RA letter 2209

第214号(2022年9月号[22/9/1発行])

新型コロナウイルスワクチンとインフルエンザワクチンについて

　9月に入って、夜の気温が下がって少し過ごしやすくなってきましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。厳しい暑さが続いた夏の疲れがどっと出てくるこの時期、栄養バランスの良い食事、適度な運動と、十分な睡眠を心がけていただき、体調管理に努めて頂きますようにお願いします。

　さて、7月から始まった新型コロナウイルス感染症の流行第7波は未だ収束せず、医療の逼迫が続いています。新型コロナウイルス感染症に対する主要な対策のひとつであるワクチンは、５月25日から、3回目接種を済ました60歳以上、同じく18歳以上60歳未満で基礎疾患を有するなど重症化リスクが高い人、さらに7月22日からは医療従事者と高齢者施設等の従事者を対象に、4回目接種が行われています。4回目接種に使用されているのは、ファイザー社のコミナティ、モデルナ社のスパイクバックスの2種類のmRNAワクチンですが、オミクロン株に対する感染予防効果が低下していることから、オミクロン株BA.1に対応したワクチンと従来型のワクチンの2つの成分からなる二価ワクチンが新たに開発されて、両製薬会社から承認申請がなされており、8月31日の岸田総理大臣の会見では、10月から開始予定のこれらの新しいオミクロン株対応ワクチンの接種開始を前倒しすることが表明されました。しかし、接種対象者や接種間隔などの接種に関わる詳細はまだ発表されていません。流行第7波のまっただ中である今日、現行型であってもワクチンの追加接種を受けることは重症化予防の点で有意義ですので、3回目、4回目接種が未だの接種対象者の方は、ぜひ、速やかな接種をご検討くださいますようにお願いします。

　ところで、日本とは季節が反対となる南半球のオーストラリアで、4月中旬以降に季節性インフルエンザの流行が報告されていることから、この2年間は流行がなかったものの、今年の冬には、インフルエンザの流行が、新型コロナウイルス感染症の流行と同時に起きることが懸念されています。そのため、今年も季節性インフルエンザワクチンの接種が推奨されており、過去2年と同様に、例年より2週間早い10月1日に接種が開始される予定です。

昨シーズンは、季節性インフルエンザワクチンの供給量が5,194万人分と例年よりかなり少なく、供給時期も遅れたことから、接種を希望しても受けられない方が少なくありませんでした。幸い、今シーズンは7,042万人分と過去最大の供給量が見込まれています。

　今シーズンの季節性インフルエンザワクチンは、A/ビクトリア/1/2020(IVR−217)(H1N1)、A/ダーウィン/9/2021(SAN−010)(H3N2)、B/プーケット/3073/2013(山形系統)、B/オーストリア/1359417/2021(BVR−26)(ビクトリア系統)の４つの株から構成されており、昨シーズンと較べて、A/H3N2株とＢ/ビクトリア系統株の2株が変更になっています。

　なお、7月22日から、季節性インフルエンザワクチンのみ、新型コロナウイルスワクチンとの接種間隔の規定がなくなり、同時接種や13日以内の接種が可能になっていることから、両ワクチンの接種タイミングについては心配される必要はありません。季節性インフルエンザワクチンの接種希望の皆様は、10月になりましたら、速やかに接種を受けて頂きますようによろしくお願いします。

　一方、オミクロン株対応の新型コロナウイルスワクチンにつきましては、今後、政府や自治体から発表される情報を確認して、ご対応いただきますようによろしくお願いいたします。

整形外科リウマチ教室のご案内

神戸大学整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中でより良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております（開催週は月により異なりますので予めご確認ください）。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。

9月のリウマチ教室では、毎年恒例となりました音楽療法士の山崎郁子先生による音楽療法を、今年もオンラインで実施します。オンラインでは3回目となる今回は、新しい企画を準備中ですので、ぜひご参加ください。

オンラインでのリウマチ教室は、通常のリウマチ教室への来院が困難な遠方にお住まいの方でも、パソコンあるいはスマートフォンからインターネットへの接続ができれば、当院への通院の有無にかかわらず、どなたでもご参加いただけます。また、Zoomのブレークルーム機能を使用しての個別相談も再開しています。新型コロナウイルス感染症の流行はまだ予断を許さない状況であり、当面の間、オンラインでの開催を続ける予定ですので、自宅からご参加ください。

なお、通常の対面での教室と異なり、セキュリティーを保護してオンライン上のトラブルを防止するために、オンライン教室への参加はウェブでの事前申し込み制とさせていただきます。

オンラインリウマチ教室のスケジュール(2022年9月-2022年12月)

日時：2022年9月29日（木）13:30-14:50（第5木曜日、終了時間が異なります）

演題：「健康と音楽」　

講師：植草学園大学保健医療学部　山崎郁子教授

司会：三浦靖史准教授

参加登録先： https://forms.gle/xYv8mTk7xAfJVoPD6

日時：2022年10月20日（木）13:30-14:30（第3木曜日です）

講師：栄養管理部齋藤沙緒理管理栄養士

演題：「すぐできる！リウマチの食事療法」

司会：三浦靖史准教授

参加登録先：https://forms.gle/V3ds6Ywgxn4UaBX68