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 アフリカ経済論 (後期, 2011)

◎ 授業のテーマと目標
 過去約 40 年の途上国地域の開発パフォーマンスを比較したとき,サハラ以南のアフリカは開発の遅れは際立っています。冷戦構造が崩壊し,世界経済のグローバライゼーションが進む中,アフリカのいくつかの国はマージナライゼーション (周辺化) のふちに立たされているとも言われているのです。経済状況は一部の国では改善して来ていますが,一方では,域内経済格差の拡大,グローバルな経済危機の影響という新たな問題も生じています。また,いくつかの国では人間開発水準の低下という深刻な事態にも至っています。
 ミレニアム開発目標に代表される,世界の低所得国への開発協力の課題はアフリカの低開発と停滞を如何に打開するかに収斂して来ているといっても言い過ぎではありません。この意味で,今後国際協力に携わる者にとってサハラ以南のアフリカの開発・貧困削減は,避けて通れない課題であると言えるでしょう。
 本授業ではこのような認識の下,次の 3 つを目的とします。
 (1) 低所得途上国経済のかかえる問題の解明に向けての着眼点を習得すること
 (2) サハラ以南のアフリカの経済に関する基礎的な知識を得ること
 (3) 開発援助および国際協力の今日的問題について基本的な理解を獲得すること
 これらの3つを追究することを通じて,受講者がアフリカ諸国はじめ低所得途上国の国民経済と人々の直面する開発の課題について自ら分析し,解決策を見出していくための出発点にこの授業をしていきたいと考えます。

アフリカ経済論講義


◎ 授業の概要と計画
 この授業は基本的にレクチャー形式で実施する
(1)開発とは何か
 0.アフリカとは
 1.学問とは何か
 2.開発,成長,発展とは
 3.開発途上国とは
 4.世界経済の中のアフリカ:ミレニアム開発目標との関連で
(2)貧困のメカニズム ①:マクロ経済学,人口論,複合的悪循環の3つのアプローチ
 1.ヌルクセ型の 「貧困の悪循環」 (マクロ経済学的アプローチ)
 2.「マルサスの罠」 (人口論と収穫の逓減)
 3.生産停滞-環境劣化-人口急増の悪循環 (世界銀行提唱の複合的アプローチ)
 4.低市場化-低投資・投入-低生産の悪循環 (政治経済学的アプローチ)
(3)貧困のメカニズム ②:人口増加のあり方とその影響・食糧生産の停滞
 1.人口転換
 2.少子高齢化と貧困国の人口構造
 3.世界とアフリカにおける食糧生産の状況
(4)貧困のメカニズム ③:環境劣化と人口急増・生産停滞の関係
 1.アフリカにおける環境劣化の状況
 2.生産停滞-環境劣化-人口急増の悪循環を構成する諸連環(ネクサス)
(5)貧困のメカニズム ④:貧困と社会経済制度
 1.生存の論理と共同体の役割
 2.貧困国における国家・政府
 3.市場と市場向け生産の意味
(6)歴史の中における開発途上国とアフリカ
 1.世界史と貧困諸国・アフリカ
 2.アフリカ開発の初期条件
 3.開発途上国と植民地化:その歴史的意味
 4.歴史的要因と現代アフリカの停滞
(7)独立後の経済開発と国家
 1.独立後の経済開発政策の一般的特徴
 2.「アフリカ社会主義」 の問題点
 3.パトロネージ国家の形成
 4.「収奪国家」の理論
(8)グローバル化とアフリカ経済
 1.貿易と開発
 2.比較優位論と一次産品悲観論:新国際経済秩序
 3.国家介入の経済学的分析:輸入代替工業化とその帰結
 4.モノエクスポートの悲劇:アフリカ型オランダ病
(9)経済安定化と構造調整
 1.経済構造調整と開発経済理論
 2.経済構造調整政策の枠組み (その1)-経済安定化
 3.経済構造調整政策の枠組み (その2)-狭義の構造調整
 4.経済構造調整に対する批判と反論
(10)アフリカにおける人間開発・人間の安全保障の状況
 1.人間開発と人間の安全保障
 2.学校教育・知識開発の状況
 3.保健医療とHIV/AIDSなどの感染症の状況
 4.紛争・政治変動と貧困
(11)国際協力とアフリカ
 1.累積債務問題
 2.構造調整レジームから貧困削減レジームへ
 3.貧困削減戦略,セクター・プログラムおよび行財政改革の仕組みについて
 4.日本の国際協力の問題点

◎ 学生へのメッセージ
 開発実務と地域研究に共通するのは,ものごとを1点だけから見ては成功しない,という点でしょう。開発途上国の「現場」における複雑な現実を理解し,そこで何かを実現するためには,複眼的なものの見方,考え方が必要です。
 また,授業の中では,開発経済学の基本的な概念を紹介することで,この面の勉強を深めたい諸君のニーズにもできるかぎり応えたいと思います。

(2011年度シラバスより抜粋)

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 International Development Cooperation (Spring Semester, 2011)

◎ Theme and Objectives
 This course aims at cultivating both basic and advanced knowledge in international cooperation for developing countries, which should play positive roles in development but sometimes hampers it.

International Development Cooperation


◎ Description and Schedule
This course will be conducted basically in the seminar-style.

