軟部組織再建術後のRAの1例」松尾絹絵、中川夏子
第49回日本作業療法学会 2015年6月20日 oral
「リウマチ手におけるMP人工指関節置換術の後療法のエビデンス-軟部組織再建術も含めて-」松尾絹絵、中川夏子
第28回日本ハンドセラピィ学会学術集会 2016年4月23日-24日 シンポジウム
「RA手指伸筋腱再建術後の減張位早期運動による後療法とテーピングの工夫」松尾絹絵、立石耕司、武部健、中川夏子
第53回日本リハビリテーション医学会学術集会 2016年6月9日-11日 poster
「関節リウマチによる手指伸筋腱移行術後の減張位早期運動における術後成績の経時的変化」松尾絹絵、柏木秀文、中川夏子
第50回日本作業療法学会 2016年9月9日-11日 oral
「作業療法士として何ができるか」松尾絹絵
第31回日本臨床リウマチ学会 2016年10月29日-30日 シンポジウム
「関節リウマチ手指伸筋腱再建術後の減張位早期運動における経時的変化」松尾絹絵、立石耕司、寺島康浩、中川夏子、武部健
第61回日本リウマチ学会総会・学術集会 2017年4月20日-22日 poster
「フットケア用自助具により足部の洗体が自立した関節リウマチの2例」松尾絹絵、柏木秀文、武部健、寺島康浩
第51回日本作業療法学会 2017年9月22日-24日 poster
「関節リウマチに対するスプリント療法」松尾絹絵
第32回日本RAのリハビリ研究会学術集会 2017年10月21日 ランチョンセミナー
「セルフフットケア用自助具を長期使用できていたRAの3例」松尾絹絵、立石耕司、寺島康浩、武部健
第62回日本リウマチ学会総会・学術集会 2018年4月26日-28日 poster
「関節リウマチ患者に対する生活支援~作業療法士の視点での多職種連携~」松尾絹絵
第62回日本リウマチ学会総会・学術集会 2018年4月26日-28日 シンポジウム
「RA患者が望む生活を支援する~術後ADLの向上に向けた作業療法~」松尾絹絵
第47回日本リウマチの外科学会 2018年8月31日-9月1日 シンポジウム
「関節リウマチのリハビリテーション:作業療法士の立場から」松尾絹絵、中村めぐみ
第29回日本リウマチ学会近畿支部学術集会 2019年9月7日



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