1,1'-Bi-2-naphthol(略称 BINOL)は、キラル軸を持つため、光学活性体の不斉合成において、キラリティ誘導体として広く利用されている。その主な反応として、触媒的不斉ニトロアルドール反応、触媒的不斉マイケル反応、触媒的不斉ヒドロホスホニル化反応、触媒的不斉マイケル反応、エノンの触媒的不斉エポキシ化反応が挙げられる。この1,1'-Bi-2-naphtholの合成法として、2-naphtholの酸化カップリング反応が知られているが、通常はV4+(2)、Fe3+(3)、Cu2+(4)の遷移金属を用いることにより均一触媒系で合成されてきた。しかし、均一触媒は触媒の分離回収が困難であり、近年、不均一触媒の利用が模索されている。本研究室では、固体触媒による2-naphtholの酸化カップリング反応を検討している。

