神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)
第216号(2022年11月号[22/11/1発行])
冬の訪れに備えて:ワクチン接種を済ませましょう
11月になってすっかり秋も深まり、山々や街路樹の紅葉が美しい時期となってきました。新型コロナウイルス感染症の流行による行動制限が大幅に緩和され、全国旅行支援も実施されていることから、秋の観光シーズンを久しぶりに楽しまれている方もおられるのではないか思いますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、今シーズンは10月1日から開始となったインフルエンザワクチンの接種ですが、65才以上の高齢者の方はもちろんのこととして、関節リウマチやリウマチ近縁疾患の治療で、免疫抑制作用を有する治療薬を使用中の患者さんにおかれましては、今年の冬には、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザの同時流行が懸念されておりますので、インフルエンザワクチンの接種をぜひ受けて頂くようにお願いします。幸い、今シーズンはインフルエンザワクチンの供給は潤沢に行われていますので、昨シーズンのように接種が受けられる医療機関がなかなか見つからないという心配は無用ですが、ワクチン接種後に効果を発揮するまで2週間程度を要しますので、できるだけ今月中には、接種を済ませていただきますようにお願いします。
一方、新型コロナウイルスに対しては、9月17日より、オミクロン株対応ワクチンの接種が始まっています。オミクロン株対応ワクチンとは、従来株に由来する成分を含んだメッセンジャーRNAワクチンに加えて、オミクロン株に由来する成分を含んだメッセンジャーRNAワクチンの、2つのワクチンからなる2価ワクチンです。従来株に由来する成分だけを含むこれまで使用されてきた1価ワクチンと比較して、オミクロン株に対する重症化予防、感染防止、発症予防効果がそれぞれ強いことが期待されています。オミクロン株対応の2価ワクチンには、BA.1対応型と、BA.4-5対応型の2種類があり、当初は先に承認されたBA.1対応型による接種が始まりましたが、10月下旬頃からは、後に承認されたBA.4-5対応型への切り替えが進んでいます。どちらの型であっても2価ワクチンは、2種類の成分があることで、より多様な新型コロナウイルスに反応できることが期待されることから、1価ワクチンを上回る効果ならびに今後生じる変異株に対しても有効である可能性が期待されています。BA.1対応型にはモデルナ(スパイクバックス®筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1))と、ファイザー(コミナティ®RTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1) )の2つの製品が、BA.4-5対応型にはファイザーの製品(コミナティ®RTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5) )が現在使用されていますが、11月1日にモデルナのBA.4-5対応型ワクチンも新たに承認されました。
ところで、オミクロン株対応ワクチンと、インフルエンザワクチンの接種間隔には制限はありませんので、同日の接種も可能です。ただし、オミクロン株対応ワクチンと、インフルエンザワクチン以外の、例えば肺炎球菌ワクチンなどの接種には2週間の接種間隔を空ける必要がありますので、ご注意ください。なお、オミクロン株対応ワクチンの接種間隔は、前回接種後の3ヶ月に短縮されたため、1・2回目接種を完了し、前回接種後3ヶ月を経過した12歳以上の方が、オミクロン株対応ワクチンの接種対象となります。ただし、モデルナのワクチンは18才以上しか使用できません。
オミクロン株対応ワクチンの接種が、新型コロナウイルスワクチン接種の3回目、4回目、そして5回目になる方がおられますが、現在のところ、オミクロン株対応ワクチンの接種は1回限りとなっています。
整形外科リウマチ教室のご案内
神戸大学整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中でより良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております(開催週は月により異なりますので予めご確認ください)。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
1 1月のリウマチ教室では、三浦准教授から、リウマチ患者さんの冬の健康維持方法に、お話させていただきますので、ぜひ、ご参加ください。オンラインでのリウマチ教室は、通常のリウマチ教室への来院が困難な遠方にお住まいの方でも、パソコンあるいはスマートフォンからインターネットへの接続ができれば、当院への通院の有無にかかわらず、どなたでもご参加いただけます。また、Zoomのブレークルーム機能を使用しての個別相談も再開しています。新型コロナウイルス感染症の流行はまだ予断を許さない状況であり、当面の間、オンラインでの開催を続ける予定ですので、自宅からご参加ください。
なお、通常の対面での教室と異なり、セキュリティーを保護してオンライン上のトラブルを防止するために、オンライン教室への参加はウェブでの事前申し込み制とさせていただきます。
オンラインリウマチ教室のスケジュール(2022年11月-2023年2月)
日時:2022年11月24日(木)13:30-14:30(第4木曜日です)
講師・司会: 三浦 靖史 准教授
演題:「冬の健康維持方法」
参加登録先:https://forms.gle/SKHpiccEa7xr2XjT7
12月は年末のため、リウマチ教室はお休みです
日時:2023年1月19日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
講師・司会:三浦 靖史 准教授
演題:「2023年リウマチ治療今年の展望」
参加登録先:https://forms.gle/Tdt6qmVEe1wS7sETA
日時:2023年2月16日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
講師・司会:三浦 靖史 准教授
演題:「若いリウマチ患者さんへ:ライフステージとプレコンセプションケア」
参加登録先:https://forms.gle/m8xNbJVZ19yvzoW46
オンラインリウマチ教室参加申し込み方法
開催前日の17:00までに、グーグルフォーム(上記の「参加登録先」をクリック、あるいはQRコードをスマートフォンやiPadで読み込んでください)から参加登録いただきますようにお願いします。
前日の申し込み締め切り後に、Zoomでの参加に必要なリンク、会議IDとパスワードをお送りします。携帯アドレスをご利用の場合、こちらからの返信を受信できない場合がありますので、PC用のアドレスを登録ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
開始時間までにZoomのアプリを予めインストールいただけますとスムーズに参加いただけます。
神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
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発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2022.11.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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