神戸大学 工学研究科
電気電子工学専攻
メゾスコピック材料学
林 真至
Shinji Hayashi
Mesoscopic Materials Laboratory
Department of Electrocal and Electronic Engineering,
Graduate School of Engineering
Kobe University
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Shinji HAYASHI
林 真至
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「塵の世界
」に
ようこそ!
ナノって何なの?
近年、多分2000年頃からだと思いますが、新聞紙上などでにわかに「ナノ」という言葉が頻繁に使われるようになりました。ナノサイエンス、ナノテクノロジーという使われ方が、最も多いと思います。それでは、「ナノ」とは何なんでしょうか?
一般に、「ナノ(nano)」は色々な単位の頭に付く接頭語であり、10
-9
を表します。単位は例えば秒なんかでも良いのですが、現在良く使われているのは、長さの単位であるメートル(m)にナノがついて、ナノメートル(nm)です。つまり10億分の1メートルの事を表します。
従って、ナノサイエンス、ナノテクノロジーとはナノメートル程度の大きさを持った物質のサイエンス、テクノロジーということになります。
日本では、古くから10
-9
には、「
塵
」の字があてられてきた。
江戸時代の吉田光由という人の本に「塵劫記」(1672年)というのがあります。その中に、10の何乗という書き方で、大きい方に向かって最大で10
88
までの表し方が載っています。ちなみに、10
72
は「那由他(なゆた)」で、子供の名前に使ったと言っている人がおりました。10
88
は、「無量大数」とされています。
同じように、10のマイナス何乗というのについても、10
−23
まで書いてあり、10
−23
は「浄(じょう)」と書いてあります。そこで10
−9
を見てみると、「
塵
」であることが分かります。
従って、上記のナノサイエンス、ナノテクノロジーは、塵科学、塵技術ということになります。