第35号(2007年10月号[07/10/1発行])
臨床実習へのご協力ありがとうございました
 本年も、大学の夏休み期間中に実施しました、リウマチ外来での臨床実習に、ご協力いただきました多くの患者様に、深くお礼申し上げます。大学病院では、通常の診療以外に、医学研究と、医療系学生の教育を行っております。診療の現場に参加して、リウマチ患者様と直に接することは、将来の医療スタッフを目指す学生にとって、大変貴重な経験となっています。
 さて、今年も、実習に参加した学生から、感想が寄せられましたので、一部を紹介させて頂きます。
「自分の不勉強を実感させられましたが、これからに向けて気持ちを新たにすることができたと思います。患者さんには、診察に同席させて頂いたこと、快く手足を見せていただいたこと、触らせていただいたことに本当に感謝の気持ちで一杯です。(中略)定期的に病院に通う労力、多くの薬を忘れないように飲む労力、そしてなにより痛み(病気)と向き合う労力・・・様々なご苦労を持ちながらも、自分の生活を組み立ててらっしゃるのだなあと思いました。特に仕事をしていらっしゃる患者さんは、勤務上多少の配慮はしてもらえても、どうしても無理をすることも多くなると思います。周囲の理解を得ることも簡単なことではありません。私自身働いていたとき、病気を持つ同僚に対してあまり理解がなかったことを反省しています。」
「教科書や授業では分からないリウマチ治療の奥深さを知り、患者さんの生の声を聞くことができてとても勉強になりました。(中略)リウマチの状態は外から見ただけでは分からないということも実感しました。関節が変形・拘縮したり、脱臼までしていてすごく痛そうなのに痛くなかったり、手の変形が無く一見リウマチ患者さんには見えないけれどもリウマチの痛みを抱えていらっしゃる方もいたりと、本当に人それぞれ症状が違いました。10代から70代まで年齢も幅広く、それぞれの年代に特有の生活の不便さや問題を抱えてらっしゃるのだろうと思いました。リウマチの症状のコントロールや治療には、家族の方の理解と協力も大切だということもつくづく感じました。(中略)本当にいろんな患者さんがいらっしゃいましたが、薬のことや病気のことをきちんと勉強して、リウマチとうまくつきあおうとしている患者さんがほとんどでした。」
「机上の勉強だけではすっと頭に入ってこないことも多くあります。(中略)見学して、本当にたくさんのことを学ぶことができました。(中略)今回初めて整形外科外来というところに入り、内科とは全く異なる治療法、フォローアップ、患者さんの抱えている悩み、またそれに対する対応の仕方があるということを知りました。(中略)実際に患者さんに触れ合えたことはとても貴重な経験となりました。」
「学生生活の上でも、また私が将来(中略)働く上でも、二度とない貴重な体験をしました。(中略)患者さんがどのような痛みをどれくらい訴え、どのような症状があらわれ、生活にどれくらい支障をきたしているのかなどは、あまり気にもとめていませんでした。しかし、実際に患者さんに接して、話を聞くと教科書には書かれていない、リウマチに対する痛み、苦しみ、不安を(中略)実感しました。」
 学生は、今回の経験をきっかけとして、より一層、勉学に励むことと思います。お手数をお掛けしますが、これからも、学生教育へのご理解とご協力を賜りますように、よろしくお願い申し上げます。

研究用採血へのご協力のお願い
 大学院医学系研究科では、関節リウマチの病気の原因を解明したり、新しい検査法を開発するための、様々な研究を行っております。大学病院の倫理委員会の承認を得た上で、リウマチ患者様の血液を、少量ですが、研究に使用させて頂きたく思います。そのため、研究への患者様のご協力が不可欠ですので、ご助力いただけましたら、大変ありがたく存じます。ご協力頂ける患者様には、事前にご説明して同意を頂いた上で、通常の検査用採血を行う際に、採血管1本分を余分に採血させて頂いております。これまでにご協力頂きました患者様に、御礼申し上げますとともに、今後、協力しても良いとお考えの患者様は、主治医まで、お知らせ頂けましたら、幸いです。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
骨粗鬆症治療薬の1週間製剤について
 骨粗鬆症治療薬の1週間製剤であるアレンドロネート(ボナロン®/フォサマック®)35mg錠が、10月1日から、新薬に対する2週間分までという処方制限が解除されて、長期の処方が可能になりました。また、リセドロネート(ベネット®/アクトネル®)の1週間製剤である17.5mg錠が、新たに発売になりました(ただし、来年の6月末までは、処方は2週間分までに制限されます)。これらのビスフォスフォネート製剤は、起床時にコップ1杯の水と一緒に内服して、その後30分間は、食事をしたり、横になってはいけないのですが、1週間製剤では、薬の量が従来の7倍になっていて、これまで、毎朝の内服が必要だったのが、週1回だけで済みます。現在、ビスフォスフォネート製剤を内服されていて、1週間製剤への切り替えをご希望の患者様は、主治医までご相談ください。
整形外科リウマチ教室のご案内
 毎月、多くの患者様やご家族の皆様に、患者教室にご出席頂き、スタッフ一同、感謝いたしております。整形外科リウマチ教室は、毎月最終木曜日、午後1時から2時に、定期的に開催しております。講演の後、個別相談の時間も設けております。予約不要、参加費無料ですので、当院に通院中以外の患者様や、ご家族の皆様もお気軽にご参加下さい。教室は、療養に役立てて頂くために、リウマチに直接関連するテーマだけではなく、リウマチ患者様の健康維持に関する様々な話題を取り上げております。さらに、患者様同士、患者様とご家族と医療従事者の交流を目的としておりますので、参加された皆様には、交流の機会としても、活用いただけますように、ご協力をお願い申し上げます。
 さて、10月は、福原杏子看護師から、生物学的製剤のひとつであるエンブレル®を、患者様自身がご自宅で注射できるように、在宅自己注射指導を行っている外来看護相談室の様々な活動について、講演して頂く予定ですので、自己注射を不安に思っておられる患者様は、是非、ご参加下さい。
 11月は、澤村義肢製作所の中村慎義肢装具士に、リウマチ患者様の足の悩みに対処するために、様々に工夫された整形靴と足底装具について、講演して頂く予定です。ふるってご参加下さい。
(以前のリウマチだよりに、11/25と誤って記載されておりましたが、正しくは11/29ですので、お詫びして訂正させて頂きます)

いよいよ秋本番です。スポーツの秋ということで、なにか、体を動かすことを始めてみませんか。

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