光触媒について

近年注目されている光触媒技術について、それらの応用例を列挙する。

光触媒反応は物質に光が当たり、励起状態にある電子が反応基質に移動することで引き起こされる還元反応と、逆に電子を授与することで起こる酸化反応の2種類があり、代表的な光触媒である酸化チタンはその強い酸化力ばかりが注目されているが、当たり前ではあるが同時にどちらの反応も起こっている。また、光触媒反応の特徴は熱触媒的に反応が進行するギブスの自由エネルギーが減少する反応(G<0)以外にも、熱触媒的には反応が進行しない自由エネルギーが増加する反応(G>0)も進行するところにある。水の常温での光分解反応がその典型的な例である。

 

 

光触媒の実際的な応用例

高速道路の遮音壁に酸化チタンをコーティングしたものを用い、車の排ガス中のNOxを酸化的除去する方法が検討されており、実地試験が行われている。

 

防音壁のほか、アスファルトに光触媒加工を施し、NOx除去の効率化がはかられている。

 

光触媒特に酸化チタンの強力な酸化力により、空気中の有機物を酸化分解することが試みられており、光触媒コートしたタイルや電灯などが開発され、実際に商品として売り出されている。

 

光触媒コートされたタイルとされていないタイルとの違いである。水洗い後、光触媒処理したタイルでは確実に汚れが落ちているが、普通のタイルでは汚れが残っている。建物の外壁等に用いることで、汚れは雨で洗い流すことが出来、いつまでも綺麗な状態を保つことが出来る。既に商品化されており、実際にこのようなタイルを用いた建物がたくさん建てられているようである。

 

近年注目されている、光触媒反応を応用?した超親水化技術である。酸化チタンをコーティングすることで、光が当たる膜表面が親水化し、水をはじかなくなる。これを応用したのが、下図のような商品であり、親水化処理により硝子や鏡などがくもりにくくなるなどの特徴が現れ、これを応用した商品が多数発売されている。


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