学生のみなさんへひとこと:

実験大好きな人は是非、電子相関物理学研究室に来てください。いやと言うほど実験ができます。とくにNMR実験に関しては、本学の中で一番、拘束時間が長く苦しい実験かも知れません。(徹夜は当たり前と思ってください!!計画通りに進まないのが実験です。そこに新発見が隠れているかも知れません。最近は、寄る年波に勝てず体力が落ち、徹夜は厳しいですが、若い頃は、2徹くらいやっていたものです。)勿論、苦労する甲斐があって物理も楽しくなります。基本は物理を楽しいと思うことです。
「おもしろい・おもしろい」と自己暗示をかけてください。そうすれば、きっと本当に面白くなります。世の中にはつまらないように思えることでも、よく考えると面白いことはたくさんあります。
その他、まだまだ、やりたいことはあるのですが、。。。。。。。。
現在の研究テーマ一覧

研究に対するもっとー : 
1.緻密かつ大胆に

  実験では、緻密さは重要ですが、時として大胆であることも重要です。そして、トータルバランスが重要です。
2.とことんこだわれ
  絶対、間違えないと直感に来たら徹底的にこだわること。
3.努力は必ず報われる
  物事はそんなにすんなり進ものではありません。苦しくてもあきらめないことが大事です。かならず、報われます。それが
  早いか遅いかというだけのこと。我慢はとても大事です。
  NMRをやっている学生諸君に:
  信号が見えなくてもあきらめるな! 私はD2のとき数ヶ月間Pt-NMR信号が見えなくて、先生からは
  「このままでは学位は難しいですねと言われ」泣きそうになっていましたが、粘り強くやれば見えるものですね。
  おかげで、学位をいただくことができました。

極低温におけるRF表面インピーダンス測定技術の開発

NMRはRF領域で行われるが、基本的にLC回路を用いている。最近、この回路を応用して、伝導性の良い物質や超伝導体において、RF領域での表面インピーダンス測定ができることを発見した。現在、装置を改良しているところで、今後いろいろな超伝導物質に適用したいと考えている。
関連論文:投稿中、PhysicaB06(印刷中)
重い電子化合物強磁性体YbRhSbの弱強磁性発現機構に関する研究

重い電子化合物YbRhSbは、弱強磁性的舞いを示すことがわかっている。この物質の弱強磁性発現機構を明らかにするためにSb-NQR/NMRによる研究を行っている。これまでの研究から、反強磁性が何らかの原因で、傾いた傾角反強磁性が弱強磁性の原因であると考えられる。
関連論文:準備中
重い電子化合物CeRhSnの非フェルミ流体的挙動に関する微視的研究

準カゴメ格子構造をもつCeRhSnは、低温で非フェルミ流体的挙動を示すことが報告されている。これらのメカニズムを明らかにするために、核磁気緩和率測定を中心に調べている。これまでに、この物質は磁気的な量子臨界点近傍で見られる、反強磁性スピン揺らぎが低温での異常の原因であると考えている。
関連論文:PRB04
ヘキサボライドにおける多極子揺らぎに関する研究

CeB6をはじめとする、ヘキサボライドは多極子秩序を示す物質として精力的に研究されている。我々の研究室でも世良教授を中心とした試料作成・マクロ測定によって、4極子、8極子秩序など、通常の磁性体では見られない奇妙な秩序相が見つかっている。過去に、CeB6においては、瀧川(東大物性研)や、世良・辻らによって、多極子秩序にかんする微視的な実験および解釈が行われ、一応の決着は得ている。とくに、ダイナミックスに関する研究は一切行われておらず、多極子揺らぎが関与したスピンダイナミックスがどのような振る舞いを示すのか興味が持たれる。また、混晶系では、まだ、未知の部分が多い。
関連論文:準備中
重い電子超伝導体UPt3の非ユニタリー超伝導の可能性に関する微視的研究

