第117号(2014年8月号[14/8/1発行])
暑中お見舞い申し上げます
 冷夏という事前の予想は大きく外れ、連日、うだるような暑さが続いております。日中外出すると、あまりの暑さと日差しの強さに、一瞬、目眩を感じるほどの今日この頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。さて、土用の丑も庶民の口には入りにくくなりつつあるこの夏、早くも夏ばてという方も少なくないと思います。くれぐれも体調を崩して寝込んでしまわれないように、体調管理に努めて頂きますようにお願いします。

熱中症対策は万全ですか?
 気温が急に上昇した7月は、記録的に多くの熱中症の患者さんが病院に救急搬送されたことがニュースになっていました。この猛暑では8月も熱中症の発生リスクは高いままだと思われます。近年では、熱中症に対する関心が高くなり、各々で熱中症対策をすでに実施されていることと思いますが、多少涼しくなってもくれぐれも油断されることなく、対策を続けていただきますようにお願いします。
(1)熱中症は日中に屋外で生じるだけではなく、近年の地球温暖化により、夜間や屋内における発症も増えています。そのため、夜だから、屋内だから、暑さを感じないからなどの理由で大丈夫と思って安心されず、特に、一晩中気温があまり下がらない熱帯夜におきましては、夜間でも十分に対策を行って下さい。
(2)熱中症の予防には水分補給が必須ですが、のどが渇く前に、また、暑さを感じる前から定期的に、経口補水液やスポーツ飲料など塩分を含む飲料で、水分を補給してください。
(3)電気代も気になりますが、日中はエアコンを使用して適宜室温を下げてください。エアコンの冷風により関節が冷えて痛むようでしたら、下肢なら膝掛けを、肩ならショールを適宜使用してください。
(4)外出はできるだけ朝夕のなるべく涼しい時間帯にしていただき、日中に外出される場合には帽子をかぶってください。

インフリキシマブバイオ後続品承認について
 厚生労働省は7月に抗リウマチ生物学的製剤(バイオ医薬品)の初めてのバイオ後続品として、インフリキシマブBS点滴静注用100mg「NK」及び「CTH」(インフリキシマブ遺伝子組換え、製造販売:日本化薬・セルトリオン)を承認しました。バイオ医薬品とは、遺伝子組み換えと細胞培養技術を用いて合成した蛋白質の医薬品のことですが、特許切れの後に先発品メーカーと別のメーカーが開発したバイオ医薬品がバイオ後続品です。バイオ後続品はバイオシミラーとも呼ばれますが、英語のシミラーとは「類似した、似ている」との意味で、後発医薬品(ジェネリック医薬品)が先発品と全く同じ有効成分であるのに対して、バイオ医薬品の場合、蛋白質のアミノ酸配列が同じであっても蛋白修飾等の相違により、先発品に似ているものの全く同じ有効成分ではないため、「後続品」と呼んで「後発品」と区別されています。そのため、先発品からの切り替えが積極的に推奨されているジェネリック医薬品と異なり、すでに先発品を使用中の患者さんがバイオ後続品へ切り替えることは基本的に避けるべきだと現時点では考えられています。薬価収載がされましたら、また情報提供をさせていただく予定です。

休診のご案内
 夏季休暇のため、以下の外来を休診させていただきます。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解とご協力をいただけますようによろしくお願い申し上げます。
前田医師:	9月10日(水)	代診:三浦准教授
三浦准教授:	9月17日(水)	代診:前田医師   9月18日(木) 代診:なし

整形外科リウマチ教室のご案内
 整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
 関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
 講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。また、教室では、診察そのものはできませんので、リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、診療をご希望の場合には、整形外科のリウマチ外来を、現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
 さて、8月の教室では小林副看護師長を中心としたスタッフ及び学生による、リウマチ患者さんと家族のおしゃべり会を開催する予定です。皆様のご参加をスタッフ一同、心からお待ちしております。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2014年8月-2014年11月)
日時:2014年8月28日(木) 午後1時-2時30分(時間が異なります)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「リウマチ患者さんと家族のおしゃべり会」
講師:整形外科外来 小林 久美子 副看護師長及び看護部スタッフ  
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2014年9月25日(木)午後1時-2時10分(時間が異なります)
会場:神緑会館1階多目的ホール ♫ ♬
演題:「健康と音楽」 
講師:国際医療福祉大学大学院 山崎 郁子 特任教授 ♪ ♫ 
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2014年10月30日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「お薬を上手に使うには?」
講師:薬剤部 小倉 史愛 薬剤師
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2014年11月27日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「冬が来る前に」 
講師・司会:三浦 靖史 准教授
神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ

猛暑につき、皆様、くれぐれもご自愛くださいますようにお願いします。
リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2014.8.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用

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