OHP, PCプレゼンテーション, ポスターの作成について ―2009.10.31.agmailより―

2009年10月の城崎シンポジウムに2年ぶりに出席しましたが,
ポスターの作り方が, 2年前の初年度に較べ, 格段に向上していたのは 大変喜ばしいことです.
しかし, 「LaTeXで数学記号をボールドにする方法」等に関し, 2年前に投稿した下記の情報が,
まだまだ役立ちそうに思いますので, 再投稿します.
試していませんが, プレゼンテーション・ソフトのBeamerでも 同様の配慮が可能だと思います.

小田忠雄

> 皆様
>
> 城崎で開かれた先日の代数幾何シンポジウムで,
> ポスターセッションが試みられ, 大変有意義だったと思います.
> しかし, シンポジウム中に発言しましたように,
> もう少し工夫が必要だと感じました.
>
> 数学者が物理等他分野の人達と一緒に審査を受ける場で,
> 審査に立ち会ったことのある経験者の一致した意見は,
> プレゼンテーションに際しての数学者のOHP, PC, ポスターの
> 使い方で見劣りすることが多く, 審査で大損をする可能性が高い
> と言うものです.
>
> 数学者のみを対象とする講演(例えば数学会)やポスターであっても,
> 配慮の足りない例に出会い, 損をしているなと思うことが
> よくあります.
>
> 数学では, 定義等を遡って見返す必要が多いため, 講演や授業で
> 広い黒板を使用することが伝統的ですが, 黒板・白板のない会場や,
> 大きな会場では, OHPやPCプレゼンテーションが不可避です.
>
> そこで, OHP, PCプレゼンテーション, ポスターの使う際に
> 役立ちそうなことを, 思いつくままに纏めてみます.
>
> キーポイントは
>
> ● 字を大きく, 見易く. 字体は, (数学記号も込めて)太字を使用.
>   アルファベットはサンセリフ体で.
> ● 1頁にあまり詰め込まない.
> ● できればカラーを使用.
> ● 簡潔に. 完全な文章である必要はなく, 鍵となる単語を矢印等で
>   繋ぐ等の工夫をする.
> ● アピールしたい結果を最初に判り易く纏める.
>
> だと思います.
>
> MicrosoftのPowerPointは, そのままでは数学に使えませんが,
> TeXpointというシェアウエアを使うとかなり使えるようになります.
> googleですぐに調べられます.
>
> TeXのみでも, PCプレゼンテーションが可能です.
> それに関することを少し後述します.
>
> ポスター用に, A0用紙に大きな文字でカラー印刷する
> (あるいは, 小さな紙を貼り合わせて使う)
> ことは自分で経験したことがありませんが,
> googleで「TeX ポスター」を検索してみると, 役に立つ情報が沢山
> 見付かりました.
>
> LaTeX を使ったOHPやPCプレゼンテーションについて
>
> ● 横長のスクリーンが普通ですので, A4用紙用入力でも,
>   上半分程度に出力するように工夫.
>   講演中にスクロールや画面を遡るのは見づらい.
>   必要なら, 同じ画面のコピーを何枚も用意して順番に並べて
>   おけば良い.
>   私自身はa4paper用でpreambleに次のように設定
>   \setlength{\textheight}{14.6cm}
>   \setlength{\topmargin}{0cm}
>   \setlength{\textwidth}{19.5cm}
>   \setlength{\oddsidemargin}{-1.8cm}
>   \setlength{\parindent}{0cm}% 改行後に字下げを行わない
>   \renewcommand{\baselinestretch}{1.2} %行間を広げる
>
> ● 記号も込めて字体を太字かつサンセリフ体にする
>   \begin{document}の直後に次のように設定
>   \sffamily
>   \bfseries
>   \mathversion{bold}
>   これだけでは太字にならない記号もあるようですが,
>   \pmb を使う方法があるようです.
>
> ● カラーを使用するには, preambleに
>   \usepackage{color}
>
> その他いろいろあるでしょうが, 今回はひとまずこれで.
>
> 他の方々からも, いろいろと御提案下さると助かります.
>
> 小田忠雄