重い電子超伝導体UPt3は、世界ではじめてスピン3重項超伝導であることが同定された物質である(藤博士論文)。この物質は、超伝導多重相を有し、縮退した超伝導秩序変数が、磁場によって破れ、奇妙な超伝導特性を示すことがわかっている。この物質の超伝導発現機構は、パラマグノンであるといわれていたが様々な研究から、反強磁性揺らぎの重要性も指摘されている。この物質の超伝導機構はまだまだ議論の余地があり、微視的な観点からの研究が望まれている。
関連論文:JPSJ05、PhysicaC04, PhysicaB00, PRL98, PRL96
層状超伝導体MNCl (M=Hf,Zr)の超伝導発現機構に関する研究

層状超伝導体MNClは広大・工学部の山中教授等によって発見された層状高温超伝導体である。この物質の研究は、私が都立大在籍時から行っているが、キャリア密度が低い、電子比熱係数が小さい、電子格子相互作用がよわいなど、通常のBCS超伝導機構では説明できない。我々の研究から、超伝導はMN2次元層でのみ起きていることがわかっているため、準2次元電子超伝導であるといえる。2次元電子系の場合、オーバースクリーニングが起きるため、電荷揺らぎが発生しやすい。この場合、全く新しいタイプの超伝導機構であると考えられ、今後さらなる微視的研究を予定している。
関連論文:PRB05, PRB03, PRL01, PRB01
重い電子超伝導体 UBe13の超伝導対パリティの決定と超伝導発現機構に関する研究

UBe13は、1983年にみつけられた、重い電子超伝導体である。電子比熱係数は1100mJ/moleK2と極めて大きく、また、超伝導転移にともなう比熱のジャンプも同等であることから、重い準粒子が超伝導をになっていることがわかる。この物質は、その特異な低温特性から古くより、スピン3重項超伝導であることが指摘されていた。ところが、良質な試料ができなかったが故に、その決定的な証拠は得られていない。昨年より、日本原子力研究所との共同研究で、純良単結晶試料を用いたNMRによる研究を開始した。これまでにない新しい成果が次々と出ており、今後の展開が楽しみである。とくに、非フェルミ流体的な振る舞いと超伝導の関係に鍵があるのではないかと、現在精力的に研究を進めている。
関連論文:JPSJ投稿中、
スクッテルダイト超伝導体PrOs4Sb12の超伝導と多極子秩序に関する研究

PrOs4Sb12超伝導体は、電子比熱係数が500mJ/moleK2と大きく重い電子超伝導体である。しかしながら、重い電子超伝導体に一般的に見られる近藤効果は見られず、電子の有効質量が重くなる起源がわかっていない。一方で、この系は局在系として扱われ、結晶場分裂が観測される。磁場をかけると、5T以上の強磁場低温で、磁場誘起による反強四重極秩序相が見られる。このように、磁場・温度によって、超伝導から磁場誘起秩序を示すことから、多極子揺らぎを媒介にした超伝導の可能性が指摘されている。また、ラットリングというPrイオンの運動も報告されており、これが超伝導と関係していることを指摘しているグループもあり、超伝導のメカニズム解明までにはほど遠い。最近、我々は、Sb-NQR実験により、16重極子の存在を明らかにした。このことは、多極子自由度が存在することを意味するため、今後の展開が楽しみな系である。今後、強磁場相のNMRを計画している。
関連論文:JPSJ05, PhysicaB04, PhysicaB05

現在、私が興味を持ってテーマは次の通りで、NMRにより決定打を与えたいともくろんでます。超伝導と磁性に関する研究が中心です。基本的には、世良教授
とともに、マクロ測定とミクロ測定のできる学生を育てたいと考えているのですが、私はマクロ実験テクニックに関しては素人ですので、マクロ測定に関しては
世良先生にお任せです。私のミクロ測定に関するテーマをあげると以下のようになります。一部中断している研究がありますが、
「NMR測定はは時間かかるので忍耐か必要なのですが、それでも、是非ともやってみたいというガッツのある学生を募集しています。」 
最近、マクロ実験である、表面インピーダンス測定法を開発したので、ちょっとだけ、マクロ測定もできるようになったかなとおもっています。。