神大整形マーク 神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)神戸大学マーク

第248号(2025年7月号[25/7/1発行])


夏を安全に乗り切るために

近畿地方では、例年より3週間も早く6月のうちに梅雨が明けてしまい、連日、厳しい暑さが続いておりますが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。まだ体が暑さに十分に慣れていないこの時期の猛暑は熱中症の危険因子ですが、熱中症予防に加えて、リウマチ患者の皆様が夏を安全に乗り切るために、注意を払っていただきたいポイントのうちの2つを今回お伝えします。
脱水に注意しましょう:熱中症予防対策として、喉の渇きを感じていなくてもこまめに水分を補給すること、水分だけでなく塩分も補給することは皆様良くご存じのことと思いますが、脱水の症状はご存じでしょうか。全身のだるさ、微熱、食欲不振、体重減少といった症状は、関節リウマチが悪化した際に生じますが、脱水を示唆する症状でもあります。
メトトレキサート(MTX)を使用している患者さんは、発汗、嘔吐、下痢などによる脱水が生じると、腎臓への血流量が減少し、その結果、腎臓のMTX排泄機能が低下して、MTXの血中濃度が異常に高くなる場合があります。MTXの血中濃度の上昇は、吐き気や口内炎など消化器症状、さらには、骨髄抑制といった重篤な副作用を引き起こす場合がありますので、MTXを使用中の患者さんは、脱水を避けるように、特に注意くださいますようにお願いします。
薬剤の保管に注意しましょう:薬の品質と有効性を維持するためには、高温、湿気、直射日光の3つの要因を避けることが基本原則です。非常に高温となる自動車内はもちろんのこと、温度と湿度が高くなりがちな台所や洗面所、直射日光が当たる窓際での保管は、薬剤の変質を招く可能性があるため避けて下さい。また、抗リウマチ生物学的製剤(バイオ)や骨粗鬆症に対するテリパラチド製剤などは、凍結を避けて2〜8℃の冷所で保管することが基本のため冷蔵庫で保管してください。点眼薬、シロップ剤、坐薬などで冷所保存が指示されている薬剤も冷蔵庫で保管頂いて良いのですが、冷蔵庫には子どもの手が簡単に届くことから、小さなお子様がおられる場合には、子どもが開けにくい形状の容器に入れるなどの安全対策を行ってください。さらに、保冷が必要な薬剤は冷蔵庫に入れておけば大丈夫ということではなく、冷気の吹き出し口の近くに置くと薬剤が凍結してしまう場合があります。バイオやテリパラチドはタンパク質でできているため、凍結解凍されることによって有効成分が変性したり、異物が増加したりする恐れがあります。そのため、冷蔵庫内のどの位置に薬を保管するかにも配慮ください。なお、冷蔵庫から出したばかりの冷たい注射薬を使用すると、注射時痛が強くなることから、注射前に室温に戻してから注射されていると思いますが、注射することを忘れて、薬剤が室温で長時間放置されることのないようにもご注意ください。
一方、錠剤やカプセル剤は、冷蔵庫に入れると取り出した際に室温との温度差で湿気を帯びる可能性があるため、室温で保管くださいますようにお願いします。



リウマチ教室のご案内
(オンラインかハイブリッドで開催しています)

神戸大学整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中でより良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております(開催週は月により異なりますので、予めリウマチだよりか、神戸大学医学部附属病院のホームページでご確認ください)。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
2020年新型コロナウイルスの流行に伴い、病院での対面での開催からオンラインでの開催に変更しましたが、2025年4月以降は、一部の教室をオンラインと対面とのハイブリッド開催としています。
7月のリウマチ教室では、臨床検査部の大沼先生から臨床検査に関するお話をオンラインでさせていただきますので、ぜひ、ご参加ください。

当院への通院の有無にかかわらず、どなたでもご参加いただけます。また、Zoomのブレークルーム機能を使用しての個別相談も行っていますので、お気軽にお申し込みください。
なお、教室への参加ならびに個別相談はウェブでの事前申し込み制とさせていただきます。




日時:2025年7月24日(木)13:30-14:30(第4木曜日です)
演題:「知って納得!臨床検査のはなし」(オンラインのみ)
講師:検査部 大沼 健一郎 主任臨床検査技師
司会:三浦 靖史 准教授
参加登録先:
https://forms.gle/GnQuhxTgvwVk1Pk48



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日時:2025年8月28日(木)13:30-15:00(第4木曜日、終了時間が通常と異なります)
演題:「リウマチ患者さんとのおしゃべり会」(オンラインのみ)
講師・司会:三浦 靖史 准教授、アシスタント:保健学科学生
参加登録先:
https://forms.gle/QFwh6geRBQhmRSKp7



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6年ぶりに音楽療法を対面で実施します

神戸大学整形外科リウマチ教室では、2010年から毎年9月にリウマチ患者さんを対象とした音楽療法を実施してきましたが、新型コロナウイルスの流行とその後の社会情勢の変化のため、2020年から昨年まではオンラインで実施してきました。今年は9月11日(木)に、6年ぶりに現地会場で実施することになりました。裏面のリウマチ教室のご案内を参照の上、ぜひ、ご参加ください。
 



日時:2025年9月11日(木)13:30-14:50(第2木曜日、終了時間が異なります)
演題:「健康と音楽」
開催方法:対面とオンラインのハイブリッド開催
(対面、オンラインのいずれも要事前登録)
場所:神戸大学医学部附属病院福利厚生施設4階神緑会館記念ホールB
(神戸市中央区楠町7-5-1、附属病院敷地内、南西角の建物)
講師:植草学園大学保健医療学部 名誉教授 山崎 郁子 先生、同 講師 雄鹿 賢哉 先生
司会:三浦 靖史 准教授
参加登録先:
https://forms.gle/swAaq1n6WuiTnvUM6
 


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オンラインリウマチ教室参加申し込み方法

開催前日の17:00までに上記参加登録先リンクからグーグルフォームを用いてインターネットで事前参加登録をしていただきますようにお願いします。
前日の申し込み締め切り後に、Zoomでの参加に必要なリンク、会議IDとパスワードをお送りします。携帯アドレスをご利用の場合、こちらからの返信を受信できない場合がありますので、PC用のアドレスを登録ください。

皆様のご参加をお待ちしております。
開始時間までにZoomのアプリを予めインストールいただけますとスムーズに参加いただけます。

神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ

リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2025.7.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用


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