第39号(2008年2月号[08/2/1発行])
 今年の冬は、ここ数年なかった厳しい寒さが続いております。寒さはリウマチの関節痛を悪化させる大きな原因のひとつです。また、インフルエンザや、ノロウイルスやロタウイルスによるウイルス性胃腸炎が、流行しておりますので、免疫抑制剤を治療に使用されている関節リウマチの皆様は、感染症に対する十分な注意が必要です。患者の皆様には、繰り返しお願い致しておりますが、ご家族の皆様も、外出から帰宅された際には、うがいと手洗いをしっかりと行って頂きますように、お願いいたします。
冬を元気に過ごすために2
 昨年12月号の続編ですので、合わせて参考にしてください。 
1.低温火傷に注意しましょう
 使い捨てカイロは、痛む関節や腰などを温めて痛みを楽にするのに便利なものですし、近頃では、表面が粘着テープになっていて、好きな場所に簡単に貼ることができるようになっています。一方で、長時間カイロを皮膚に密着させることにより、いつの間にか低温火傷を負ってしまうことがあります。関節リウマチの皆様は、一旦火傷を負ってしまいますと、感染症を合併したり、皮膚潰瘍になってしまったりする恐れがあります。くれぐれも、皮膚に直接当てずに、衣服の上から使用すること、また、長時間、同一部位に当てたままにしないこと、特に、夜間、腰などに貼ったまま寝てしまわないようにお願いします。
2.日光に当たりましょう
 冬といっても、天気の良い日もありますので、晴れて暖かい日には、外に出て日光浴をしましょう。日光に含まれる紫外線は、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの皮膚での活性化を促進する働きがあります。もちろん、紫外線に当たり過ぎると害もありますが、冬場の散歩程度では、あまり心配される必要はありません。
3.予備の薬をご用意下さい
 冬の時期、雪などの悪天候で、予約された外来受診日に通院できない事態が生じる場合がありますので、受診できなくても、次回の外来診療日まで、薬が切れることがないように、1週間分程度の予備の薬をお持ち頂くようにお願いします。また、予備の薬は、新しい薬を貰われる度に、毎回入れ換えて頂き、いつ、貰われたか分からない古い薬を保存しないようにお願いします。もし、予備の薬をお持ちでない場合は、次回受診の際に、担当医に処方を依頼して頂くようにお願いします。
電子カルテ導入に伴うお願い
 神戸大学医学部附属病院では、これまで、検査の依頼、検査結果の参照、薬の処方などのオーダリングにコンピューターが使用されてきましたが、3月1日より、電子カルテの導入が予定されています。電子カルテは、従来、診療のさまざまな情報を紙のカルテに手書きで記載していたのを、コンピューターへの入力に切り替えるものです。もちろん、電子化による様々なメリットもありますが、医師の入力の負担が大きく増加すること、新システムに習熟するのに時間を要すること、従来のカルテの記載内容が電子カルテには反映されないことため、当面は、紙のカルテと電子カルテの両方を見ながらの診察となることから、診察の大幅な遅延が予想されます。そのため、通院中の皆様に、診療待ち時間の増加についてのご理解と、診察時間の短縮へのご協力をお願い申し上げます。具体的には、一旦処方した薬の変更や追加、予約日の変更などはお避け下さい。医師への質問事項は、予め、メモ書きをしてご持参ください。また、年金等の書類の作成には、通常の診察と別途に予約を取って下さい。できるだけスムーズに電子カルテに移行できるように、診療スタッフも努力しておりますので、皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

整形外科リウマチ教室のご案内
 整形外科では、関節リウマチの皆様とご家族の方々に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より、整形外科リウマチ教室を開催しております。教室は、毎月最終木曜日、午後1時から2時に、定期的に開催しております。ただし、事情により、最終週に開催が困難な場合には、第3週目(5週目まである場合は4週目)に変更させて頂きます。また、神緑会館を使用できない場合には、会場が、病棟5階カンファレンス室等に変更になります。お手数ですが、最新のリウマチだより、あるいは、大学病院ホームページで、日時と会場をご確認の上、来院いただけますように、お願い致します。講演は、予約不要、参加費無料ですので、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる方も、ご自由にご参加下さい。教室では、療養に役立てて頂くために、関節リウマチの治療法、健康維持法や、保健制度など、様々な話題を取り上げております。参加頂いている皆様は、リウマチ教室を、患者相互や、患者と医療従事者の交流の場として活用されておられますので、初めての方も、安心してご参加ください。講演後に、懇談の時間を設けております。
 2月21日のリウマチ教室は、大学院生の内村千秋女史に、昨年秋にボストンで開催されたアメリカリウマチ学会への参加報告と、皆様にご協力頂いている、研究用の採血がどのように役立てられているかなど、関節リウマチと全身性エリテマトーデスの研究について講演して頂く予定です。3月27日は、澤村義肢製作所より、戸石義肢装具士、佐野義肢装具士の2名にお来し頂き、リウマチの上肢装具について、講演と装具の展示を行って頂く予定です。4月17日は、保健学科の柱本照准教授に、関節リウマチの合併症についての講演を行って頂く予定です。是非、ご出席ください。
リウマチ外来休診のご案内
3/2-5に米国整形外科研究学会が開催されますため、3/5(水)のリウマチ外来と、3/6(木)の生物製剤外来は休診となりますので、ご了承下さい。
4/19-23に日本リウマチ学会が開催されますため、4/23(水)のリウマチ外来は休診となりますので、ご了承下さい。
それでは、皆様、風邪をひかないように、暖かくしてご自愛くださいませ。

翌月のリウマチだよりはこちら 
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神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)