第122号(2015年1月号[15/1/1発行]))
謹賀新年

 関節リウマチの治療に免疫抑制剤と生物学的製剤が用いられるようになった今日、発症早期から適切な治療を受けていただくことにより、
関節リウマチがあっても病気のない方とほとんど変わりのない
普通の生活を過ごしていただくことが可能になっています。
 しかし、薬はすでに生じてしまった身体の障がいには効果がありませんし、合併症、副作用、そして高額な薬価など、リウマチの治療には
多くの課題がまだ残っています。
 関節リウマチが発症する仕組みが明らかになって根治療法が開発
され、治癒が得られるその日まで、患者さんとご家族、医療者が力を
合わせて、療養に務めてまいりましょう。
それでは、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

神戸大学整形外科リウマチ診療グループ・外来診療スタッフ一同

新たな難病医療費助成制度が始まりました
 昨年5月に成立した「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」に基づいて、本年1月から医療費助成の対象となった指定難病の第一次実施分110疾患のうち、従来の特定疾患治療研究事業対象疾患(56疾患)に含まれている「悪性関節リウマチ(一定の診断基準を満たす血管炎を合併した関節リウマチ)」や、関節リウマチ以外の「膠原病」につきましては、昨秋に助成継続の手続きを完了いただいたことと思います。一方、新規に追加になった「成人スチル病」や「シェーグレン症候群」などの54疾患につきましては、昨年12月中旬になってようやく指定医療機関と難病指定医名簿が公表され、申請書類の配布が開始されましたが、本年1月1日からの助成対象となるためには、必要書類のうち「特定医療費支給認定申請書(新規)」を12月26日までに役所の窓口に提出する必要があるという、極めて余裕のないスケジュールになっていました。そのため、期限内に申請できなかった患者さんがおられるのではないかと危惧しております。また、申請書を期限内に提出した上で「新規用臨床調査個人票(診断書)」を2月27日までに提出する必要があります。なお、新しい制度では、症状が重症度分類等で一定以上に該当した場合のみが助成の対象となりますが、該当しない場合でも、高額な医療を継続することが必要な患者さんについては対象となります。助成制度の詳細につきましては厚生労働省や兵庫県のホームページを参照いただきますとともに、対象となるかどうかにつきましては主治医までご相談ください。

新規抗リウマチ薬の治験に関するご案内(再掲)
 国内外で開発が進められている新規の抗リウマチ分子標的薬(JAK阻害薬)の第3相試験を、昨年9月より開始しております。すでに治験に参加いただいている皆様、また、治験について問い合わせを頂いた患者さんならびに医療関係者の皆様、ご協力誠にありがとうございます。今回の治験は2つの異なった試験から構成されており、募集枠にはまだ空きがあります。治験薬に関する詳しい資料を用意しておりますので、治験に関心をお持ちの皆様には、主治医まで是非、ご相談いただけますようにお願い申し上げます。

整形外科リウマチ教室のご案内
 整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
 関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
 講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。また、教室では、診察そのものはできませんので、リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、診療をご希望の場合には、整形外科のリウマチ外来を、現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
 さて、年始1月の教室では三浦准教授から、年頭に際してリウマチ治療の動向に関する講演を行う予定としております。大変寒い時期ですが、皆様のご参加をスタッフ一同、心からお待ちしております。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2015年1月-2015年6月)
12月は年末につきリウマチ教室はお休みです。
 
日時:2015年1月29日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「リウマチ治療:今年の展望」
講師・司会:三浦 靖史 准教授

日時:2015年2月26日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「若いリウマチ患者さんへ:就職や妊娠、育児について」 
講師・司会:三浦 靖史 准教授

日時:2015年3月19日(木)午後1時-2時(第3週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「リウマチの手術と人工関節置換術」
講師・司会:三浦 靖史 准教授

日時:2015年4月30日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「靴型装具について」  
講師:澤村義肢製作所 岡田 佳奈 義肢装具士
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2015年5月21日(木)午後1時-2時
会場:外来診療棟4階第2会議室(会場が異なります)
演題:「リウマチとお口の管理の必要性」
講師:歯科口腔外科・医療技術部 歯科部門 西井 美佳 歯科衛生士  
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2015年6月25日(木)午後1時-2時 会場:神緑会館1階多目的ホール

神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ

それでは本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2015.1.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用

翌月のリウマチだよりはこちら 
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