第75号(2011年2月号[11/2/1発行])
 今年の冬は例年より厳しく、日本海側では大雪が続き、太平洋側でも氷が貼るような寒い日が続いておりますが、皆様、体調はいかがでしょうか。寒さはリウマチだけではなく変形性関節症や神経痛による痛みを悪化させますので、くれぐれも暖かくしてお過ごしくださいますようにお願いいたします。

インフルエンザおよび感染性胃腸炎の流行と対策
 寒さが厳しくなってから、インフルエンザや感染性胃腸炎の患者の増加が報告されています。国立感染症研究所感染症情報センターによれば、1月第2週の時点でインフルエンザ患者のうち、AH1pdm(ブタ由来インフルエンザウイルスA/H1N1、いわゆる新型インフルエンザ)が最多で約3/4を占めており、次いでAH3亜型(A香港型)とB型(共に季節性インフルエンザ)の順です。今シーズンのワクチン接種を受けておられても、インフルエンザに罹患する場合がありますので、予防接種を過信することなく、日頃から、手洗いとうがいの励行、バランスの良い栄養摂取、十分な休養と睡眠、人混みの回避、加湿器の使用、マスクの着用など、インフルエンザ・風邪対策を可能な限り実施して頂くようにお願いします。インフルエンザの症状としては、鼻水、咳、くしゃみなどの前触れがはっきりせず、38℃以上の発熱や悪寒が急に出現するのが特徴的ですが、関節痛、筋肉痛、倦怠感、疲労感、頭痛や、いわゆる「かぜ症状」である、咳、鼻汁、くしゃみ、のどの炎症などが先行する場合もありますので、いずれかの症状があれば、風邪だと自己診断することなく、できるだけ早期にかかりつけ医の診察を受けていただくようにお願いします。
 また、インフルエンザ以外に、ノロウイルスやロタウイルスなどによる感染性胃腸炎も流行しています。感染性胃腸炎の原因となるこれらのウイルスの感染力は非常に強いので、家庭や職場などで発生した場合には、嘔吐物や下痢便の処理には特別な配慮が必要ですので、以下の点にご注意ください。
(1)嘔吐物や下痢便の処理前に、処理に際して発生する飛沫を吸引することがないように、処理する人以外は少なくとも3mは遠ざかってください。また、放っておくと感染が広がりますので、早く処理する必要があります。
(2)処理する人が感染しないように、マスクと丈夫な手袋、眼鏡あるいはゴーグルをしっかりと着用した上で、雑巾やタオルなどで嘔吐物や下痢便をしっかりとふき取り、ふき取った雑巾やタオルはビニール袋に入れて密封して捨ててください。
(3)拭き取った後は、塩素系消毒剤(ミルトン®など)、あるいは家庭用漂白剤(ハイター®など)を適切な濃度で(200 ppm以上:家庭用漂白剤の場合は200倍程度)に希釈して、嘔吐物や下痢便のあった場所を中心にして広めに消毒してください。
(4)嘔吐物や下痢便などで汚れた衣類を、そのままの状態で洗濯機を使用して洗うと洗濯槽内にノロウイルスが付着し、他の衣類にもウイルスが付着してしまいますので、マスクと手袋をした上で、バケツやたらいでまず水洗いをしてから、更に塩素系消毒剤(200ppm以上)で消毒してください。
なお、詳細な対応法は国立感染症研究所感染症情報センターのノロウイルスに関するホームページを参照してください。
整形外科リウマチ教室のご案内
 整形外科では、リウマチ患者の皆様とご家族に、関節リウマチについての理解を深めて頂いて、日常生活の中で、より良い療養ができますように、2003年より整形外科リウマチ教室を毎月、開催しております。教室は、事前申し込み不要で参加費無料です。整形外科に通院中の患者さんだけではなく、他の医療機関や診療科で治療を受けておられる患者さん、ご家族や医療関係者の方もご参加いただけます。
 関節リウマチの治療や健康維持に関する話題が中心ですが、それ以外にも様々な話題を取り上げております。気軽に参加できる教室となるようにスタッフ一同、心がけておりますので、初めての方も、安心してご参加ください。皆様の参加を心からお待ちしております。
 講演後に、個別の療養や治療に関する相談の時間を設けております。ご希望の方は、病気の状態が良くわかりますように、できるだけ検査結果やお薬手帳などをご持参ください。ただし、教室では、診察そのものはできません。リウマチかどうかわからない場合は、まずは、お近くの医療機関で診察と検査を受けて頂きますように、また、当科での診療をご希望の場合には、水曜日の整形外科リウマチ外来を、できるだけ、かかりつけ医を通じて初診予約の上、受診していただきますようにお願いいたします。
 さて、2月のリウマチ教室では、整形外科外来の川島副看護師長よりリウマチのケアに関する講演を、3月は三浦准教授より新年度・新学期に向けて若い患者さんにとって大きな課題である就職や妊娠・出産・育児に関する講演を予定しております。皆様、是非ご参加下さい。
2011年2月-6月の整形外科リウマチ教室の予定
日時:2011年2月24日(木) 午後1-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「リウマチのケア」
講師:川島 良子 整形外科外来副看護師長
司会:三浦 靖史 准教授	

日時:2011年3月24日(木) 午後1-2時(第4週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「若いリウマチ患者さんへ:就職と妊娠について」
講師・ 司会:三浦 靖史 准教授

日時:2011年4月21日(木) 午後1-2時(第3週です)
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「リウマチ用装具:上肢装具を中心に」
講師:澤村義肢製作所 村田 恭子 義肢装具士
司会:三浦 靖史 准教授

日時:2011年5月19日(木) 午後1-2時(第3週です) 
会場:外来診療棟4階第2会議室(会場が異なります)
演題:「リウマチの手術」
講師・司会:三浦 靖史 准教授 
日時:2011年6月30日(木) 午後1-2時
会場:神緑会館1階多目的ホール
演題:「リウマチに対する運動の効果:海外における取り組み」
講師:リハビリテーション部 井上 順一朗 理学療法士
司会:三浦 靖史 准教授

神戸大学医学部附属病院での患者教室のお知らせ

第5回神戸海星病院リウマチ教室のご案内
 関連病院である神戸海星病院との共催で、4ヶ月毎に土曜日にリウマチ教室を開催しています。大学病院での平日のリウマチ教室に参加することが困難な皆様は、こちらにご参加ください。
日時:2011年3月26日(土) 午後2時-4時30分 ( 午後1時30分開場 )
会場:神戸海星病院 北棟6階 大会議室 (〒657-0068 神戸市灘区篠原北町3丁目11-15)
演題:
「リウマチのお薬のポイント④ ステロイドについて」  神戸海星病院 薬剤部 濱名 則子 管理薬剤師
「 リウマチの食事のポイント」  神戸海星病院 栄養部 松岡 良平 管理栄養士
「身体の上手な使い方⑤ 足踏みで身体メンテナンス」  神戸海星病院 リハビリテーションセンター 阿部 渉 理学療法士
「 新しい抗リウマチ薬について」 三浦 靖史 准教授
参加費は無料ですが、定員60名ですので、事前に電話でお申し込みください。
申込先:神戸海星病院 地域医療連携部  電話:078-871-5201

翌月のリウマチだよりはこちら 
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神戸大学整形外科リウマチだより(Web版)