神大整形マーク 神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)神戸大学マーク

第243号(2025年2月号[25/2/1発行])


冬の食中毒の予防について

昔から「一月往ぬる、二月逃げる、三月去る」という通り、あっと言う間に1月が過ぎて、冬本番の2月に入りましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
さて、冬は、カニ、フグ、カキ、ホタテ、ブリなどの海の幸が美味しさを増す季節です。しかし、これらの素晴らしい食材についても食中毒に常に気をつける必要があります。
 気温と湿度が高く細菌が発育しやすい梅雨や夏の時期には、「細菌性食中毒」に特に注意が必要ですが、冬の時期には、細菌性食中毒に加えて、ノロウイルス食中毒に注意する必要があります。
 海水を大量に吸引するカキなどの二枚貝は、海水に含まれるノロウイルスを消化器官で蓄積・濃縮することから、ノロウイルスを取り込んだカキなど二枚貝を、生食、あるいは不十分な加熱で食べることで感染してしまいます。
ノロウイルス食中毒は、感染から24~48時間後に腹痛、下痢、発熱、嘔気、嘔吐などの症状を呈します。症状が重篤な場合、脱水になってしまう恐れがあるため、医療機関で補液を受ける必要があります。また、乳幼児や高齢者では、脱水に加えて、吐物による窒息のリスクにも注意する必要があります。
 ノロウイルスは、症状が消失後も1週間程度は便中に排泄されますが、とても感染力が強いことから、家庭内での二次感染のリスクに注意が必要です。消毒に際しては、ノロウイルスなどのノンエンベロープウイルスにはアルコールに弱いエンベロープという膜構造がなく、通常のアルコールで不活化できないことから、次亜塩素酸ナトリウムを使用する必要があります。
 ノロウイルス食中毒などの冬の食中毒を予防するために、以下の点についてご注意くださいますようにお願いします。
①「手洗い」:手洗いは食中毒予防の基本です。調理をする前、食事をする前は、必ず手洗い石けん(ハンドソープ)で手をしっかりと洗って、食べものにノロウイルスや食中毒菌を付着させないようしましょう。
②「加熱」:食材を加熱する場合、食品の中心部まで火が通るようにしっかりと加熱しましょう。
ノロウイルス食中毒を予防するためには、食品の中心温度が85℃~90℃になるようにして90秒以上加熱することが必要とされています。しかし、中心温度が何度になっているかを判断することは難しいので、十分な加熱を行いましょう。
③「清潔」:台所ならびに使用する調理器具は常に清潔に保ちましょう。
調理に使用した包丁、まな板、ふきんなどは、洗浄後に熱湯で煮沸消毒をするか、塩素系漂白剤で塩素消毒を行うことができるものについては、塩素消毒を行いましょう(包丁は錆びる恐れがありますので注意が必要です)。
④「体調管理」:腹痛や下痢などの胃腸炎の症状がある場合は、食品に直接触ることのないようにしましょう。
⑤「汚物処理」:感染者の汚物を処理する際には、十分な感染防止措置を行いましょう。
なお、ノロウイルス食中毒以外にも、アニサキスによる食中毒やカンピロバクターなどの細菌性食中毒も冬に発生していますので、注意が必要です。さらに、フグ毒であるテトロドトキシンによる食中毒も、ふぐ調理師資格を持たない素人による調理で生じていますので、資格のない人は決してフグの調理を行わないでください。




リウマチ教室のご案内(オンラインで開催しています)

神戸大学整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中でより良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております(開催週は月により異なりますので、予めリウマチだよりか、神戸大学医学部附属病院のホームページでご確認ください)。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
2月のリウマチ教室では、三浦准教授から、若いリウマチ患者さんに向けて、ライフステージ支援とプレコンセプションケアについてお話させていただきますので、年齢に関わらず、ご参加ください。
当院への通院の有無にかかわらず、どなたでもご参加いただけますので、ぜひ、ご参加ください。
当院への通院の有無にかかわらず、どなたでもご参加いただけます。また、Zoomのブレークルーム機能を使用しての個別相談も行っていますので、お気軽にご参加ください。
なお、教室への参加ならびに個別相談はウェブでの事前申し込み制とさせていただきます。



日時:2025年2月27日(木)13:30-14:30(第4木曜日です)
演題:「若いリウマチ患者さんに向けて:
ライフステージ支援とプレコンセプションケア」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
参加登録先:
https://forms.gle/Z1cNLTGMME5JS7nW6


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日時:2025年3月27日(木)13:30-14:30(第4木曜日です)
演題:「もう一度、元気に歩こう!人工関節置換術について」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
参加登録先:
https://forms.gle/jSw96y5m9JT9sNH5A



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日時:2025年4月17日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
開催方法:オンラインと対面でのハイブリッド開催(対面開催の有無は開催1週間前までにご登録頂いた参加予定者数で判断させて頂きます)
(オンライン、対面のいずれも要事前登録)
場所:神戸大学医学部附属病院外来診療棟4階 談話室(神戸市中央区楠町7-5-1)
演題:「リウマチ患者さんの装具に関するお話(仮)」
講師:澤村義肢製作所 義肢装具士、司会:三浦 靖史 准教授

参加登録先:
https://forms.gle/4DVnkxjsoFWkGtsV9


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オンラインリウマチ教室参加申し込み方法

開催前日の17:00までに上記参加登録先リンクからグーグルフォームを用いてインターネットで事前参加登録をしていただきますようにお願いします。
前日の申し込み締め切り後に、Zoomでの参加に必要なリンク、会議IDとパスワードをお送りします。携帯アドレスをご利用の場合、こちらからの返信を受信できない場合がありますので、PC用のアドレスを登録ください。

皆様のご参加をお待ちしております。
開始時間までにZoomのアプリを予めインストールいただけますとスムーズに参加いただけます。

神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ

リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2025.2.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用


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