平田 直之 (Naoyuki Hirata)
連絡先 :hirata *** tiger.kobe-u.ac.jp (*をアットマークに)
- 自己紹介

大学HPでの自己紹介はこちら
・大阪府茨木市出身
・1988年(昭和63年)生まれ
・経歴
2006年3月 清風学園高等学校 卒業
2006年4月 京都大学理学部入学
2010年3月 同 卒
2010年4月 東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻 入学
2015年3月 同 卒 学位:博士(理学)
恩師(指導教員):宮本英昭 先生(現 東京大学工学部教授)
2012年4月-2015年3月 日本学術振興会特別研究員DC1
2015年4月-2016年9月 神戸大学理学研究科惑星学専攻 荒川研究室(実験惑星学) 日本学術振興会特別研究員PD
2016年10月 神戸大学理学研究科惑星学専攻 大槻研究室(宇宙物理学) テニュアトラック特命助教
2019年10月~現在 神戸大学理学研究科惑星学専攻 同 助教
- (私が指導教員として指導している)メンバー
在学生
(博士)池谷蓮(DC1)
(修士)松山晃也・溝田霧斗・藤本健志
(学部4年生)
卒業生
(修士課程卒)田中小百合・西川直輝・西田淳之介・今村祐樹・米津慶
(学部卒)豊川広晴・竹内大登・堤さやか・野間光葉・山下雅生
- 研究の興味と関心
固体地球・惑星・環・衛星・小惑星・磁気圏・大気・表層…幅広くなんでも興味があります。主に太陽系の固体天体の表層でおきる現象について研究しています。しかし固体ではないものも手広く研究しています。広義では地学や天文学、狭義には比較惑星学・惑星地質学・惑星地形学・惑星物理学と呼ばれる分野で活動しています。その過程で身に着けたリモートセンシング画像解析についても少々詳しいです(特に海外のリモセン探査機に詳しいです)。最近はSubaruやHubble望遠鏡のデータ解析もしています。
私は自分で研究のアイデアを考えるのが好きで、研究時間の半分は研究のアイデアを考えるために費やしています。同時に5つくらいは平行して全く違うアプローチの全く違う対象の研究をしています。研究の面白さというのはいろいろありますが、ずっと前に研究のブームが来たものに対して、いい研究のアイデアが思いついて、いままで誰も気が付かなかった視点でとらえることで、新しい発見をする瞬間がすごく面白いと思います。他の誰にも書けないユニークな論文を書いてみせた、という自負心をもって論文を発表するのは科学者にとっての醍醐味だと感じます。ただし、こういうやり方はあんまり効率は良くないので、これは良いぞとおもった研究のアイデアが3つあっても論文として形になるところまでたどり着くのは1つだけだったりします。
研究をやるとき、複雑なものよりもシンプルなものをする方が好きです。シミュレーションで難しいものを考える、あるいは既存のモデルに様々なパラメータを付け加えて複雑なものにする、既存の数値シミュレーションをさらにリアリティあるものにする…というのはやるのは大変ですが誰でもすぐに思いつくことだと思っています。そういうものではなくて、もっと単純化された系で、いままでなかった視点で物を捉え直すような研究がやはり好きです。ずっと同じことをしつづけることは尊いことでそういう職人魂が研究を前進させる…という考えもあまり好きではありません。恩師や先輩が作り上げたモデルにパラメータを追加して発展させる、というアイデアもやはり誰でも思いつくことです。そういう研究も大事だとは思います。でも、同じことをしつづけるって、じつは楽なんですよね。むしろ新しいことをし続けるというのはとても疲れるし難しいことです。しかし、そういうチャレンジから独創性がうまれてくるのだと私は考えており、(難しいことではあるのですが)そういうアイデアを探し続けています。具体的な私の過去の研究については こちら をご覧ください。
- 研究室で期待する学生像
