神大整形マーク 神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)神戸大学マーク

第253号(2025年12月号[25/12/1発行])


マイナンバーカードの保険証利用(マイナ保険証)について

いよいよ師走に入り、落ち葉が目立つ時候となりました。寒暖は日々大きく変化していますが、徐々に、しかし、着実に気温は下がってきています。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて、12月より、従来用いられてきた健康保険証が廃止になり、マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」が医療機関を受診する際の基本アイテムとなりました。
継続的に通院が必要で医療費が高額になりがち、また、複数の医療機関を利用されていて多くの種類の薬を処方されがちなリウマチ患者さんにとって、マイナ保険証は「単なる便利なカード」であるだけでなく、安全性を始めとする治療の質を高めるための強力なツールです。
皆様に活用頂きたいマイナ保険証のメリットと注意点についてご説明させていただきます。
1.【手続きの簡便化】生物学的製剤やJAK阻害薬などを使用されている場合、医療費が高額になって、所得に応じて高額療養費制度が適応される場合があります。従来の保険証利用の場合には、高額療養費の限度額を超えた支払い金額の立て替え払いを避けるためには、予め「限度額適用認定証」の申請が必要でした。しかし、マイナ保険証を利用すると、カードリーダーで「限度額情報の提供」に同意することで、自動的に高額療養費制度が適用されます。
2.【安全性】2025年度より「電子カルテ情報共有サービス」の順次導入が進んでおり、マイナ保険証によって「アレルギー」「感染症」「薬剤禁忌」「検査」「処方」「傷病名」の6つの情報をサービスに対応した医療機関の間で共有できるようになりました。医師や薬剤師が他院で処方された薬の情報を確認できるため、処方薬の不適切な併用や重複などのトラブルを未然に防ぐことができます。ただし、市販薬は対象外です。
3.【検査結果】同様にCRPなどの血液検査結果も、検査を受けた医療機関以外で閲覧できるようになりました。ただし、まだ全ての医療機関が対応している訳ではありませんので、従来の「検査結果報告用紙」も保管のうえ、必要に応じて次の受診時に持参なさってください。
4.【災害対策】災害時、お薬手帳を持って避難できるとは限りません。マイナンバーカードを持っていれば、避難所の医師や薬剤師がマイナ保険証から服用歴を確認して、ステロイドや降圧薬など、毎日服用が必須である薬を速やかに処方することができます。ただし、電子処方箋を利用する場合を除いて、服薬データが反映されるのに通常1ヶ月程度を要するため、直近に処方された薬はシステム上、確認できない場合があります。
5.【利便性】Androidに続き、iPhoneでもスマートフォンへのマイナンバーカード機能の搭載が可能になりました。スマートフォンだけでマイナ保険証による受診手続きを完了できるため、カードを取り出してカードリーダーに挿入する手間と、手指への負担を軽減することができます。ただし、スマートフォンでのマイナ保険証の利用に際しては、マイナンバーカードをスマートフォンに事前に登録しておく必要があります。
6.【納税手続きの負担軽減】年間の医療費が10万円以上かかった場合、確定申告をすることで税金が還付される医療費控除の対象になりますが、マイナポータルとe-Tax(国税電子申告・納税システム)を連携させれば、1年分の医療費通知情報が自動入力されるため、確定申告書の作成にあたり、一枚ずつ領収書を計算する手間が省けます。
このようにマイナ保険証は「患者さんの体と生活を守る」ツールですのでぜひ活用ください。





リウマチ教室のご案内
(オンラインかハイブリッドで開催しています)

神戸大学整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中でより良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております(開催週は月により異なりますので、予めリウマチだよりか、神戸大学医学部附属病院のホームページでご確認ください)。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
12月は1年のうちで唯一、リウマチ教室がない月となります。新年1月は、年始に際して、2026年のリウマチ治療の展望について、三浦准教授からお話させていただきます。当院への通院の有無にかかわらず、教室へはどなたでもご参加いただけます。また、Zoomのブレークルーム機能を使用しての個別相談も行っています。
なお、教室への参加ならびに個別相談はウェブでの事前申し込み制とさせていただきますので、以下のリンクあるいはQRコードからフォームに入力いただけましたら幸いです。




12月は年末につきリウマチ教室はお休みです





日時:2026年1月22日(木)13:30-14:30(第4木曜日です)
演題:「2026年リウマチ治療の展望」(オンラインのみ)
講師・司会:三浦 靖史 准教授
参加登録先:
https://forms.gle/7iXoZ7jtmDQTc2EcA




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日時:2026年2月19日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
演題:「若いリウマチ患者さんへ:ライフステージ支援とプレコンセプションケア」
(オンラインのみ)
講師・司会:三浦 靖史 准教授
参加登録先:
https://forms.gle/VJQt21EP8fFRLJQL9





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オンラインリウマチ教室参加申し込み方法

開催前日の17:00までに上記参加登録先リンクからグーグルフォームを用いてインターネットで事前参加登録をしていただきますようにお願いします。
前日の申し込み締め切り後に、Zoomでの参加に必要なリンク、会議IDとパスワードをお送りします。携帯アドレスをご利用の場合、こちらからの返信を受信できない場合がありますので、PC用のアドレスを登録ください。

皆様のご参加をお待ちしております。
開始時間までにZoomのアプリを予めインストールいただけますとスムーズに参加いただけます。

神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ

リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2025.12.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用


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それでは、皆様、良い新年をお迎えください。来年もどうぞよろしくお願いします。