概要
超短パルスレーザーという道具を駆使して,分子の励起状態や化学反応を理解・制御していきたいと考えています。
これまでの光化学における光の役割は励起状態へ系を励起するのが主で,励起後は系が緩和するに任せるしかありませんでした。しかし,系のダイナミクスに合わせて光の波長や位相,強度を時間的に変化させた光パルスを使えば,励起後も引き続き光で系を「操る」ことが可能になります。そのような光パルスは,超短パルスレーザーを使うことで発生させることが出来るようになってきています。そして,そのパルスを照射した時の系の変化は,超短パルスレーザーを使うことで実時間で「観る」ことができるようになってきています。反応素過程を「観る」ことで,より詳細に「操る」ための知見が得られるわけです。
このように、本研究室では「操る」ことと「観る」ことを互いにフィードバックループでつなぐことで新しい光化学を展開していきたいと考えています。
主な研究テーマ
1. 手法開発
□紫外可視ハイブリッド型量子制御法の開発と光化学への応用
□多変量パルス列発生システム
2. 装置開発
□サブフェムト秒の時間分解能を持つ新規光学遅延回路
□Webカメラを用いた簡易型ビームプロファイラー
3. 材料開発
□光誘起金属絶縁体相転移機能を持つ新規ナノワイヤシステム