私の方から特別に求める学生像というのはありませんが、研究室訪問の時期が近くなると非常によく聞かれるのでここに書いておきます。基本的にはどんな学生さんでもウェルカムです。研究室訪問を希望の折にはどうぞ気軽にメールをお送りください。モラトリアムをエンジョイしたい、遊び足りないからもっと遊びたい…という大学生さんもいることでしょう。私はそれはそれでまぁ良いんじゃないかと思っており、(必要なことをきちんとするという前提ですが)いい思い出をつくって卒業してほしいと思っています。一方で、もし真面目に研究したいと思ってるなら「大学院では自分で考え、自立して研究しようとする姿勢が重要である」ということを明確にしておきたいです。大学までは教えられたことを教えられたとおりにすると良い評価をもらえますが、大学院ではそうではありません。学生の皆さん自身が思っている以上に、教員の側から教えてあげられることは実はないのです。こちらで作った緻密な研究計画に基づき研究をやってもらうというやり方もご希望があればその通りにしますが、特に大学院のレベルにおいては「なんでも自分でまずはやってみる」という気構えが自身の成長にも必要になってくると思います。
求める学生像はないと書きましたが、基本的には一定程度の英語・数学・物理の教養がある方が望ましいです。べつに何もわかっていなくても研究はできたりするのでやる気があればなんとかなるとはおもいますが、とはいえ、この分野は物理がある程度できないとどうにもならないことが多いので、できた方がいいです。私の研究はパソコンを使ったものがメインなのですが、数学や物理ができればプログラミングなどもすぐにできるようになると思います。英語は多少できなくても英語原著論文を読める程度が望ましいです。これらについて3年生までにしっかり学んでおくと役に立つでしょう。
研究者志望の学生の場合は、なにより論文を書くということが大事です。研究者の世界では、論文が出ていない人・論文を自力で書けない人を一人前とは見なしません。自分で研究のネタを探しだし、それを英語原著論文として纏め、査読を通す力を学生時代にしっかり身に着けてください。
- 主に担当している講義について
(3回生向け)惑星学実習B
この実習授業では積分・微分方程式の数値解法の基礎から応用・実践まで幅広く学びます。微分は簡単だけど、積分はむずかしいって高校生の時に思いませんでしたか?じつは、ほとんどの積分の式は人力では解けないものです。うまく式変形して解くことができるものはとてもレアなんですね。常微分方程式・偏微分方程式も同様に解析的に解くことはなかなかできません。現実は世知辛いもので、有用な式は解析的に解けないものばかりです。そういった式の数値計算法…平たくいえばプログラミングで近似的に解く方法を教える実習です。浮動小数点の性質・桁落ち誤差や丸め誤差・積分(台形公式・シンプソン法)、常微分方程式(オイラー法・Adams-Bashforth法)、偏微分方程式(拡散方程式・移流方程式・波動方程式)を手取り足取り教えます。数値計算の実習は、開始時点での学生間の力量差がたいへん大きく、初学者と熟練者を同時に相手にしないといけません。毎年苦心しており、試行錯誤しています。ですので、まったくプログラミングをしたことがない、微分方程式が分からない、という人でも安心して授業が受けられるように学習環境を整備しています。授業資料についてはBEEFを通じて公開しています(内部限定)。
(2回生向け)惑星学基礎IV演習
惑星学科に入学した学生の皆さんなら、地球の構成要素・火山・地震・テクトニクス・地滑り・流水地形・浸食と堆積作用といったことについて一通りのことをすでに知っているかもしれません。でも、ここ惑星学科ならではの講義として、地球以外の固体天体について解説しています。例えば、火山は地球以外の天体にもたくさんありますが、重力・物質・溶け込んでいる揮発性成分・粘性など何もかも違います。そういった多様な姿を知ることで、地球の火山について改めて深く知ることができるかもしれません。講義では、まず地球の火山活動がどう理解されているのかという基本的な理屈をおさらいし、それが火星や金星やイオの火山について適応できるかどうか、できないとしたらなぜなのかということを、観測データや理論などを交えて解説します。授業資料についてはBEEFを通じて公開しています(内部限定)。
- これまでの私の研究
私が過去に中心的役割を果たした論文の一部について、日本語で簡単に紹介します。卒研配属を検討されている学生の皆さんはぜひご参考に。
研究についての紹介はこちら
ちなみに私の査読付英語原著論文の一覧は こちら です。
最終更新 2024年4月
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