第130号(2015年9月号[15/9/1発行])
秋が来ました!
 お盆を過ぎてからはさすがの猛暑も勢いを納めたのか、特に朝夕は涼しくなって過ごしやすい気候となりました。気がつけば賑やかだったミンミンゼミの鳴き声はすっかりツクツクボウシに取って代わられ、間もなくコオロギやスズムシたちの音も聞こえてきそうで、ほっと一息つかれている患者さんも多いことと思います。さて、夏の暑さだけでなく、旅行、ご家族の里帰りや、お孫さんの世話などで、夏の疲れがすっかり溜まってしまったこの時期は、気候が良いからといって無理をされることなく、まずは、体調の回復に務めていただきますようにお願いします。
発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金制度について
 障害者手帳をもたない難病や発達障害のある人を新たに雇い入れる事業主に対して2年間で最大120万円の助成金が支給される発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金制度が始まりました。「関節リウマチ」はこの制度の対象疾患となっていますので、障害者手帳を持たないリウマチ患者さんの就労環境が今後改善していくことを期待したいと思います。なお、障害者手帳を持っている場合やすでに就労している場合、また、患者さん個人は助成の対象とはなりませんのでご注意ください。

防災への備えは大丈夫ですか?
 今年は早くから台風が発生して県内にも被害をもたらしています。7月中旬には台風による大雨のため鉄道が長時間に渡って運行停止になるなど、予想外の事態が生じました。関節リウマチに限らず、高血圧症や糖尿病などの持病があって薬を使用している患者さんは、悪天候で予約日に受診できない場合や避難が必要な場合に備えて、少なくとも1週間分の予備の薬を手元に持っておいていただきますようにお願いします。また、予備の薬は常に最新の薬と入れ替えて頂き、古い薬がそのままにならないようにしてください。万一、避難命令や勧告が出された場合にすぐに避難できるように、避難場所の確認と防災用品の準備も、ご家族と一緒にしておきましょう。なお、津波のような緊急時には、避難を最優先してください。

歯医者さんに行こう!
 皆様、6ヶ月ごとにかかりつけ歯科を受診しておられますか。当科では春と秋の年2回、かかりつけ歯科での定期検診を受けることを皆様にお奨めしています。定期健診により、虫歯や詰め物の破損などを自分で気づく前に治療して貰えるだけでなく、歯石除去を受けることによって、口腔内環境を改善して虫歯や歯周病になりにくくすることができます。また、非ステロイド系消炎鎮痛剤を内服中のリウマチ患者さんは、虫歯の痛みに鈍くなってしまうため、歯の痛みを感じるようになったときには、抜歯しなければならないほど悪化してしまっている場合もあります。さらに、シェーグレン症候群を合併して唾液の分泌が減少している患者さんは、虫歯や歯周病のリスクが高いため、特に注意が必要です。

新規抗リウマチ薬Peficitinibの治験に関するご案内
 抗リウマチ薬として国内外で開発が進められている新規JAK阻害薬Peficitinib(ASP015K)のJ3、J4の二つの第3相試験を、整形外科と膠原病リウマチ内科の両科で昨年秋より実施しています。また、この10月から、これらの治験を終了された患者さんで一定の条件を満たす場合に、治験薬が承認されるまで継続的に治験薬を使用いただける長期継続投与試験を開始いたします。新しい抗リウマチ薬を世に出すためには、患者さんにご参加いただく治験の実施が欠かせません。引き続き、本治験にご参加頂ける患者さんを募集しておりますので、治験に興味をお持ちの患者さんは、主治医までぜひ、ご相談いただきますようによろしくお願いします。

整形外科リウマチ教室のご案内
 整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
 関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
 講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。また、教室では、診察そのものはできませんので、リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、診療をご希望の場合には、整形外科のリウマチ外来を、現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
 さて、9月の教室では、毎年恒例となりました国際医療福祉大学大学院の山崎先生による音楽療法を実施する予定です。皆様のご参加をスタッフ一同、心からお待ちしております。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2015年9月-2015年12月)
日時:2015年9月24日(木)午後1時-2時10分(時間が異なります)
会場:神緑会館1階多目的ホール ♫ ♬  ♪
演題:「健康と音楽」 
講師:国際医療福祉大学大学院 山崎 郁子 特任教授、外来看護スタッフ、保健学科学生他
司会:三浦 靖史 准教授
*音楽療法の前後に簡単な調査を実施しますので、ご協力よろしくお願いいたします。

日時:2015年10月29日(木)午後1時-2時 会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「おくすりの疑問」  
講師:薬剤部 國光 葉子 薬剤師
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2015年11月26日(木)午後1時-2時 会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「冬を元気に過ごすために」 
講師・司会:三浦 靖史 准教授

12月は年末につきリウマチ教室はお休みです

神戸市難病団体連絡協議会・医療講演会・相談会のご案内
日時:2015年12月6日(日)午後1時-3時
会場:神戸市勤労会館 3階 307号室 (神戸市中央区雲井通5丁目1-2) 三ノ宮駅から徒歩
講演テーマ:「リウマチ治療に関わる最新トピックス」(詳細は来月号でお知らせ予定です)
講師:澤村義肢製作所 岡田佳奈義肢装具士、三浦靖史 准教授
神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ

 スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、それぞれの秋をお楽しみください。

リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2015.9.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用

リウマチだよりのリストに戻る
翌月のリウマチだよりはこちら http://www.hosp.kobe-u.ac.jp/consultation/chalkface.htmlriumachidayori.htmlRA_letter_1510.htmlshapeimage_1_link_0shapeimage_1_link_1shapeimage_1_link_2

神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)