神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)![]()
第256号(2026年3月号[26/3/1発行])
4月から高齢者定期予防接種の肺炎球菌ワクチンが変更されます
肺炎は様々な原因で生じる疾患ですが、病原微生物によって成人が日常かかる肺炎、いわゆる市中肺炎の原因として最も多い病原微生物が肺炎球菌です。名前に肺炎と付いていますが、肺炎球菌は肺炎だけでなく、中耳炎、副鼻腔炎、髄膜炎、敗血症なども引き起こします。また、肺炎球菌は1種類でなく、何と100種類以上の莢膜(きょうまく)型(血性型)があります。
2014年10月から高齢者の定期予防接種が実施されている肺炎球菌ワクチンですが、2026年4月1日より、定期予防接種に使用されるワクチンが、従来のニューモバックス®(製造販売:MSD)からプレベナー20®(製造販売:ファイザー)に変更されることになりました。1998年に承認されて今日まで使用されてきたニューモバックス®は、23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(Pneumococcal Polysaccharide Vaccine:PPSV23)と呼ばれる、23種類の莢膜型の肺炎球菌の莢膜多糖体を抗原とする不活化ワクチンです。
一方、4月から使用されるプレベナー20®は、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン(Pneumococcal Conjugate Vaccine: PCV20)と呼ばれる、20種類の肺炎球菌の莢膜多糖体に、ジフテリア菌の変異株の毒素を加工した無毒性ジフテリア毒素を担体(キャリア蛋白)として結合させることで、B細胞だけでなくT細胞にも抗原を認識させるように工夫されています。さらに、この結合体を、アジュバントと呼ばれる免疫の獲得を助ける物質であるリン酸アルミニウムに吸着させて不溶性とすることで、免疫誘導能力を高める工夫もされています。
肺炎球菌ワクチンの価数は、ワクチンに含まれる肺炎球菌の莢膜型の種類の数ですので、価数が大きい方が、より多くの種類の莢膜型の肺炎球菌をカバーできるということになります。
ですので、23価のニューモバックス®の方が20価のプレベナー20®より、良いのではないかと考える方がおられるかもしれません。プレベナー®は、以前は13価のワクチン(PCV13)でしたが、2024年8月に現行の20価のワクチンに変更され、より多くの種類の肺炎球菌をカバーできるようになりました。
莢膜多糖体を抗原とするPPSVでは、抗原がB細胞にしか認識されないため、免疫は数年後には減弱してきます。そのため、ニューモバックス®は5年毎の再接種が推奨されています。
一方、プレベナー®などのPCVは、莢膜多糖体をキャリア蛋白と結合させてT細胞に認識させることで、強力な免疫誘導作用が得られることから、PCVは、原則、一生に一回の接種で良いことが、大きな利点となっています。
PCVには、プレベナー®の他に、2023年に4月に発売された沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV15)バクニュバンス®(製造販売:MSD)、2025年10月に発売された21価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV21)キャップバックス®(製造販売:MSD)もあり、いずれも高齢者に接種できますが、4月1日からの高齢者定期予防接種の助成対象となるのは、プレベナー20®のみです。なお、3月31日までは、ニューモバックス®しか助成対象になりません。
2026年度中に65歳の誕生日を迎える方は、市町村から届く通知を参照して、肺炎球菌ワクチンの定期接種を受けていただくことを強くお勧めいたします。
リウマチ教室のご案内
(オンラインかハイブリッドで開催しています)
神戸大学整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中でより良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております(開催週は月により異なりますので、予めリウマチだよりか、神戸大学医学部附属病院のホームページでご確認ください)。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
3月のリウマチ教室では、関節リウマチや変形性関節症に対して行われる人工関節手術について、三浦准教授からお話させていただきます。当院への通院の有無にかかわらず、教室へはどなたでもご参加いただけますので、ぜひ、ご参加ください。
リウマチ教室では、Zoomのブレークルーム機能を使用しての個別相談も行っています。プレコンセプションケアに関する相談もお受けしていますので、ぜひ、ご活用ください。
なお、教室への参加ならびに個別相談はウェブでの事前申し込み制とさせていただきますので、以下のリンクあるいはQRコードからフォームに入力いただけましたら幸いです。
日時:2026年3月19日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
演題:「関節リウマチと変形性関節症の患者さんへ:人工関節手術のお話」
(オンラインのみ)
講師・司会:三浦 靖史 准教授
参加登録先: https://forms.gle/8F2AezcGvshkgAq79
日時:2026年4月16日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
演題:「足底装具(インソール)〜作製前から作製後まで〜」
開催方法:オンラインと対面でのハイブリッド開催(対面開催の有無は開催1週間前までに
ご登録頂いた参加予定者数で判断させて頂きます)(オンライン、対面のいずれも要事前登録)
場所:神戸大学医学部附属病院外来診療棟4階 談話室(神戸市中央区楠町7-5-1)
講師:澤村義肢製作所 大西 智樹 義肢装具士
司会:三浦 靖史 准教授
参加登録先: https://forms.gle/un8wJJJGXQa2Dwbw8
オンラインリウマチ教室参加申し込み方法
開催前日の17:00までに上記参加登録先リンクからグーグルフォームを用いてインターネットで事前参加登録をしていただきますようにお願いします。
前日の申し込み締め切り後に、Zoomでの参加に必要なリンク、会議IDとパスワードをお送りします。携帯アドレスをご利用の場合、こちらからの返信を受信できない場合がありますので、PC用のアドレスを登録ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
開始時間までにZoomのアプリを予めインストールいただけますとスムーズに参加いただけます。
神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ
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発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2026.3.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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