芳香性物質のカラム吸着

GC匂い嗅ぎ分析

イワテヤマナシ

ニホンナシ

リンゴ

(岩手大学菅原研究室

タイトルイメージ

GCピーク

研究の焦点        私たちは果物のナシ(梨)の在来品種、野生系統を国内外から収集、保存するジーンバンク事業を行っています。これらの遺伝資源の中から現在の栽培品種が持っていない、またはすでに逸失してしまったと考えられる優良形質の探索を行っています。特に果実の香りに着目し、新規芳香性物質の同定を試みています。
2)ニホンナシ、野生梨(イワテヤマナシ)果実の香りの官能評価とプロファイリング
これまでにイワテヤマナシ果実(ナツナシ、サネナシ)には数種類の主要芳香性物質が存在することが明らかになってきました(大江ら,2006, 2007, 2008, Katayama et al. 2013)
現在これらの同定とイワテヤマナシにおける芳香性物質の多様性について研究しています

芳香性物質の分析は岩手大学教育学部菅原悦子研究室、農研機構果樹茶研との共同研究です


これらの研究は科研費 基盤研究C:東北地方より収集したナシ遺伝資源の評価と利用、 基盤研究C:香りナシ育種の展開を目指した香気関連遺伝子の同定、および生研センターの受託研究である「革新的技術開発・緊急展開事業(うち先導プロ)」国産果実の新たな需要を喚起する育種素材の創出および加工技術の開発(香りの優れたナシ育種素材の開発)の研究プロジェクトに基づき遂行されています。

発表論文
片山寛則
 (2018) 日本に自生する香りナシ(梨)遺伝資源のイワテヤマナシ。 香料 279, 59-64
Katayama, H.
, Ohe, M., Sugawara, E. (2013) Diversity of odor-active compounds from wild and local varieties of Iwateyamanashi (Pyrus ussuriensis var. aromatica) revealed by Aroma Extract Dilution Analysis (AEDA). Breeding Science vol.63 86-95



関連研究発表

@布山郁恵,齋藤寿広,金沢功,藤井美穂,山本俊哉,片山寛則(2017) 官能評価・機器分析によるニホンナシおよびイワテヤマナシの果実香気評価, 園芸学研究第16巻別2,p363.
A関本陽介,山本俊哉,保坂ふみ子,吉田康子,齋藤寿広,片山寛則(2017)‘幸水’בナツナシ’交雑集団を用いた果実由来揮発性成分のQTL解析, 園芸学研究第16巻別1,p39.
B関本陽介,山本俊哉,保坂ふみ子,吉田康子,齋藤寿広,片山寛則(2017)ニホンナシの交雑集団を用いたナツナシと幸水の骨格連鎖地図の作成,育種学研究第18巻別2,p225.

C
山寛則:招待講演 豊かな香りを持つナシの在来品種たちー新たな育種素材としての香りの評価ー園芸学会平成22年度秋季大会、公開シンポジウム;’青果物のおいしさとは’園芸学研究9巻別2、pp72−73、2010
D大江美穂・菅原悦子・三宅幹雄・筧重文・正木健太郎・片山寛則:東北地方より収集したナシ遺伝資源(第2報)香気の多様性評価、園芸学研究第7巻別2、p443、2008

E大江美穂、片山寛則、菅原悦子: 岩手県にて見いだされたナシ在来品種’ナツナシ’’サネナシ’の香気寄与成分の解析、園芸学研究第6巻別2,p99, 2007
F大江美穂、片山寛則、菅原悦子: AEDA法によるイワテヤマナシ果実の香気成分の解析、園芸学会雑誌第75巻別2,p151, 2006

3)ニホンナシのポリネータ-としてのハエの有用性
ハエを誘引するニホンナシの花器官由来の揮発性成分の同定を行いました。主な3種類の揮発性成分がヒロズキンバエを誘引することが明らかになりました。これらの研究はジャパンマゴットカンパニーとの共同研究で行われています。

関連研究発表

@石田花那,谷川髑,武森洋平,岸川明日香,後藤絢太郎,渡邊優子,筧重文,不断哲男,正木健太郎,菅原悦子,前藤薫,佐藤卓也,片山寛則(2017)ニホンナシの新規ポリネータ−としてのハエの有用性, 園芸学研究第16巻別2,p96.
1)ニホンナシ、野生梨(イワテヤマナシ)果実由来の芳香性物質の同定と
プロファイリング
SAFE、Dynamic Head Spaceによる香気揮発性成分のGC分析、
GC
匂い嗅ぎ分析(GC-O, AEDA)、GC-MS分析による
揮発性成分
の特徴づけ

GC-MS分析 
(岩手大学菅原研究室)