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最近,学会発表用論文(執筆中)の内容に問題が見つかるケースが多発しています。改善は,一朝一夕には無理かもしれませんが,再検討をする地道な努力があればなんとかなります。以下に,注意点を書いてみます。 ●だれかに必ず読んでもらう。できれば,プロジェクトメンバー以外の人が好ましい。プロジェクトメンバーの人は内容が分かっているので,素朴な問題に気づかないことが多い。「これどういう意味?」って素朴な質問を受けてみる。 ●問題の所在における研究の背景,本研究の新規性の確保を確実に行うこと。 ●根拠のある論述をすること。 ●論文の範囲を逸脱しないこと。 ●多くのミスは,「小さな結果,立派な考察」という組み合わせのものである。自分の出している結果から確実に指摘できる範囲の考察を書くように努力する。 ●「小さな結果」を恐れる必要はない。現状を直視して,その範囲を守ることが大切。「考察」を「かっこよく」しなければと考えすぎると罠にはまる。また,自分の研究の「のぞましい考察」「のぞましい結論」に合わせようとしてもだめ。 ●とくに数字・数値には注意。その意味を慎重に考えること。「どこまでが言えることか」「どこからが言えないことか」の見極めをすること。 ●また,分析を始めるときに,「とりあえず分析」という取り組み方をしていると,やはり罠にはまる。分析には明確な戦略をもって臨むこと(本当は,研究のスタートから見通しが決まっているはずなのだが)。 ●まずは,その戦略を他の人に説明して,納得してもらえるものかどうかを考えてみる。実際に,他の人に聞いてみる。 ●またときどきあるミスとしては,「目的と考察・結論の不一致」というものがある。1度書き終えたら,再度,「はじめに」「問題の所在」を読んでみる。
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