第204号(2021年11月号[21/11/1発行])
季節性インフルエンザワクチンの供給状況について
10月半ばから急激に気温が下がって、すっかり秋らしくなりましたが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。9月末に緊急事態宣言ならびに蔓延防止等重点措置が終了した後も、幸いなことに、新型コロナウイルス感染症の第5波は引き続き収まってきています。
しかし、これから寒くなると、新型コロナウイルス感染症の再流行だけでなく、季節性インフルエンザなどの流行が懸念されます。新型コロナウイルスワクチンがまだ承認されていなかった昨シーズン(2020-21年)には、季節性インフルエンザワクチンの接種が強く推奨され、一昨シーズン(2019-20年)には成人の接種量に換算して5,650万人分のワクチンが使用されていたのが、昨シーズンには6,548万人分が使用され、接種を受ける人が大きく増加しました。このように、インフルエンザワクチンの接種を受けた人が増えたことが、感染防止対策の実施とともに、昨シーズンに季節性インフルエンザが流行しなかった要因となったと考えられます。
今シーズン(2021-22年)も、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行の懸念から、季節性インフルエンザワクチンの接種が推奨されており、昨シーズンと同じく10月1日が接種の開始日となっています。しかし、多くの医療機関では開始日にワクチンは届いておらず、その後に届いたワクチンの数も昨シーズンより少ない状況にあります。
厚労省によれば、今シーズンの季節性インフルエンザワクチンの生産量は、製造効率などが特に良かった昨シーズンの生産量(成人量換算で6,684万人分)と比較して、例年並みの5,636万人分と予想されています。さらに、生産量が昨シーズンから、1,000万人分ほど少ないだけでなく、供給も遅れており、11月第1週の時点では、昨シーズンの2/3ほどの量しか供給されていません。
今後12月第3週まで、新たに製造されたワクチンが順次出荷されるとのことですが、そもそも生産量が限られていることから、各医療機関では接種の予約数を絞らざるを得ない状況にあります。このため、毎年、季節性インフルエンザワクチンの接種を受けてきたのに、今シーズンは接種の予約が取れない患者さんが出てきています。そこで、今シーズン未接種の患者さんにおかれましては、近隣の医療機関に、ワクチン接種の可否について早急にお問い合わせ頂き、予約が取れましたら、取れた医療機関で速やかに接種を受けて頂きますようにお願いします。なお、11月初めの時点で、当院にはインフルエンザワクチンの在庫がありますため、ワクチン接種を希望される当外来に通院中の患者さんは、受診時に接種することが可能ですので、主治医までご相談ください。
エンブレル®の電動式自己注射器エンブレルクリックワイズ承認のお知らせ
世界で初めて発売された抗リウマチ生物学的製剤である、完全ヒト型可溶性TNFα/LTαレセプター製剤エタネルセプト(商品名:エンブレル®、製造販売:ファイザー)は、溶解が必要なバイアル製剤から、溶解不要なプレフィルドシリンジ製剤、自動注射器(ペン型製剤)へと剤形を進化させるとともに、補助グリップやアタッチメントなど、自己注射をより簡単に実施できるように、様々な改良が続けられてきました。この度、電動式自己注射器エンブレルクリックワイズと専用のカートリッジが8月に承認されました。発売が決まりましたら、追って詳細をお伝えさせて頂きます。
リウマチ教室のご案内(オンラインで開催しています)
神戸大学整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中でより良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております(開催週は月により異なりますので予めご確認ください)。関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるように心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
さて、昨年3〜5月のリウマチ教室は新型コロナウイルス感染症の流行防止のため開催を中止させていただきましたが、6月から会議システム(Zoom)を用いてオンラインに変更してリウマチ教室を開催しています。さらに9月からはZoomのブレークルーム機能を使用して個別相談も再開しています。当面の間、オンラインでの開催を続ける見込みですので、自宅からご参加ください。11月のリウマチ教室では、三浦准教授から寒い冬を元気に過ごすリウマチ療養のポイントについてお話させて頂きますので、ぜひご参加ください。
オンラインでのリウマチ教室は、通常のリウマチ教室への来院が困難な遠方にお住まいの方でも、パソコンあるいはスマートフォンからインターネットへの接続ができればご参加いただけます。参加は無料ですが、通信にかかる費用は参加者負担となりますので、ご自宅等の通信容量に制限のないインターネット環境からの参加をお勧めします。
なお、通常の対面での教室と異なり、セキュリティーを保護してオンライン上のトラブルを防止するために、オンライン教室への参加はメールでの事前申し込み制とさせていただきます。
神戸大学整形外科リウマチ教室(オンライン開催)
日時:2021年11月18日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
演題:「冬を元気に過ごすために」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
12月は年末のため、リウマチ教室はお休みです
日時:2022年1月20日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
演題:「リウマチ治療:今年の展望」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
参加申し込みはこちら
日時:2022年2月17日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
演題:「若いリウマチ患者さんに向けて:妊娠などのライフイベントへの対応」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
参加申し込みはこちら
日時:2022年3月17日(木)13:30-14:30(第3木曜日です)
演題:「関節リウマチと変形性関節症に対する人工関節置換術について」
講師・司会:三浦 靖史 准教授
参加申し込みはこちら
オンラインリウマチ教室参加申し込み方法
開催前日の17:00までに、グーグルフォーム(上記の「参加申し込みはこちらから」をクリックしてください)から参加登録いただきますようにお願いします。
前日の申し込み締め切り後に、Zoomでの参加に必要なリンク、会議IDとパスワードをお送りします。携帯アドレスをご利用の場合、こちらからの返信を受信できない場合がありますので、PC用のアドレスを登録ください。
皆様のご参加をお待ちしております。
開始時間までにZoomのアプリを予めインストールいただけますとスムーズに参加いただけます。
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-3神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2021.11.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用
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