Chapter 0 Introduction: Social Science and Economic Development Cooperation:
Development and Poverty : their many faces and necessity for multi-disciplinary approach

Chapter 1 Meanings of Development
Development and growth
Development and human beings; entitlement, human capability, and choice
Development and society; capital accumulation, technological innovation, and institutional changes

Chapter 2 Poverty: its Many Faces and Measurement
Absolute poverty and relative poverty
Income poverty and human poverty
How to measure poverty: Income distribution and poverty gaps

Chapter 3 Economic Growth and Development
Economic Growth Models
Growth and Distribution
Roles of Productive Factors

Chapter 4 Structural Changes: Population, Migration, and Rural/Agricultural Development
Demographic transition
Aging society and demographic dividend
Impacts of population growth
Resource shift from agriculture to industry
Dualist labor migration models: Lewis and Todaro
Rural and agricultural development and the Green Revolution

Chapter 5 International Economics and Development
Theory of comparative advantage
The Prebisch-Singer theorem
Exchange rate and resource allocation
International capital markets and debts
Policies on trade and industrialization
Roles of foreign direct investment
Global supply chain

Chapter 6 Nature of Foreign aid
Historical peculiarity of foreign aid
Various modalities of aid
Rationale and motivation for giving aid
Motivation for receiving aid

Chapter 7 Economic Rationale/Roles of Foreign Aid Two gaps: I-S gap and foreign exchange gap
Technological gap
Fiscal gap
Other gaps

Chapter 8 The Role of the Government and the Market
Market failures, public goods, and free-riders
Experiences in economic development in East Asia in comparative contexts: government success?
From the market friendly approach to institutional building
Various aspects of governance issues
Public-private partnership

Chapter 9 Policy Reform Support and Structural Adjustment
Rationales for structural adjustment
Economic stabilization and structural reforms
Its outcome and impacts: Counterrevolution against social development?
Post-adjustment approaches
Transfer and application of experiences of one country/region to the other)such as western or Asian experience to Africa)

Chapter 10 Failures of Aid: Fatigue, Proliferation, and Fungibility
Aid failures and aid fatigue: proliferation and dependency
Aid absorption and effectiveness
Conditionality and selectivity: Dilemma of aid
Rationales for and mechanisms of aid coordination
Aid Dutch disease
Fungibility and aid

Chapter 11 New Approaches of Aid and International Cooperation
Significance of Poverty Reduction Strategy
Tracking, monitoring, and evaluation
General budgetary supports
Public financial management
Relations between foreign aid and other types of international cooperation

Chapter 12 Global Issues and International Development Cooperation
Environment and development
Economic globalization: historical perspectives
Impacts of globalization and collective action
Roles of emerging donors

◎ Message
 I would like to make classes as vibrant as possible. Those students who are not confident in conversational ability, however, are welcome. I try best to give them maximum opportuities to express their opinions.

(extracted from 2011 syllabus)

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 開発運営論演習(修士M1)

 M1に対して前期・後期を通して週一回の割で午前中に行われます。


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 特殊研究・ワークショップ(修士M2、博士後期)

 修士M2と博士後期の学生が、それぞれの研究課題について発表し議論を闘わせるゼミです。


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 海外実習

 海外実習は学生の教育研究に資する調査や研究活動で、国際協力研究科の教員の指導と監督の下、一定期間海外において実施されます。高橋教授の海外実習は、通常夏期休業中の8、9月の約2週間ほど東アフリカの数カ国を対象にして行われています。実習の日程は高橋教授のスケジュールに訪問予定国の状況を加味し、調整の上決定されます(写真はギャラリーにもあります)。

海外実習1 海外実習4

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 その他のゼミ・ワークショップ・合宿

◎ ゼミ・ワークショップ 高橋ゼミではあらゆる角度から開発やアフリカを考え、互いに議論を通して戦うことを目的としています。D生やM生の区別ないゼミ生の自由な申し出や、高橋先生の提案によるゼミやワークショップも不定期に開かれています。主に話題の本や資料等の輪読会、学会発表前の模擬プレゼンテーション、フィールド調査実施前の概要説明や実施後の報告、自分の研究が行き詰まった時のブレーンストーミング目的の発表などがあります。

◎ 合宿 高橋ゼミでは通常毎年10月の最終土日に神戸市近辺で一泊二日の合宿を行っています。主に論文作成の終盤を迎えつつあるM2生の研究発表、M1生の研究やグループ発表、海外実習の報告などに加え、毎年特別ゲストをお迎えし、開発やアフリカについての講演をしていただいております(過去は外務省、国際協力機構、他大学/機関の研究者の方々に講演をしていただきました)。もちろん夜にはさらに活発で白熱する議論(?)が、日を跨いで行われます。 この合宿の参加者は高橋ゼミの学生はもちろん、ゼミのOB/OG、一般人や他大学の学生を問わず開発やアフリカに興味のある人、次年度GSICSに入学する予定の人(通称Mゼロ生)やGSICSに入ろうかと考えている人、高橋先生へ長いこと無沙汰していて合宿へ参加することでまた先生と再開し酌み交わす人、など参加者は非常に多岐です。

 なおこの自主的なゼミや合宿への参加は、GSICSの修了要件である単位には関係ありません。