第40号(2008年3月号[08/3/1発行])
 長く寒い冬がようやく終わりを告げて、春の訪れも、いよいよ目前です。この冬は、厳しい寒さのために、リウマチが悪化してしまった患者さんが多くおられましたので、暖かい春の到来が、本当に待ち遠しい限りです。さて、「三寒四温」という冬の気候を表すことわざがありますが、冬から春の季節の変わり目は、3-4日よりもっと短い周期で、また、一日の内にも昼と夜で、めまぐるしく、気温が変わります。寒暖の差は、風邪などの病気の原因になりますので、気温に応じて、こまめに衣服を調整して頂くとともに、汗をかいてしまったら、すぐに着替えるようにお願いします。また、今年のスギ花粉の飛散は、平年並みと予想されているようですので、毎年、花粉症でお悩みの皆様は、症状が出る前に、かかりつけ医、あるいは、お近くの耳鼻咽喉科かアレルギー科のクリニックで、抗アレルギー薬を処方をして頂くことにより、予防あるいは症状を軽くすることが可能ですので、早めの受診をお勧めします。
散歩をして骨粗鬆症を予防しましょう
 先月号でも取り上げましたが、春の暖かい日差しに誘われて、適度に日光浴と散歩をしていただくことが、骨粗鬆症の予防に繋がります。まず、日光に含まれる紫外線が、皮膚でビタミンDを活性化させて、活性化したビタミンDがカルシウムの吸収を助けてくれます。また、宇宙飛行をして無重力状態でいると、急速に骨が痩せてしまうことは、有名なお話ですが、散歩などの軽い運動をして頂くだけでも、骨への適度な刺激となって骨量の維持に役立ちます。さらに、散歩は、骨だけでなく、下肢や体幹の筋肉を鍛える作用があり、筋力が強くなると、転倒しにくく、また、腰痛も起きにくくなります。もちろん、紫外線への当たり過ぎや、運動のし過ぎには害もありますが、散歩程度では、心配される必要はありません。ただし、春先とはいえ、熱中症の危険は常に伴いますので、帽子や日傘の使用と、十分な水分摂取を忘れずにお願いします。ところで、これまで骨粗鬆症の検査を受けて頂くために、予約して、神戸市医師会医療センター診療所に出向いていただいておりましたが、この度、大学病院の院内で、骨塩定量検査(DEXA)を即日行うことが可能になりましたので、リウマチ患者の皆様には、1年に1回程度、定期的に骨塩定量検査を受けて頂きたく思います。検査をご希望の方は、主治医までお申し出ください。
電子カルテ導入に伴うお願い(再掲)
 神戸大学医学部附属病院では、これまで、検査の依頼、検査結果の参照、薬の処方などのオーダリングにコンピューターが使用されてきましたが、3月1日より、電子カルテが新たに導入されました。電子カルテは、従来、診療のさまざまな情報を紙のカルテに手書きで記載していたのを、コンピューターへの入力に切り替えたものです。もちろん、電子化によるメリットもありますが、医師のコンピューター入力の負担が大きく増加すること、従来のカルテの記載内容が電子カルテには転載されないことため、当面は、紙のカルテと電子カルテの両方を見ながらの診察となることから、診察と入力に要する時間が著しく増加します。通院中の皆様には、診療待ち時間の増加についてご理解頂くとともに、大幅な遅延を防ぐために、診察時間の短縮へのご協力をお願い申し上げます。具体的には、
1.一旦処方した薬の変更や追加、残数調整、また予約日の変更などはお避け下さい。
2.特別の事情がある場合を除き、薬は院外処方箋による処方となります。
3.医師への質問は、予め、メモ書きをしてご持参くださるか、初めに一括してご質問下さい。
4.脱ぎ着しやすい服装でご来院ください。
5.年金等の複雑な書類を依頼当日に作成することはできません。お手数ですが、予約を別途に取って、再度受診して下さい。
診療スタッフも精一杯の努力をしておりますので、皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

整形外科リウマチ教室のご案内
 整形外科では、関節リウマチの皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より、整形外科リウマチ教室を開催しております。教室は、毎月最終木曜日、午後1時から2時に、定期的に開催しております。ただし、事情により、最終週に開催が困難な場合には、第3週目(5週目まである場合は4週目)に変更させて頂きます。また、神緑会館を使用できない場合には、会場が他に変更になります。お手数ですが、最新のリウマチだより、あるいは、大学病院ホームページで、日時と会場をご確認の上、来院いただけますように、お願い致します。
 講演は、予約不要、参加費無料ですので、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる方も、自由にご参加下さい。教室では、療養に役立てて頂くために、関節リウマチの治療法、健康維持法や、保健制度など、様々な話題を取り上げております。参加頂いている皆様は、リウマチ教室を、患者相互や、患者と医療従事者の交流の場として活用されておられますので、初めての方も、安心してご参加ください。
 講演後に、時間が許す限り、個別の療養や治療に関する相談に応じておりますが、診察そのものは、リウマチ教室ではできません。リウマチかどうか分からない場合などは、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、お願いいたします。
 3月のリウマチ教室は、澤村義肢製作所より、戸石義肢装具士、佐野義肢装具士の2名にお来し頂き、リウマチの上肢装具について、講演と装具の展示を行って頂く予定です。4月は、保健学科の柱本照准教授に、関節リウマチの合併症についての講演を行って頂く予定です。是非、ご出席ください。
 なお、 3月のリウマチ教室は、会場が外来診療棟4階第2会議室(地図参照下さい)に変更になっておりますので、ご注意下さい。場所が分からない場合、総合案内あるいは整形外科受付でお尋ねください。

リウマチ外来休診のご案内(再掲)
4月19日から23日まで、日本リウマチ学会が開催されますため、4/23(水)のリウマチ外来は休診となりますので、ご了承下さい。
今年の桜の開花はいつごろでしょうか。ぜひ、お花見を楽しんで下さいね。

翌月のリウマチだよりはこちら 
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神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)