第60号(2009年11月号[09/11/2発行])
 11月に入り、中央区の東遊園地にはすでに神戸ルミナリエの骨組みができあがり、秋も一日一日と深まっていますが、皆様、体調はいかがでしょうか。連日の新型インフルエンザに関する報道に、心配な思いをされておられる患者さんも多いのではないでしょうか。
 さて、この整形外科リウマチだよりの発行を開始して今号でちょうど5年になり、月日が経つ早さに驚くばかりですが、療養に関する情報提供が必要なさまざまな局面において、一定の役割を果たしてきたのではないかと自負しております。
 しかし、今回の新型インフルエンザに関しては、毎週のように新しい情報があり、月に1回の発行と、決められた紙面では最新の情報全てを掲載するのが難しい状況ですので、この度、「リウマチ患者さんへの新型インフルエンザワクチン接種情報」のホームページを設けて逐次更新するように致しました。パソコンでのインターネットアクセスが可能な皆様は、そちらもご参考いただけましたら幸いです。
ホームページのアドレスは、http://www2.kobe-u.ac.jp/~ymiuraです。なお、申し訳ありませんが、現時点では携帯電話からのアクセスには対応しておりませんので、ご了承ください。

新型インフルエンザ第5報:ワクチン情報アップデート
 厚生労働省は「新型インフルエンザワクチンの優先接種の対象とする基礎疾患の基準」を発表して、一定の疾患・状態で入院中または通院中の患者さんは、新型インフルエンザのリスクが高いことが示唆されるとして、新型インフルエンザワクチンの優先接種対象としました。
 その項目⑧の「疾患や治療に伴う免疫抑制状態」の中に「悪性腫瘍、関節リウマチ・膠原病、内分泌疾患、消化器疾患、HIV感染症等を含む」と記載されており、関節リウマチが優先接種対象であることが明確にされました。しかし、ワクチンの供給量が限られていて、これらの病気のすべての患者さんに同時にワクチン接種を行うことは困難であるために、最優先して接種する患者さんの基準を設けています。関節リウマチ・膠原病の最優先対象基準は、「関節リウマチ及びその他の膠原病患者で、ステロイド※1、免疫抑制薬※2、生物学的製剤※3のいずれかを使用中の者」とされ、具体的には、※1:プレドニゾロン(プレドニン®)換算で5mg/日以上を継続して使用、※2:シクロフォスファミド、アザチオプリン,メトトレキサート(リウマトレックス®)、シクロスポリン、タクロリムス(プログラフ®)、ミゾリビン(ブレディニン®)、ミコフェノール酸モフェチル等、※3:インフリキシマブ(レミケード®)、エタネルセプト(エンブレル®)、アダリムマブ(ヒュミラ®)、トシリズマブ(アクテムラ®)等と、最優先接種対象となる使用薬剤が明記されています。記載されていないものの免疫抑制作用の強いレフルノミド(アラバ®)は対象になると考えられますが、上記の抗リウマチ薬以外で治療を受けておられる患者さんは最優先にはなりませんので、接種を受けられる順番は後になります。
 さて、神戸大学病院におきましては、当病院に通院中の最優先接種対象となる基礎疾患を持つ患者さんに対して、11月9日で始まる週より新型インフルエンザワクチンの接種を予約制で開始する予定です。ただし、11月2日の時点で、どの程度の量のワクチンが開始当初に入荷するかはっきりしていないため、予約受付を開始しておりません。11月9日頃、ワクチンの入荷時期等情報が入り次第、予約方法等をお知らせする予定です。なお、お近くのかかりつけ医での接種を希望される最優先接種対象となる患者さんに優先接種対象者証明書を発行しますので、希望される患者さんは主治医までお申し出下さい。発行手数料は不要ですが、発行に当たり受診をしていただく必要があります。また、各医療機関における新型インフルエンザワクチンの入荷状況がはっきりしないことと、接種が可能かどうかの最終的な判断はかかりつけ医によって行われますので、接種が確約される訳ではありませんことをご了承下さい。 

肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP®)について(再掲)
 肺炎球菌は細菌性肺炎の原因となる最も頻度が高い細菌です。新型インフルエンザの出現に伴い、インフルエンザや風邪をこじらせて肺炎球菌による細菌性肺炎になるのを防ぐために、今年は肺炎球菌に対するワクチン接種が積極的に行われています。肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP®)は、不活化ワクチンですので、免疫抑制剤や生物学的製剤を使用しているリウマチ患者さんも接種を受けることができます。肺炎球菌ワクチンは大学病院でも接種することができ、その場合の費用は約5,000円です。ただし、世界的な需要の急増に製薬会社の供給が追いつかず、再入荷は10月下旬の見込みでしたが、まだ品切れのままです。入荷しました場合、ご案内しますので、接種を希望される患者さんは主治医まで予めご相談ください。
 
整形外科リウマチ教室のご案内
 整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、予約不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さんやご家族、医療、教育関係者の方々もご参加いただけます。
 11月のリウマチ教室では、澤村義肢製作所の細田整形靴技術者、戸石義肢装具士、小西義肢装具士に、リウマチの足底装具や靴型装具についての講演と、様々な装具の展示会を予定しています。リウマチに限らず、日頃、足の痛みや履き物について悩みをお持ちの患者さんは是非、ご出席下さい。
これからのリウマチ教室の予定 

第1回神戸海星病院リウマチ教室のご案内(再掲)
 この度、関連病院である神戸海星病院整形外科/リウマチ・人工関節センターと、神戸大学整形外科リウマチ診療部門との共催で、より多くのリウマチ患者さんとご家族の皆様に出席頂けますように、複数の講演をまとめて土曜日にリウマチ教室を開催することとなりました。日頃、平日の教室に参加することが困難な皆様も是非ご参加ください。
日時:2009年11月14日(土)午後2時-4時30分 ( 午後1時30分開場 )
会場:神戸海星病院 北棟6階 大会議室 (〒657-0068 神戸市灘区篠原北町3丁目11-15)
演題:「リウマチの薬物療法2009、リウマチ手指の外科的治療、リウマチ体操と運動療法のポイント、
            リウマチから教えて貰ったこと」 詳細は別紙案内をご参照ください。
参加費は無料ですが、定員60名ですので、事前に電話でお申し込みください。
申込先:神戸海星病院 地域医療連携部  電話:078-871-5201

翌月のリウマチだよりはこちら 
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神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)