第112号(2014年3月号[14/3/1発行])
平成26年度診療報酬改定について
 4月から実施される診療報酬改定で、リウマチ治療薬に関わる変更があり、いずれも患者さんの治療費の負担軽減に繋がりますので、現時点で判明している範囲で案内させて頂きます。
抗TNFα抗体製剤の薬価が下がります
 薬価の見直し方法のひとつに「市場拡大再算定」があり、用法用量などの使用方法の変化や、効能(対象疾患)の追加などがあって使用量が増大した医薬品は、使用実態などに合わせて薬価が見直されます。原則、年間販売額が150億円以上で、薬価収載時の予想販売額から2倍以上となった薬が対象となりますが、同時にその薬と類似した競合製品(薬理作用類似薬)も再算定されます。
 今回、インフリキシマブ(レミケード®)が市場拡大再算定の対象となりました。そのため、類似薬として同じく抗TNFα抗体製剤である、アダリムマブ(ヒュミラ®)、ゴリムマブ(シンポニー®)、セルトリズマブペゴル(シムジア®)も再算定されます。引き下げ率は今月中に発表されますが、薬価が高いため、率が大きくなくても一定の負担軽減が期待されます。改定された薬価については次号でお知らせします。
在宅自己注射指導管理料が下がります
 自己注射が認められている抗リウマチ生物学的製剤である、エタネルセプト(エンブレル®)、アダリムマブ(ヒュミラ®)、セルトリズマブペゴル(シムジア®)、トシリズマブ(アクテムラ®皮下注)、アバタセプト(オレンシア®皮下注)や、骨粗鬆症治療薬テリパラチド(フォルテオ®)を使用して自己注射を実施している場合、これまで、820点の在宅自己注射指導管理料が月1回算定されていましたが、今回の改訂では注射の頻度に応じて、月3回以下なら100点(ヒュミラ®やアクテムラ®皮下注)、月4回以上なら190点(エンブレル®やオレンシア®皮下注)、月8回以上なら290点(エンブレル®)と、新たに導入した際に導入初期加算として、3ヶ月間、500点が月1回のみ別途計上されますが、生物学的製剤の管理料はいずれも大きく減額になります。ただし、月28日以上(フォルテオ®)の場合は現在とほぼ同じ810点です。

処方日数制限解除のお知らせ
 新薬は、通常、発売後1年間は処方日数が14日間に制限されていますが、以下のリウマチ治療に関わる薬は発売後1年が経過したため、今月1日から制限が解除されて長期処方が可能になりました。
リセドロネート月1回製剤(ベネット®/アクトネル®錠75㎎)
 骨粗鬆症の治療薬で、月1回内服すれば良いリセドロネート(ベネット®/アクトネル®)のマンスリー製剤(75㎎錠)の処方日数制限が解除され、長期投与が可能となりました。ディリー製剤(2.5㎎錠)やウィークリー製剤(17.5mg錠)からの変更をご希望の患者さんは主治医までご相談ください。
セルトリツマブペゴル(シムジア®皮下注200mgシリンジ)
 抗リウマチ生物学的製剤であるセルトリツマブペゴル(シムジア®) の処方日数制限も解除されて長期投与が可能となり、在宅自己注射が実質的にできるようになりました。なお、シムジア®は大学病院では当初患者さんを限定しての採用でしたが、現在では院外処方薬として正式に採用されています。

休診のご案内
 以下の外来を、学会出席のために休診させていただきます。ご迷惑をお掛けしますが、ご理解とご協力をいただけますようによろしくお願い申し上げます。
3月19日(水) 	前田医師  整形外科研究学会(ORS)のため                        代診:三浦准教授
4月2日 (水) 	前田医師  アジア太平洋リウマチ学会議(APLAR)のため     代診:三浦准教授
4月24日(木)	三浦准教授 日本リウマチ学会のため	                                 代診:なし
5月22日(木) 	三浦准教授 日本整形外科学会のため                                  代診:なし
整形外科リウマチ教室のご案内
 整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者も参加いただけます。
 関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。
 講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、希望される皆様とお話できますように、お一人当たりの相談時間はある程度で限らせていただいておりますので、質問を予め準備しておいていただけますように、ご協力のほどよろしくお願いします。また、教室では、診察そのものはできませんので、リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、診療をご希望の場合には、整形外科のリウマチ外来を、現在の主治医またはかかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
 さて、3月の教室では三浦准教授から、股関節や膝関節の人工関節置換術に関する講演を行う予定としております。皆様のご参加をスタッフ一同、心からお待ちしております。
整形外科リウマチ教室のスケジュール(2014年3月-2014年7月)
日時:2014年4月17日(木)午後1時-2時(第3週です) 
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「関節リウマチと装具」
講師:澤村義肢製作所 岡田 佳奈 義肢装具士  
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2014年5月29日(木)午後1時-2時
会場:外来診療棟4階第2会議室(会場が異なります)
演題:「リウマチとお口の管理の必要性」 
講師:歯科口腔外科・医療技術部 歯科部門 西井 美佳 歯科衛生士  
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2014年6月26日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「健康づくりのための身体活動と運動」
講師:リハビリテーション部 井上 順一朗 理学療法士  
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2014年7月31日(木)午後1時-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「今日からできる! 食生活のワンポイントアドバイス」 
講師:栄養管理部 山西 美沙 管理栄養士  
司会:三浦 靖史 准教授

神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ

春の訪れももう目前ですが、季節の変わり目につきくれぐれも体調を崩されないようにご自愛ください。

リウマチだよりやリウマチ教室に対するご意見ご要望は、お手紙で外来受付スタッフにお渡し頂くか、郵便、または、ホームページより電子メールでご送付下さい。
連絡先:〒650-0017神戸市中央区楠町7丁目5-2神戸大学整形外科リウマチ診療グループ宛
発行:神戸大学整形外科リウマチ診療グループ© 発行日:2014.3.1. 文責:三浦 靖史 禁無断転載・引用

翌月のリウマチだよりはこちら 
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神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)